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物事はいつも彼女から  作者: 七灯
第三章 文化祭まで
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第54話 文化祭の出し物は…?

 昼休みの前に夏樹に「秋山さんと春川も一緒に昼一緒にどう?」と聞いてきたので、奏の承諾を得て了承しておいた。そのときは完全に忘れていたのだが、今日の昼ごはんは奏も僕もサンドイッチで中身も一緒。つまり、偶然と言い逃れることはできない。


「…なあ、もしかして、二人って…。」

「そんなことはない。」

「まだ何も言ってないけど。」

「ねえねえ、今日のはどっちが作ったの?」

「今日のは僕だよ…。」

「へぇ。歩は料理できるタイプなんだ。なつとは違って。」

「はは。何言ってるんだ。俺だってやろうと思えば、料理くらい…」

「前回お肉焦がしてた人がなにか言ってま~す。」

「そ、それは外では言わない約束では!?」


夏樹以外が笑うと、夏樹は恥ずかしくなったのか、急いでごはんをかけこんだことで噎せてしまい、結局また三人で笑うこととなり、夏樹は「ふゆ、あとで覚えてろよ…」と言い残して教室から出ていった。あと少しで5限目が始まるというのに出ていったので、ちゃんと始まる前に帰ってくるか心配になった。


 結局、夏樹は5限目が始まる前に教室に戻ってきて、どこに行っていたのか聞くと、6限目の体育の場所を聞きに行っていたらしい。今日は外で授業のため、バレーボールだろうと思い、着替えて外に行くと、バレーボールで使うボールがたくさん入ったカゴがあったので、間違いなく今日はバレーボールだ。


「春川は持久走のほうが好きだろ?」

「そうだね。夏樹は球技のほうが好きそうだけど。」

「ん?俺は投げるのも打つのも走るのもできるから、嫌いな種目がないって言うか、まあ、そんな感じだ。お前とは違ってな。」

「夏樹絶対さっきのこと恨んでるでしょ。」

「いやぁ。そんなことないですけど?」


夏樹の新たな一面を見られたという発見と同時に、この一面は場がピリピリするのであまりさせないようにしたいと思う気持ちもあった。


 いつもは夏樹がボールが来そうなところに入ってフォローしてくれるので、あまりボールにさわることもなく、そのおかげでミスが少なく済んでいたのだが、今日は夏樹のフォローが少なかったので目に見えるほどミスが目立ち、相手チームはミスの多い僕の近くにボールを落としてきた。


 挙げ句の果てには相手チームのスマッシュが直撃した。その後、夏樹が僕を体育の先生のもとまで連れていってくれた。結局、僕は5分のうちの3分程度しか試合をしておらず、後は体育の先生と一緒に他のプレーを観戦していた。


 6限目も終わり、着替えた後教室に戻ると、一足先に戻ってきていた女子たちが帰宅のために片付けをしていた。席に戻り、片付けを始めると、いつの間にか教室に入ってきていた小林先生が「全員一旦注目して~。」と言うので、少し驚きつつ先生のほうを見る。


 小林先生は教卓の前に立ち、一度息を吸い、淡々と話し始める。


「えっとですね。文化祭の出し物を決めないといけないんですよ。というか、もう取り組み始めてる時期なんです。」

「「…え?」」「「はぁ?」」


クラス中に困惑と驚愕が見られ、小林先生も苦笑している。


「このクラスだけ全然準備始めないからなんでだろうなって思ってたんだけど、私、そろそろしないとヤバいって言わなかったっけ?」

「そんなこと聞いてないです先生!」

「あー、そうだったか~。じゃあ、今日中にやること決めたいから今から話し合いをしてもらいます。それじゃあ、秋山さん、仕切ってね。」


いきなり指名された奏は指名されることが分かっていたのかすぐに席を立つ。そうして僕のほうを見る。


 奏が見てくるので、自分に指を指し、本当に自分を見ているのか確認すると、奏はすぐに頷くので、仕方なく席を立つと、奏は笑顔を向ける。


 僕が席を立ちクラス全体を見ると、クラスのほとんどの男子からは嫉妬の目を向けられる。


 今すぐにでもこの場を離れたかったのだが、奏がサポートとして選んでくれたなら、その期待に応えたい。幸い、ほとんどの女子は負の感情を持った目線ではなかったので、少し心が軽くなった。


 多少ほっとしている僕を奏が周りからは見えないようにつついてくる。


「こういうときって何から決めるべきなんでしょうか?」


確かに、クラスとしてどういう出し物がしたいのかはっきり言って分からない。


「なら、まずは出し物は当番制になるだろうから、お化け屋敷みたいにほとんどの人が当番をするのか、展示品とかにして当番をほとんどなしにするかだな。」

「なるほど。そうですね。皆さん、今から投票をしてもらいます。文化祭当日は当番制になると思うので、その当番が長いか短いかどちらか好きな方を選んでください。」


その言い方だと、どんな出し物が対応するのか分からないと思い、補足をする。


「お化け屋敷みたいに当日かなりの人数が必要になる出し物は長い方、展示系のフォトスポット、他にも説明役だけでいい縁日みたいな屋台系の出し物なら短い方になるから、やりたいことがどっちにあるかを考えて投票してください。」


一通り補足説明を加えると、奏は僕にだけ聞こえるような小さな声で「ありがとうございます。」と言って、話を進める。


「どちらに投票するか決まった人から伏せてください。」


奏が全体を仕切ると、すぐに奏と僕、先生以外は机に伏せて、投票を待つ姿勢になった。


「それでは、投票を始めます。どちらか一方に手を挙げてください。前者はお化け屋敷などの役者が必要な長い方、後者は屋台などの説明役が必要な短い方です。」


奏が丁寧に説明をして、投票が始まる。


「前者が良いと思う人は手を挙げてください。」


ちらほらと手が挙がり、それを集計する。計8人が手を挙げたのを確認して、奏にサインを出す。奏が「降ろしてください。」と呼びかけると、挙がっていた手が下がる。


「後者が良いと思う人は手を挙げてください。」


残りの20人が手を挙げると思いつつも、集計すると、計18人であった。多数決であるため、後者が採用されるのは確実なのだが、後で手を挙げなかった二人に何がしたいのか聞いたほうがいいだろう。


 挙げてない二人を確認して、奏にサインを出す。そのサインを見て、奏は「降ろしてください。」と言い、それに続けて「集計が終わりました。顔を上げてください。」と呼びかける。全員が顔を挙げたところで、先生が声をかける。


「はい。秋山さん、春川さん、お疲れ様。今日はこのくらいにしましょう。」


そう促され、奏と僕は席に戻る。


「先生、結局どっちが多かったんですか?」

「結果を発表してませんでしたね。なら、秋山さん。私が言っても構いませんか?」


奏は「大丈夫です。」とだけ返すと、先生は「後者、つまり、説明役だけでいい短い方です。」と結果を発表して、「明日のホームルームに続きをするので、各自やりたいことを一つ考えてきてね。」と付け加えた。

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