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物事はいつも彼女から  作者: 七灯
第二章 二人は一人
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第45話 時と場合

 奏がソファーで休憩している間に、お風呂に入り、時計は21時を指していた。奏はもう大丈夫のようで、キッチンで明日の朝と昼ごはんの準備をしていた。


「奏、お風呂開いたよ。」

「あ、はい。今行きます。」


奏はスピードをあげて準備を終わらせようとしている。流石に奏一人にさせるのはよくないので、ここからは引き継ぐことにする。


「そんなに慌てなくてもいいよ。後はやっておくからさ。」

「え、歩さん、料理できるんですか?」

「一応一通りはできると思ってるけど…」


確かに奏の前では一度も料理をしていないと思う。入学したすぐは料理をしていたが、ただ一人のために食材から調味料まで買うのはどうかと思い、結局コンビニ弁当などに行きついた。


「忍さんに見張りについてもらったほうがいいでしょうか。」

「いや、姉さんのほうが料理苦手だぞ。」

「え?でも、この前ハンバーグ作ってたじゃないですか。」

「ああ、あれは昔僕が『姉さんのが食べてみたい』って言ったら、すごく頑張って研究してたんだよ。だから、ハンバーグは作れるよ。他は分かんないけど。」

「へぇ~。そうなんですか。なら、もっと他の料理も頼んでみたらどうですか?作ってくれるかもしれませんよ?」

「でも、姉さん、こだわるところにはすごくこだわるから、軽く2週間くらいかかるよ?」

「研究って、そんなに時間かかるものなんですか?」

「まあ、姉さんがやりたいようにやってるし、できるものも美味しいから、文句は無いけどね。ほら、奏は先にお風呂行ってきて。」


奏にお風呂を進めると、奏は素直にキッチンから出ていった。


 引き継いだのは良いが、奏に何を作るのか聞いていなかった。というか、どれが朝ごはんの材料で、どれが昼ごはんの材料なのか分からない。どの食材がどちらの料理の食材かも分からない。


 お風呂場まで行って奏に聞くほうが早そうと感じ、お風呂場まで移動する。浴槽につながる扉をノックして、奏を呼ぶ。


「え、歩さん!?」

「あ、驚かせてごめん。料理のことなんだけどさ、あれ何作れば良いの?」

「あ~。そうですね。…歩さんが作れるので良いですよ。」

「何でもいいのか?」

「食べれるものでお願いしますね。」

「僕が食べれないもの作ると?」

「いえ、冗談ですよ。ほら、食材痛んじゃいますよ。早く行ってきてください。」


奏に急かされるので、了承の意を示してキッチンに戻る。


 朝ごはんであれば、持ち運びが面倒なものでもいい。だが、昼ごはんは別だ。昼の時間は短いので、食べやすいもののほうが良いだろう。まあ、奏が用意していた食材で大体何を作るのか一品だけは分かっていた。後はそれに合うものを作れば良いのだろう。


 料理を引き継いでから15分くらいたった頃に奏がキッチンに入ってくる。奏はエプロンを着て隣に立つ。奏が用意した食材を使って作った料理を見て嬉しそうに話しかけてくる。


「歩さん、よく肉じゃが作るって分かりましたね。それに、結構料理上手ですね。」

「そう?奏と比べればまだまだだと思うけど。」

「そんなこと無いですよ。というか、女子からの褒め言葉は流さないほうが良いですよ。」

「でも、奏、僕が他の女子と話してたらどう?」

「それは…嫌、ですね。」


結局どうしたほうが良いのか分からなかったが、奏からの褒め言葉は流さないようにしようと心がけることにした。

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