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物事はいつも彼女から  作者: 七灯
第二章 二人は一人
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第42話 彼女と構い方

 奏のコップにジュースを注いで、リビングに戻ってくると、僕が座っていた位置にあったクッションが奏の隣に移動していた。奏は動かされたクッションに座れと言わんばかりにとんとんたたいている。奏の前にジュースを置いて、クッションに座ると、奏がクッションごと移動してくる。


「あの、奏さん?」

「…。」

「え、えっと…」


何も言わず腕に引っ付くので、どうすればいいのか分からない。困っていると、姉さんが、


「奏ちゃん、構ってほしいんだよ。」


と言うので、奏を見ると、奏は頬を赤くしていた。


「奏、そうなの?」

「…ぅ。」


すごく可愛い声を漏らしてから、一度頷いていたので、今日はとことん構い倒そうと思う。


「それじゃ、私はお風呂入ってくるから、二人とも仲良くね~。」

「なら、私も…」

「駄目だよ、今日は二人で仲良くだよ?じゃ、お先に失礼♪」


姉さんは僕が構い倒すのが分かったのか、すぐさまここから離れた。密室(リビング)で男女二人、何も起きないはずがなく…。


「えっと、奏?」

「は、はい!」

「構うって、何すればいいの?」

「…何すれば、いいんでしょう?」

「昨日みたいなこと?」

「あ、あれはだめです。あっ、なら、まずは頭を撫でるとか、どうですか?」

「そんなのでいいのか?」

「そんなのじゃないです。私にとっては嬉しいですよ。」


奏にそう言われたら撫でるしか選択肢はないだろう。奏が嫌がらないように、奏の髪に優しく触れるように撫でる。


「歩さん、手大きいですね。」

「そうか?夏樹と比べたら小さいと思うけど。」

「でも、私より大きいじゃないですか。ほら、手合わせてください。」


奏が手のひらを出してくるので、合わせてみると、当然僕の手のほうが大きい。


「私、歩さんに守られてると思うんです。」

「いや、僕の方が、守られてるよ。今日も、みんなに詰められたときに助けてくれたし。」

「い、いや、あれは、私が我慢できなかっただけで…」

「それでも、僕は奏に助けられたんだ。だからさ、ありがとう、奏。」


奏は直接お礼を言われることに慣れていないのか、すごく照れている。その照れた顔は徐々に消え、しゅんとした顔になった。何か機嫌を損ねることをしてしまったのかと思い、奏を撫でていた手を離すと、奏は不思議そうな顔になっていた。すぐになぜ僕が手を止めたのかが分かったようで、奏は手を僕の頭の上にのせ、撫で始める。


「歩さんが、何かした訳じゃないですよ?ただ、私が歩さんの支えになれるかなって。」


奏は僕にとって十分支えになっている。それをなぜ奏が心配する必要があるのか。そう思うと、すぐに奏を抱き寄せていた。


「大丈夫。奏は僕の支えになってるから。ほら、ごはんとかも助かってるし、クラスの人とだって多分、話すきっかけになったからさ。」

「ひゃ、ひゃい。」


奏は居心地が悪かったのか、もぞもぞと体を動かしていたので、一度奏を解放すると、奏は僕のあぐらの上に座り、居心地のいい体勢を見つけて落ち着いていた。奏は僕に背中を預けるように座り、僕を見て、また笑顔を見せた。

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