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物事はいつも彼女から  作者: 七灯
第二章 二人は一人
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第40話 彼女と隣は…

 先に新しい席に座り、前で席の位置を確認している人たちの誰がどこに移動していくのかを見ていると、奏がこちらに歩いてくる。そして、僕の左隣の席に荷物を置く。


「…えっと。よ、よろしく。」

「は、はい。」


とりあえず、普通に挨拶しようとしたが、互いに照れてしまう。それを見て、夏樹が口を出す。


「おいおい、どうした?挨拶は大事だぞ。古事記にも書かれてる。」

「そうなんですか?」

「え?知らない。」

「夏樹、嘘はよくない…」

「いや、なんかの漫画に書かれてたって!」


ほんとに書かれているんだろうか。などと思いつつ、話せる相手が近くに二人もいるので、今回の席は当たりと言っても良いだろう。と思っていると、さらに聞き覚えのある声の持ち主がやってくる。


「おまたせ~!」


そうして、左後ろの角の席には、白瀬さんが座る。どうやら、話せる相手は三人だったようだ。


「ふゆ、席交換してもらえたの?」

「うん。私元々30番、えっと、右後ろの角だったから、左後ろの角の席持ってる人見つけてお願いしたら、交換してもらえたんだ~。」

「その人、よく交換しようと思ったな。」

「なんかね~、窓辺は夏場暑くなるからちょうどよかったって言ってたよ?」

「まあ、確かにそういう理由もあるか。俺なら真っ先に確保するけどな。」

「なんか、なつらしいっていうか。っていうか、私以外みんな自分で引き当てた系?」


夏樹は最初から紙を持っていたので、間違いない。奏は頷いていたので、自分で引いたのだろう。なら、交換してもらった白瀬さん以外自分で引き当てたということになる。まあ、右後ろの角を引き当てるのもなかなかだと思うのだが。


「私交換してなかったら一人だけ反対側だったのか。交換しててよかった~。」

「私も、後ろが白瀬さんでよかったです。」

「ああ、秋山さん、男子から狙われてるからねぇ~。まあ、分からんでもないというか。」


女子陣が言っていることがどういうことか分からなかったので、夏樹に聞いてみた。


「あれ、どういう意味なの?」

「ああ、昔、というか中学の時にさ、ふゆの後ろの席の男子に髪とか触られたってことがあってな。」

「ああ、なるほど。だから、後ろの席の人が大切って訳か。」

「そうそう。まあ、触った奴は中学卒業の時に別れたから、基本会わなくなったけど。あと、俺の隣がいいってのもあるな。ふゆ、真っ先に俺の席の番号聞いてきたからさ。」

「そ、そうか。なんか、うん。よかったな。」


そこまでされていたら男性恐怖症か何かにでもなっていてもおかしくなさそうだが、きっと夏樹がケアしてあげていたのだろう。今では夏樹や僕と普段普通に話しているので、特に問題がなさそうでよかったと思う。


 そして、本題であったテスト返しが始まる。


「全員席着いたから、テスト返すよ~。はい、じゃあ、一番から番号順に取りに来てね。」


 全員にテストを返し終わり、小林先生は教卓の近くにあったパイプ椅子に座り、解説を始めた。


 後ろから肩辺りをつつかれ、振り向くと、夏樹が答案用紙を貸してくれと指差すので、おとなしく渡した。そして、夏樹が声をあげたことで教室が静まり返り、解説が中断され、後々呼び出されていたのは、また別のお話。

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