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物事はいつも彼女から  作者: 七灯
第二章 二人は一人
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第39話 彼女と友達

 通学中に大量の視線を浴び、朝から疲れたが、奏はどうということはないみたいだ。慣れていると言えばそうなのかもしれないが、僕が周りから見られることが慣れるのは、到底まだ先、いや、来ない可能性もある。


 いつもより30分は早く教室に入ったので、夏樹や白瀬さんのような話せる相手がいなかったので、おとなしく自分の席に向かう。


 教室に入ってからは、奏も周りに邪推されないよう、僕とは少し距離を取っていた。奏の方を見ると、そわそわしているように見えた。今日一日大丈夫なのかと思ったが、奏から離れたので、無理に話しに行って邪推されるのは、奏にも悪いと思い、そっとしておいた。


 課題をしていると、聞き馴染みのある声がかけられる。


「今日も真面目だな。春川。」

「そうだね。歩、ちゃんと休憩いれてる?」

「夏樹はもうちょっと真面目になった方がいい。あと、休憩はちゃんとしてる。」

「うわ、朝一番からひどくね?」

「まあ、事実だし。ていうか、どうしたの秋山さん?」

「え、あ、いや、何でも…」

「あ!もしかして一線越えちゃった!?」

「なんでそうなる!?」

「春川もふゆも声がでかい。周りの人みんな見てる。」


夏樹に指摘され、周りを見ると、ほとんどの人はこちらを見ている。目が合うと視線を逸らすので、まあ、気になってはいるのだろう。


 タイミングよく予鈴がなるので、夏樹と白瀬さんは、「また放課後。」と言って離れていく。放課後部活があるのだが、と内心思いつつ、席に座り直し、課題を進めることにした。


 本鈴がなる前に担任である小林由美(こばやし ゆみ)が教室に入ってきた。小林先生は、手に見慣れない箱を持っていたので、疑問を持った白瀬さんが質問した。


「小林先生、それ、なんですか?」

「よくぞ、聞いてくれました。今から席替えをしたいと思います。」

「え?でも、先生。もう一限目始まりますよ?」

「一限目は私の分かりやすい数学の授業だから、少しくらい削っても大丈夫!あと、今日テスト返すし。」


テストという言葉に嫌そうな言葉が返されるのを聞きつつ、自分の授業が分かりやすいと自分で言っていいものなのだろうかと思ったが、先生は謎の圧を発していたので、流石にクラスの誰一人声にすることはなかった。


「なら、一番からどんどん引いていって。紙には番号が書かれてるから、その番号の席が次の席になります。交換とかはなしですよ。」


一番から並んで席の交換が駄目と言われ、次は夏樹が質問する。


「次の席替えはいつ頃になるんですか?」

「まあ、1ヶ月に一回変えようかな?」

「四月から今日まで一回も席変えてなくないですか?」

「そういうときもあるってことでご愛嬌ということで。ほら、みんな引いた?」


自分の席に戻り、持っている紙を開くと、そこには、大きく9と下線が引かれていた。教室の前に張り出された紙で席の場所を確認すると、左後ろの辺りにだった。これまでの番号順でも、席は後ろの方だったので、そこはいいのだが、隣が誰になるかが重要だ。番号は自己申告制なので、申告する前に紙を交換して、前を回避しようとする者がいたが、巻き込まれたくないので、関わらないようにした。9と下線が書かれた紙を持って先生の元へ行く。


「はい、春川さんは何番?」

「9番です。」

「はい、なら、荷物持って移動してくださいね。」

「はい。」


鞄を取りに前の席に戻ると、夏樹から番号を聞かれた。



「春川何番だった?」

「9番だった。」

「お、俺の前じゃん。邪魔し放題だな。」

「いや、邪魔はしないでくれ。ノート見せるから。」

「仕方ないなぁ。そういうことにしとくか。」


なんとか邪魔されることは防ぐことができ、近くに話せる相手がいてよかったと思った。そんなことを思っていたから、夏樹がニヤニヤしていることに気がつかなかったのだろう。

SS1書きました!良ければ見てみてください。

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