表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
物事はいつも彼女から  作者: 七灯
第二章 二人は一人
38/116

第38話 彼女と視線

 朝食の準備が終わり、リビングに入ると、姉さんが起きていた。


「お二人とも、朝からラブラブだねぇ。」

「な、そ、そんなことは、な、な…」

「奏、姉さんのことは基本スルーでいいから。」

「ひどい!それが姉への態度なの!?」

「うん。」

「やっぱりもっとひどい!こんなことならここから出ていってやる!」

「姉さん夏休みなんだろ?ならすぐ帰ってくるじゃん。家にいても暇なんだから。」

「まあ、そうだけどさ…」


姉さんはこの土曜日から九月の始めまで取っている授業がなく、実質夏休みであり、又、姉さん自身も家にいても暇だから、という理由でこちらに来ている。


 三人で朝ごはんを食べて、時間にはまだ早いが、学校に行く準備をするため、奏は一度部屋に戻ると言い、僕の部屋から出ていった。


 しばらくすると、玄関が開いた音がして、奏がリビングまでやって来た。奏は僕を見るなり、不思議そうな顔をしていた。


「どうかしたか?」

「いや、今日から夏服じゃなかったかって。」

「…。」

「…え?ですから、今日から…」

「いや、二度も言わなくていい。分かってる。」


今日から全員夏服登校なので、夏服を着なければならないのだが、今僕が着ているのは冬服なので、このまま行くと生徒指導行きだろう。


「なら、早く夏服に着替えてきてください。もう少ししたら、学校行きますよ。」

「いつもより30分も早いけど。」

「夏場は暑いので、早めに学校に着いておきたいんです。学校なら、エアコンでも扇風機でもつくでしょうし。ほら、早く早く。」


奏に急かされるので、寝室に入りすぐに夏服に着替えることになった。


 夏服は冬服に比べて着やすくて良いな。と思っていると、ふと、奏の冬服のときをそこまで気にして見ていなかったと気づき、10月までのお楽しみとなった。


 リビングにつながる扉を開けると、奏は姉さんと何か話していたが、すぐに話を切り上げ、僕の元によってきて、僕を見ながら僕の周りを一周した。


「歩さんって、やっぱり爽やかに見えますね。」

「え?そう?でも、僕より爽やかな人クラスにいるでしょ。」

「ああ、北村さんですか。私、あの人苦手なんですよね。」


奏が言う北村さんとは、クラスメイトの北村優一(きたむら ゆういち)であり、顔は良いのだが、性格が少し良くない。奏としても、あまり関わりたくない人物なのだろう。


「とにかく、歩さんは自己肯定感が低すぎます。もうちょっと自信持ってください。ほら、学校行きますよ。」


奏に手を引かれ、そのままリビングを出る。遠くから姉さんが、いってらっしゃ~い。と言うのが聞こえたので、やけくそ気味にいってきますと叫ぶように言った。


 奏とエントランスを抜け、外に出たのだが、まだ学校が始まる時間でもないのに、ちらほらと同じ服装の生徒らがいた。そして彼ら彼女らからは熱い視線を向けられる。それもそうだ。何せ、めちゃくちゃ可愛い女子の隣で手を繋いで歩いているのは、ぱっとしない男子なのだから。


 周りからの視線に耐えられなくなり、奏の方を向くが、奏はまあご満悦で、周りの視線など気にもしていないようだ。学校までがいつもの二倍、いや、三倍に思えるほど、朝の通学は長く感じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ