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物事はいつも彼女から  作者: 七灯
第二章 二人は一人
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第34話 姉と彼女

 奏は奏の部屋に寄ることなく、当たり前かのように僕の部屋に入った。部屋に入ると、お風呂場から音が聞こえ、様子を見に行く。お風呂には、お湯が半分くらい貯まっていた。姉さんが帰ってきたときにお湯張りを設定してくれたのだろう。奏がいるリビングに戻り、奏が寒がっていたことを思い出したので、一つ提案する。


「奏、先にお風呂入るか?」

「え?」

「いや、寒がってたから、先に入った方が良いかなって思って。」

「そうですね。………い、一緒に、入ります?」

「え?あ、いや、それは…」

「ふふっ、冗談ですよ。じゃあ、先に失礼しますね。」


そう言って奏は今日買ってきた服などが入った袋を持ってお風呂場に行った。


「弟くんも一緒に入ればいいのに。」

「いや、流石に高校生の男女二人でお風呂はまずいでしょ。」

「しょうがないにゃあ~。なら私が奏ちゃんと入ってくるにゃ。」


そして姉さんもお風呂場に向かったので、二人が出てくるまでリビングで待つことにした。


 リビングにあるソファーに転がってみると、疲れたのか、だんだん意識が遠くなっていく。



「ん、んあ、あ?」

「おはようございます。歩さん。」

「お、おはよう。って、8時!?」

「大丈夫ですよ。まだ20時ですよ。」


そう言われ窓を見ると、外からの光がなかったので、夜であることを確信した。


「ちょっと焦った。」

「今のちょっとのレベルでしたか?」

「僕だけならまだいいけど、奏まで遅れるかもしれないと思ったら結構焦るよ。」

「いや、歩さんも遅れたら駄目ですよ。」


奏から指摘を受け、苦笑すると、奏は頬を膨らませていた。そんな僕らを見て、奥から少し笑いを含んだ姉さんが現れる。


「なになに?目覚めのキスでもしたの?」

「な、し、してません!」

「もぉ~、奏ちゃんそんな必死になっちゃって~。」


これはわざとやってるなとか思いつつ、奏が必死に弁明しようとしているのが可愛かったので、少し眺めていることにした。


 少しすると、奏は姉さんに弁明するのは無理だと思ったのか、僕に助け船を求める。


「歩さん、私そんなことしてないですよね!」

「どうだろ。僕寝てたから分かんないなぁ。」

「うう、忍さんも歩さんも、私をいじめます。」

「まあまあ、奏ちゃんは性格的にはまだしないとは思ってたけとね。ほら、お弁当温めてきたから、一緒に食べよ?」

「うう、はい。」


奏は不服そうだったが、お弁当を食べてからは、そんなことは忘れたかのように上機嫌だった。なぜなら、僕が奏が今日買っていたパジャマを褒めたからだろう。ちなみに奏のパジャマは僕がボーイシュでも似合うと言って奏が選んできた少し大きめの白と黒の水玉模様のTシャツだ。


「そろそろさ、お風呂入ってきていいか?」

「あ、そうですね。…早く戻ってきてくださいね?」


奏にそう言われたら仕方ないので、できるだけ早くお風呂から上がろうと思った。

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