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物事はいつも彼女から  作者: 七灯
第二章 二人は一人
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第33話 終わりと始まり

 最後に惣菜店向かい、今日の晩ごはんを決めていた。僕は大きめのハンバーグの入った弁当を選び、奏と姉さんはエビフライの入った弁当を選んでいた。僕が財布を出そうとすると、姉さんは待ったと声をかけてくる。


「今日は私が誘ったんだし、このくらいは払わせて。」

「え、でも…」

「いいのいいの、私がバイトして貯めたやつだし、私の使いたいようにさせて?」

「…はい。」


奏が遠慮するのも分かる。奏は服屋で服を買おうとしたときも、姉さんが止め、姉さんが払っていた。


 今日の晩ごはんを手に入れたので、後は帰るだけだ。帰るまでが遠足とはよく言うが、今回は帰るまでがお出かけと言うべきだろう。そんなことを思いつつ、ショッピングモールから出る。空を見ると、天候が悪くなっているのを感じた。姉さんは雨が降るのを確信したのか、


「私、先帰って傘持ってくるから、二人ともちょっと待っててくれない?」

「え?歩いてすぐなんですから、皆で行けば大丈夫じゃないですか?」

「いや、弁当持ちながら走るのは駄目な気がする。」

「た、確かにそうですね。なら、忍さんだけ先に?」

「うん。じゃ弟くん。これ任せた。」


そう言って奏の服が入った袋ともう一つ袋を渡された。姉さんは袋を渡すと、すぐに走っていき、どんどん離れていった。


「姉さん来るまで、中で待つか?」

「そうですね。雨降っちゃうそうですから。」


そういうことで、僕らは中に移動し、入り口近くのベンチで姉さんを待つことにした。


 五分もすると、雨が降り始め、姉さんの勘が当たったなと思っていると、奏は僕の腕に身を寄せてきた。


「奏?寒いのか?」

「あっ、え、えーと、は、はい。」


入り口の前なので、入り口の自動ドアが開くごとに、冷たい風が入ってくる。場所を変えようかと思ったが、奏が動く気配がなさそうなので、今着ている上着を奏に羽織らせることにした。


「ありがとうございます。温かいですね。」

「どういたしまして。でも、もうちょっと気にしてほしいかな。」

「い、いいじゃないですか。忍さんが来るまでは、このままがいいです。」


そうして、姉さんが来るまで、片腕は奏に抱きつかれていた。


 片腕を封印されてから少し時間が経ち、自動ドアから姉さんが現れる。走って往復20分くらいということは、かなりスピードを出して疲れていると思ったが、姉さんを見る限り、疲れているとは思えなかった。


「ラブラブな二人は一緒にね。」


 奏は姉さんが来るまでと言ったが、いざ姉さんが来ても、腕を放す気はないらしい。なぜか姉さんは傘を二本しか持ってきておらず、大きめの傘を僕らに渡してきた。


「それじゃ、ぼちぼち帰りましょ。」


姉さんの合図に頷き、奏と一緒に立つ。


 ショッピングモールから再び出ると、20分前とは違い、雨が少し降っていた。


「さっきより弱くなってるから、今のうちに帰ろうか。」

「姉さんが行ったときもっと強かったの?」

「そうだよ。でも、追い風だったからそんなに濡れずに済んだんだけどね。」


傘をさして奏と一緒に歩み始める。姉さんのさした傘を追うように奏と話しながら歩いていると、あっという間にマンションに着いた。

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