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物事はいつも彼女から  作者: 七灯
第二章 二人は一人
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第31話 お出かけと目撃

「それじゃあ、二人とも準備できたみたいだし、そろそろ行きますか。」


僕は椅子に置いてあった肩掛け鞄を肩にかけ、そのまま玄関へと向かう。一番最後に部屋から出て、鍵を閉める。二人はエレベーターホールに向かって歩きだしていたので、乗り遅れないよう、ついていった。


 三人で話しながら歩くこと15分。というか体感5分くらいだったのだが、目的地のショッピングモールに着いた。予定としては、まず、奏と姉さんが服を見にいきたいそうなので、服屋に行く。


 服屋に入った後すぐに事件は起こる。背後から小さな声が聞こえてきた。


「ねえねえ、あれって秋山さんと春川くんじゃない?」

「え、ほんとだ~。」

「…!?」


ぼそっとした声だったため奏は気づかなかったようだが、反射的に声がしたほうを向いてしまった。声の主は同じクラスの女子の立花(たちばな)さんと上山(うえやま)さんだった。別に個人で見られることは問題ないのだが、学年一美少女と言われている奏と別にどうってことのない僕が一緒にいたことを目撃されるのは問題だ。さらに、奏とは手をつないでいたので、何かしらを疑われるのは間違いないだろう。僕が目線を向けたせいで彼女たちは商品棚の陰へと移動してしまい、後を追おうと足を止めると、奏がこちらを見て不思議そうな顔をしていた。今は奏がいるため、単独で行動するのは、奏の機嫌を損ねるのではないかと思い、再び歩み始めると、奏も一緒に歩み始める。


 やはり、先ほどのことについて奏も思うことがあったらしく、気になった服を手に取りつつ、聞いてくる。

「歩さん、少し前、どうかしましたか?」

「あ、あの、いや。何でも。」

「歩さん、嘘つくの苦手なんですから、言いたくないことは言わなくてもいいんですよ?」

「え、あ、うん。」


僕の動揺に姉さんは気づいたようで、奏に何着か服をオススメして、奏が試着室に入るように誘導していた。奏が試着室に入ってから、姉さんは僕に小さな声で言う。


「ごめん。まだ二人って、学校ではそこまで話してないんだよね。多分、さっきの子達さ、弟くんたちと同じクラスだよね。」

「うん。はぁ、流石に予想してなかったなぁ。」

「ほんとにごめん。そこまで考えてなかった。そりゃそうだよね。学校の近くのショッピングモールなら、同級生とかでも、休日友達と寄るとかあるもんね。いや、ほんとにごめん。」

「いや、姉さんが悪い訳じゃないんだ。ただ、あの二人、結構広めちゃう人達だったと思って。」


そんなことをひそひそと話していると、カーテンが開き、奏が姿を現す。奏には悟られないよう、家を出る前くらいの表情を作ることに成功した。


「似合ってますか?」

「うん。かなり似合ってるよ。奏は髪が短いから、ボーイシュな服でも似合うと思うな。」

「そうですか?なら、次はそっち系を着てみますね。」


そう言って奏は再びカーテンで身を隠す。そのとなりで姉さんが「表情まで作れるまでになってしまうとは…」とぼそっと言っていたが、仕方ないことだと思いつつも、何も言い返さなかった。

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