第30話 準備とふれあい(2)
「ん。終わりましたよ。」
奏に日焼け止めを塗っている途中に目と口を閉じていてほしいと言われたので、奏のしたいようになっていた。ようやく自由にと思いながら目を開ける。
「日焼け止めなんて自分で塗ることなんてなかったから、なんか手間取っちゃった。全部奏がやったほうがよかったかも…」
「そんなことないですよ。歩さんに塗ってもらうことに意味があるんですから。」
「そうなの?まあ、それならいいけど。」
これで、僕と奏の準備が終わったので、姉さんが出てくるまで待つことになった。姉さんを待っている間二つ奏に渡すものがあることを思い出した。
「あ、そうだ。奏に渡すものがあるんだけど。」
テレビが置いてある棚から箱を取り出し、その中から鍵を一つ取り出して奏に渡す。
「私に…ですか?」
「うん。ほら、部屋入ってくるのにさ、わざわざ開けるの面倒じゃない?まあ、他の人が見たら不審者だと思われるしさ。」
「あ、そうですね。でも、この二日間は忍さんに開けてもらいましたよ?」
「そういえば、何時くらいから来てるの?大体僕が起きたくらいには朝ごはん作り終わってるし。」
「歩さん。この二日間、何時に起きてると思ってるんですか。歩さんが起きたの8時半過ぎですよ?」
言われてみれば、この二日間はいつもより遅く起きている。普段なら一時間前には起きているのだが、なぜかぐっすり寝ていた。
「平日だったら、確実に遅刻ですよ?」
「そうだよな、来てくれてるのになんかごめん。」
「謝らないでくださいよ。私としては、全然いいんですよ?歩さんの寝顔とか見れますし。」
「写真とか残してないよな?」
「え、あ、の、残して…ないですよ...?」
「ちょっとスマホ見せてくれない?」
「あ、だ、駄目です!1分待ってください!」
「やっぱり残してるんじゃないか!」
「だって、可愛かったんですもん…」
女子が可愛いなら、良いと思うのだが、男子はカッコいいと言われたいのでは?とは思ったものの、口に出すことはなかった。
「あとさ、連絡先交換しない?互いに連絡取れるほうが何かあったときでも、大丈夫じゃない?」
「そうですね。というか、昨日忍さんと連絡先交換して、もう歩さんとも交換してた気になってました。」
昨日こそこそ二人でやってたのは連絡先を交換していたことだったようだ。
無事、奏と連絡先を交換できたので、改めて姉さんが出てくるを待ちつつ、奏とどこを回るか話していると、寝室の扉が開き、姉さんが姿を見せる。いつもはすべてそのまま流されている黒い髪はポニーテールにまとめられていた。
「忍さん、印象変わりましたね。」
「でしょ?髪長いといろいろできるから楽しいよ。」
「でも、髪洗うとき大変じゃないですか?」
「大変大変。汗かくと余計大変でさ。」
「分かります。私も中学のときまでは長かったので、良く分かりますよ。」
「奏ちゃんって、中学は長かったんだね。ちょっと気になるかも!」
「多分、実家に戻れば、写真が残ってるはずですよ。あっ、よかったら二人で来ていただくのもいいかもしれませんね。きっと、お母さん喜びますよ。」
「それじゃあ、夏休みくらいに弟くんと一緒に行こうかな。」
夏休みの予定が一つ増え、楽しみも増えていく。あれ?僕ら夏休み前に文化祭があったような…?そう思うと、奏は級長だから、これから忙しくなりそうだなとも思う。できるだけ奏の負担を減らそうと心に決める。
めちゃくちゃ設定忘れてた。文化祭が始まるのは、多分40話くらいになりそうです。




