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物事はいつも彼女から  作者: 七灯
第二章 二人は一人
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第29話 準備とふれあい(1)

 奏が作ってくれた朝ごはんを三人で食べていると、姉さんは、


「休みの日なんだし、三人でどこかいかない?」


と言う。奏が行きたいかどうかは分からないので、とりあえずこう答えることにする。


「奏がいいなら。」

「歩さんがいいなら。」


奏も考えていたことは同じだったようで、結局昼から出かけることになった。ちなみにお出かけ先は、奏の体力が持つか分からなかったので、近くのショッピングモールとなっている。


 昼ごはんを食べた後、奏はすぐに着替えると言って部屋から出ていった。僕はというと、寝るときから動ける服を着ているため、着替える必要がない。


 十分ほど待っていると、呼び鈴が鳴り、玄関へ向かう。ドアを開けた瞬間、普段では絶対に見られないであろう奏の姿があった。少し緩めの半袖の白色の服に、膝から下の色白の脚が出ているデニムのパンツ。さらに、羽織れるくらいの上着と小さめの鞄を手に持っていた。奏を見ている時間が長かったのか、奏はおずおずと聞いてくる。


「あの、似合ってないですか?」

「いや、かなり似合ってると思う。」

「それならよかったです。というか、やっぱり歩さんはその服で行くんですね。」

「まあ、これが一番動きやすいし。」

「それもそうですが…。まあ、いいです。」


なぜか奏は少し機嫌が悪くなった。とりあえず、姉さんが準備が終わっていないようなので、部屋の中に入れる。


 奏はソファーの右端に座り、僕は左端に座った。もともとこのソファーは二人用なので、大して奏と間は開いていないが、奏は距離を詰めてくる。奏は僕の耳元で、


「日焼け止め、塗ってくれませんか?」

「え?」

「塗ってもあげますよ?」


と小さい声で囁くので、肩が跳ねる。


 多分、ここで断ればさらに奏の機嫌が悪くなるだろう。今日一日の奏の機嫌をとるために、僕は奏から日焼け止めのクリームが入った容器を受け取った。


「それじゃあ、塗るよ?」

「はい。」


僕が日焼け止めを塗るのが確実になってから、奏はすごく上機嫌だ。じっとしている奏の腕から、日焼け止めを塗っていく。


「これ、もしかして、脚も?」

「仕方ないですね。では、お願いしますね。」


奏はソファーに座りながら、両足を前にのばした。奏の笑みは可愛らしい天使から、悪巧みする小悪魔へと変わっていた。


 何か仕返しをしたかったのだが、今やってしまうと、いろいろまずい状態になりかねないので、やめておいた。お願いされてしまったので、膝辺りに触れる。


「ひゃあ!?」


奏のほうを見ると、慌てて口を塞いでいた。


「あ、やっぱり、自分でやる?」

「だ、大丈夫です。つ、続けてください。」

「でも、顔と膝上は自分でやってくれないか?」

「は、はい。」


 そうして奏の脚にも日焼け止めを塗り終わると、僕は奏に日焼け止めを渡す。奏は慣れた手つきで残りの顔と膝上に塗り終えた。僕がやる必要なかったんじゃ。と思っていると、奏は両手で僕を座らせ、奏自信の手にクリームを出して、僕に注意してくる。


「私が全部やるので、目と口閉じててください。」


奏に言われるまま、目と口を閉じる。いい子ですね。と奏が小さく耳元で言うので、体が跳ねる。くすっ、と声が聞こえてきたので、やはり仕返しをしておいたほうがよいと再び思うこととなった。

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