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物事はいつも彼女から  作者: 七灯
第二章 二人は一人
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第26話 彼女と彼氏

 視線を感じてから1分ほど無視をしたが、僕らを貫いている視線は、一向に離れる気配がなかった。奏はというと、全く気づいていないようだ。仕方なく、声をかけることにした。


「いつまでそこで見てるんだ。」


奏はきょとんと首かしげ、僕の視線を辿り、姉さんと目が合う。


「え、いつから見てたんですか?」

「えーと、弟くんが奏ちゃんの両肩持ったときくらいから?」

「「大体最初のほう…」」

「まあまあ、私としては、嬉しいよ?弟くんが選んだ子が可愛い子で。」

「私、そんなに…」

「いや、可愛いと思うぞ。」

「歩さんは、そういうことすぐ言うから嫌いです。」

「え、嫌いだったのか…」

「あ、いや、違います!歩さんが嫌いというわけではないんですよ!」

「そ、そうだよな。さ、流石に一時間も経たずに嫌われるとかないよな。」


やり取りをし合っていた僕らを見て、あははと笑った姉さんは、立ち上がった。


「私、今日はもう限界だからもう寝るね。」

「ああ、分かった。何ならベット使う?」

「いいの?ありがと~。それじゃ、おやすみ~」


 姉さんが寝室に入ったことを確認して、奏に聞いて見る。


「そういえば、奏、全然部屋に戻ってないけど、お風呂の準備とかしてないよね?」


奏は手をパーにして、あまり開いていない口を見えなくして、あっ。と声を洩らす。やっぱりと思いつつ、奏に提案してみる。


「じゃあ、こっちで入る?シャンプーとかは持ってこないとないけど。」

「え、いいんですか?」

「まあ、姉さんが入った後だけど、それでも良ければ。」

「なら、使わせていただいてもいいですか?」

「うん。流石に男が入った後は嫌だろうから、先に入ってきていいよ。」

「歩さんなら、全然いいですけどね?いっそ、一緒に入っちゃいますか?」

「え!?そ、それは、まずいんじゃ…」

「ふふっ。冗談ですよ。」


奏が一緒にお風呂に入ると言うとは思いもしなかったので、すごく取り乱したと後から思う。


 奏は上機嫌のまま、奏の部屋にシャンプーなどを取りに戻っていったので、そのうちに早くなった鼓動を元に戻すことに徹していた。


 鼓動を元に戻すことに成功し、安心していると、すぐに扉が開く音が聞こえ、また少し鼓動が早くなった。奏はわざわざリビングまで来て、


「先に入りますね。」


と言い、お風呂場に引き返していった。


 話し相手がいなくなり、奏がお風呂に入っている間に、授業の先取りとして、教科書を読むことにした。寝室に入ると、姉さんがベットで寝ていたため、できるだけ音を立てないようにして、教科書を読み始めた。


 奏がお風呂に入ってから、20分ほど経ち、女子はやっぱりお風呂長いなぁと思っていると、扉がゆっくりと開き、奏が姿を見せた。僕はまた音を立てないようにして立ち上がり、開いた扉に向かった。

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