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物事はいつも彼女から  作者: 七灯
第一章 二人は二人
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第22話 三人会議にて

 奏が寝始めてから大体一時間くらい経った。流石に寝始めてから五分くらいで、体を慎重に離して、ソファーに寝かせ、毛布は寝室から持ってきてかけてあげた。

 今は土曜日の15時。誰かが来るなんてことは考えていなかったので、完全に気を抜いていた。今この部屋にいるのは三人。僕と奏、そして姉さんだ。僕は姉さんに睨まれた後、寝室に腕を引かれ連れていかれた。


 姉さんは寝室の扉を慎重に閉めて、奏が起きなかったことを確認し、僕の方に向き直った。


「弟くんよ、私、弟くんにあんな可愛い彼女いるなんて聞いてないんだけど。」

「いや、奏は彼女じゃなくて…」

「彼女でもない人を名前で呼んだうえ、家に入れるって…」

「違うんだ。今日朝起きたらもう家にいて…。ん?あれ?よくよく考えてみれば…」

「彼女、ぶっ飛んだことしてんね。これ、通報案件か?」

「いや、待ってくれ姉さん。かな…彼女はわざわざ来てくれて朝も昼もごはん作ってくれたし、勉強も教えてくれたんだ。」

「私の弟くんが、私の知らない女に胃袋掴まれてる!?こうなったr」


ガチャ。

突然開いた扉に僕と姉さんは会話を止め、少し開いた扉に目を向ける。奏を起こしてしまったかと思ったが、本人はそんなことを気にする様子もなく、少し開いた扉から片目だけで覗くようにこちらを見ていた。


 姉さんが扉に向かい、僕も着いていく。奏は僕らがリビングに行くことを察したのか、扉の前から少し焦った様子を見せながら離れた。寝室とリビングを繋ぐ扉はリビングから見て押戸になっているため、別に離れる必要もないのだが、姉さんを見ると大体理由が分かった。奏、頑張れと心の中で思いつつ、姉さんの後を追うようにリビングに入った。


 僕らがリビングに入り、僕と奏がそれぞれのクッションに、姉さんはソファーに足を組んで座った。


「聞きたいことは山々なんだけどさ、まず、君ら付き合ってるの?」

「えっと、今はまだ…」

「いや、付き合っては…」

「ふーん。じゃあ、付き合ってみたら?」

「「え?」」

「私としては弟くんにこんな可愛い彼女ができた方が嬉しいよ。」


奏を見ると、みるみる顔が赤くなっていく。褒められるのは慣れていないみたいだ。


 姉さんにとっては、僕の中学時代を知っているので、奏には分からないように、一時間ほど前に奏に話したことは秘密にしてくれている。


「あのさ、姉さん。あの事はもう奏には話したから、隠さなくていいよ。」

「え?そうなの?」


姉さんはすごく驚いた顔をしていた。これまでにこれ以上の驚きは見たことがないと確信できるくらいには驚いていた。


「そっか、それだけ信頼できる人が歩にも見つかったんだね。それなら心配はないかな。」


久しぶりに姉さんが僕の名前を呼んだ。まるでこれからは別々になってしまうかのように。驚きや不安の思いが顔に出ていたのか、姉さんは僕に笑みを浮かべつつ、


「まあ、弟くんの様子は時々見に来るから。」


と言った。きっと僕を安心させるために言ったのだろう。


 その後、三人の中にはいろいろな疑問が飛び交った。ある程度疑問が消えたのか、姉さんは立ち上がり、奏の方を向いた。そして、奏に指を指して、自信満々に言葉を放った。


「奏ちゃん、私と料理対決だ!」

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