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物事はいつも彼女から  作者: 七灯
第一章 二人は二人
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第19話 お誘いにて

 マンションに向かいながら、ジョギング終わりに出会った部長にいろいろ質問していた。


「なんで部長僕と彼女が会ったこと知ってるんですか。」

「あはは、失敗したなぁ。隠し事苦手なんだよなぁ。まあ、仕方ないか。僕は木曜日に秋山さんに会ったんだ。」


木曜日は手紙の差出人が秋山さん本人かどうか確かめるため、早めに学校に行ったはずなのだが、彼女はいつもの登校時間より遅くに席に着いていた。つまり、あの日部長は彼女に会い、相談を受けていたようだ。


「僕は彼女に会って、学校が休みの週末、まあ、金曜日とかに会いに行けばいいんじゃないかと言ったんだ。だから、ある程度は君たちの行動は予想してたんだよね。」


要するに、部長は彼女の行動の立案者だった。


「で、どうなんだい?春川君は秋山さんのこと好きなのかい?」

「…好きなんでしょうか」

「まあ、君を見てるとまだ分からないとしか言えないかな。ほら、彼女が待ってるんじゃない?」


気がつけばもうマンションの前まで来ていた。彼女との約束の時間はまだ過ぎていないが、部長としては、男二人より、男女で時間を過ごすせと言わんばかりに部長は僕の背中をおもいっきり掌で押すように叩いた。


「おかえりなさい。歩さん」

「ただいま。」


そう言うと彼女はむぅ~と唸り、頬を膨らませていた。


「私が名前で呼んでるんですから、歩さんも名前で呼んでください!」


どうやら彼女は名前を呼ばれなかったことが不満だったようだ。確かに今日の朝から歩さんと呼ばれていたが、あまり気にすることでもなかったため、いつも通りの対応をしていた。


「えっと、か、(かなで)さん?」

「なんで疑問形なんですか。」

「なんか、さん付けが慣れなくて。」

「なら、奏でいいですよ。」

「え、あっ、うん。ただいま、奏」


名前で呼んであげると、すごく満足そうな顔をしていた。可愛いという思いが頭の中で行き来していたが、口には出さなかった。


 土曜日といえど、テストが終わったため、テスト終わりすぐの期間は次のテストに向けて課題の先取りや復習などをすることにしていたのだが、今この部屋には奏がいるのだ。一人黙々と課題をするのも申し訳ないと思ったので、奏を誘ってみることにした。


「奏、今から課題するんだけど、一緒にやる?」

「え?いいんですか?」

「わざわざ来てくれたのに一人黙々課題するのもね。どうせ後から勉強することだから、無理にとは言わないよ。」

「そうですね。じゃあ、私も筆記用具とか持ってきますね。」

「うん。なら五分後から始めようか。」

「はい。可愛い彼女のことちゃんと待っててくださいね?」


可愛い彼女は笑顔によりさらに可愛さを増した。ほほえみを向けて了承の意を帰すと、奏は少し驚いたような表情を見せ、すぐに回れ右して玄関に向かっていった。

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