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物事はいつも彼女から  作者: 七灯
第一章 二人は二人
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第18話 トレーニングにて

 手を洗い終え、リビングに戻ると、彼女はリビングの端に置いてあったクッションを二人分用意し、テーブルを挟んで空いているクッションに座るように手招きしていた。


 彼女に答えるように空いているほうのクッションに座り、彼女と彼女の作ってくれた料理に感謝して、彼女といつもより多い朝ごはんを一緒に食べ始めた。


 取り分けられた量の料理を食べ終えたので、残った分は昼に回そうと彼女と話し合っていた。


「いつもは朝からそこまで食べないタイプだったんですね。勉強になりました。」

「どこに勉強出来る要素があったんだ…」

「どこでも、です。関係からって言いましたよね。だから、今は知ることが互いにとって大切なことだと思うんです。」


その後、質疑応答をしながら朝ごはんの残りを分担して冷蔵庫に入れていると、彼女は一足先に任せた仕事を終えたのか、家の中を探検しにキッチンから出ていった。


 少し時間が経ち、そろそろ走り込みでもしようかと思い、彼女に声をかけることにした。


「ちょっと走ってくるけど、ここにいる?」

「そうですね。まだいるつもりですよ。そうだ、お風呂用意しておきましょうか?」

「そこまで飛ばさないからいいよ。」

「そうですか。いつくらいに戻ります?」

「大体十分もしたら帰ってると思うけど。」

「分かりました。それくらいならここで待ちますよ。」


 玄関で靴を履き替えていると、彼女は水の入ったペットボトルを持ってきて、


「これで腕のトレーニングにはなるんじゃないんですか?」

「それは帰ってきてからかな。」


 実際、ペットボトルを持って腕を振るだけでもかなり疲れる。いいトレーニングにはなるかもしれないが、いつもジョギングと腕振りは分けてやっていたので、差し出されたペットボトルは受け取らなかった。


「では、気を付けてくださいね?」

「うん、行ってくる。」


 いつもより朝ごはんを多く食べたので、今日はいつもよりも遅めのジョギングにした。7月の終わりに近づいてきたのか、朝でも暑くなったことを実感する。


 ジョギングをしつつ、なぜ彼女が僕に寄り添うのか気になった。彼女ほとの美人は僕のようなパッとしない男より、もっといい人がいるのではないかと思う。腕時計を見ると、部屋を出てから五分ほどが経っていた。そろそろ切り上げようとしていると、思わぬ人に出会った。


「あれ?春川くん?」

「え?加藤(かとう)先輩?」


 その思わぬ人とは、陸上部部長である加藤風太だった。いきなり声をかけられたので、知らない人だったらどうしようなどと考えていたが、杞憂だったようだ。


「ちゃんと毎日トレーニングしてるみたいだね。どんなことだろうと基礎が一番大事だからね。」

「それは理解してるつもりなんですが、部長って家こっちのほうでしたっけ?」

「いや、ここから学校挟んだ向こうくらいかな?走ってたら気持ちよくなっていつの間にかこっちらへんまで来てたんだね。」

「彼女はどうだった?」

「なんで部長から秋山さんのことが出てくるんですか。」


この質問に部長は「おっと」と何か失敗したような声を出していた。二人でマンションのほうに向かいながら、部長からいろいろ聞き出すことにした。

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