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物事はいつも彼女から  作者: 七灯
第一章 二人は二人
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第17話 結論にて

「不法侵入はやめような。」


そう言うと、彼女の思っていた答えとは違ったのか、驚きと恥ずかしさを混ぜたような表情を浮かばせていた。


 実際のところ、僕は彼女が求めている答えも分かっている。それでも、まだ分からないことがあるから、彼女の思いには答えられないのだ。なんともいえない表情を浮かばせている彼女はもう一度見て言った。


「僕は秋山さんの気持ちには、まだ答えられないよ。」


その言葉は彼女の思いに答えたものであると分かったのか、彼女はうつむいて、はい。と小さく呟き、僕の枕を抱えて顔を埋めてしまった。


 僕は強い罪悪感を覚え、同時に彼女に傷を負わせてしまったのではないかと思った。彼女は少し震えているように見えた。


 次に僕はとっさに彼女を枕ごと抱きしめた。なぜこんなことをしたのかは僕自身も分からないが、考える間もなく行動に移していた。


 彼女はというと、枕から顔を離したものの、何が起こったのか分からず、正面の壁を見ているだけだった。


 彼女を離してからしばらくすると、彼女は何が起こったのか理解したのか、していないのかよく分からなかったが、顔を真っ赤に染めているのは分かった。


「振った相手を抱きしめるって何考えてるんですか!」

「え?いや、振ってはないけど…」

「…え?」

「え?」


 実際まだ答えられないと言ったので無理とは言ってないのだ。その事を彼女に説明すると、安心そうな顔をするので、とりあえず僕としても少し落ち着いた。


「なら、関係を持つことから始めませんか?」


とおずおず話しかけてくるので、僕は少し考えた後、了承を示すため頷くと、彼女の顔はだんだん笑顔に変わり、今日のところは満足したのか立ち上がり、


「また明日来ます。覚悟しててくださいね?」


と言って、少し笑った顔を僕に見せ、僕の部屋を足早に出ていった。


 次の日、彼女は僕が寝ていたベットの縁に座っていた。体を起こすと同時に、


「おはようございます。(あゆむ)くん。」


という声をかけ、僕にただ笑みを向けてくるだけだった。土曜日の朝だというのにわざわざ僕の部屋まで来て挨拶することもないのにと思いつつも、リビングにつながる扉を開け、リビングに行く彼女についていった。


 リビングには、皿に取り分けられた料理が並んでいた。食材などは僕の部屋にはないので、彼女が彼女の部屋から持ち込んだものだろう。


 それ以上に彼女の手作りだと思うと、家族以外が作る料理は、チェーン店やコンビニのものばかりだったので、それらを除けば初めてだろう。


「何これすごい美味しそう。」

「食べる量が分からなかったので、少なめに作ったんですけど。朝から食べれるタイプですか?」

「あ~、うん。多分いける。」


 普段はあまり朝からがっつり食べないのだが、彼女が作った料理はそんな気持ちを吹き飛ばすほど美味しそうに見えた。朝ごはんを食べるため、手を洗おうと洗面所へ向かった。

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