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物事はいつも彼女から  作者: 七灯
第一章 二人は二人
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第16話 不法侵入にて

 いつもより早歩きで教室を出た僕は、部室を目指してまだ練習が始まっていない校庭を突っ切り、練習開始時間までには間に合わせることができた。


 部員の人達は暗号が解けなかったのかあるいはテストで暗号のことなど忘れてしまったのか、いつもと変わらず、一人一人部活の準備をしていた。


 僕は服を着替えてから部長を探すと、部長はいつもの定位置にいたので、すぐに見つけることができた。


「部長、答え合わせしていいですか?」

「ん~。そうだね。まあ、そろそろかなとは予想してたけど。」


部長は少し悩んでから、そう言ってくれたので、一つずつ確認することにした。


「まず、暗号の意味は告白でいいんですよね?」

「うん。僕はその手紙を出した人に会って本当に自分の気持ちかどうか聞いたからね。」

「えっ。そうなんですか。」

「あれ?もしかしてまだ会いに行ってないの?てっきりもう会ったのかと思って。」


 僕としては確信しきれなかったので、部長に確認してから本人に確認しようと思っていたのだ。


 それにしても部長が手紙の差出人に会っていたことについては知らなかった。差出人に会っているなら、次の質問にも答えてくれると思い、次の質問を投げかける。


「差出人は秋山奏(あきやま かなで)さんであってますか?」

「…これは僕が答えるべきなのか…」


部長は困ったようにして、結論を出した。


「それは、本人に会ってからのお楽しみってことで、駄目かな?」

「え?まあ、いいですけど…」

「というか、春川は秋山って子のことどう思っているんだい?」

「それは…」


内心、秋山さん本人から送られたとしても、僕は告白には答えるつもりがなかった。それは、僕の過去がかなり影響しているのだと思う。少し過去のことを思い出してしまい、今日の部活は全く身が入らなかった。


 質問の後、部長に四枚目の手紙を渡すと、じっくり見た後、苦笑いをして、僕に暗号を返した。内容を聞いたが、何も教えてくれなかった。


 部活が終わり、部屋に着くと、玄関に靴があったので、姉さんかと思い、寝室へ向かった。


 なんと、そこにいたのは、秋山さんだった。それも彼女は僕のベットで寝ている。

(こういうときってどうするのがいいんだ!?)

てっきり姉さんがいると思っていたので、この状況を理解しつつ、鞄を下ろし、彼女に確認するのは彼女が起きてからでいいだろうと思い、鞄から暗号を取り出し、解読することにした。


 四枚目の暗号は要約すると、なぜ暗号を他の人に共有したのかというお咎めだった。共有したのは悪いなと思いつつも、一週間前から郵便箱に入れられていたので、広めてしまったのはどうしようもない。


 時計を見ると、時刻は21時に指し迫っていた。手紙の入ったファイルとメモノートを棚に戻そうとしたところで、背後から声がかかる。


「どうして起こしてくれなかったんですか。」


いきなり声をかけられたので、肩が跳ねてしまった。彼女はたった今起きたようで、すごく僕を見てくる。また帰ってしまうのではと思い、慌てて扉の前に移動すると、


「今日は逃げませんよ。それに、私に聞きたいことがあるのでしょう?」


と聞いてくるので、正直に頷いておいた。本人も僕が何を聞きたいのかが分かっているようなので、僕はさっきまで座っていた椅子に座り、こう答えることにした。


「不法侵入はやめような。」

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