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物事はいつも彼女から  作者: 七灯
第一章 二人は二人
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第14話 躊躇にて

 二人のヒントにより無事解読出来た暗号の差出人は秋山さん本人なのか確かめるため、いつもより少し早く学校に行くことにした。


 学校に着くと、夏樹が僕の側に寄ってきて、


「秋山さんまだ来てないぞ。」


と言うので、やはり差出人は秋山さんではないのではないかと思い、昨日出来なかった自己採点を始めた。


 夏樹がやってきて驚いた表情をしてから、


「自己採点高いな。流石春川だぜ。」


と言うので、


「記述は0点で取ってるけどな」


と返すと夏樹の驚いた表情は真顔に変わり、僕の両肩に手を置き、


「春川、お前天才か?」


と聞いてくるので、そうでもないぞと返していると、教室の前の扉から秋山さんが入ってくるのが見えた。夏樹もそれを確認して、背中を叩いてくるので、秋山さんに聞こうと立ち上がろうとしたところ、秋山さんは自己採点を始めてしまった。


 上がりきることのなかった腰を椅子に下ろし、秋山さんを見ると、緊張しているのかいつもよりそわそわしているように感じた。


 スローペースになった自己採点は結局朝のホームルームまでには終わらず、手紙の差出人の確認も出来なかった。


 昼休み兼昼食の時間、僕の席のまわりの人達は食堂へ行ったため、空いた席に夏樹と白瀬さんを誘い、三人で昼食をとっていた。


「結局春川は秋山さんに聞いたのか?」

「いや、それが…まだ聞いてなくて…」

「あーもう。いっそのこと私が聞きに言ってあげようか?」

「いや、そこまでしてもらうのはちょっと白瀬さんにも秋山さんにも…」


 そんな会話をしていると、僕は真っ先にパンを食べ終えてしまった。今聞きに行けという視線を二つ感じたが、秋山さんを見ると、一人で昼ごはんを食べていた。どうせなら一緒に食べようと誘えば良かったと思ったが、彼女のことを思っている男子は自分と同じ学年だけでも数知れないほどいるので、誘えば周りの視線を浴びること間違いない。


「まだ食べてるし、ただでさえ短い昼の時間なんだから、僕の本人確認はまだいいよ。あと、周りの視線を浴びたくない。」


そう言うと、夏樹はため息をつき、


「まあ、確かにそうだけどさぁ…」


と不満を言いたげにしていた。


 女子同士ならまだしも、男が多分学年一可愛い女子に話しかけに行ったら学校での立ち位置がなくなるのは間違いないだろう。


 結局、彼女に確認するタイミングは放課後になってもやってこなかった。お前が聞きに行かなかったからと言われればそれで終わりなのだが、やはり、あと一歩踏み出す勇気がなかった。


 陸上部はテスト週間はもちろん、テスト当日や最終日、火曜日と木曜日、さらには大会がない限り、週末の部活がない。ただし、個人で出来る範囲の走り込みやトレーニングはしないといけないので、ほぼ毎日部活があると言っても過言ではない。


 僕は、すぐに暗号を解読した部長に答え合わせをしたら自信が付くのではないかと思い、明日の部活で、部長に聞いてみることにした。

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