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第6話 お食事タイム到来です 同じく講義はサボります 中編

 講義が始まって二十分は起きているはずなのに……ここ最近イレギュラーが多いのは何故でしょうか?


 まあ私のご褒美タイムが二十分増えたことは喜ばしいのですが色々と心配ですね。


「では出席簿を取るぞー、始めに一番の相笠愛」

「は、はい!」


 出席簿!

 私達が通う大学の単位は講義始めの出席が多く反映されます。私はこの出席の為にだけ訪れいつもサボっている訳です。しかし今、私ではなく蓮がピンチ。一度も欠席と遅刻をしていない蓮は成績最高評価を貰えるはずが、ここで蓮が返事をしなければ評価が確定で落ちます。


 ここは禁じ手のくすぐりを解放する時。蓮の腹筋を触るのを我慢して弱点である脇にクリティカルヒットです!


 ……

 ……起きません!!!

 まさかあの時のくすぐりはまぐれだったのでしょうか?

 あ、それとももう一度塩を振りかけ……


「及川モカー」

「不意な腐敗肺配布不発で母這い吐いて遺灰化!」

「普通に返事しろー」


 次で蓮の番!

 早すぎますよ、何で笠原って苗字なんですか、今だけ原笠になって欲しいです。


 もう覚悟を決めるしかありません、蓮には後で今世紀最大の仕返しをしませんと!


「笠原蓮ー」


 食らうがいいです、私が夜な夜な妄想に妄想を重ねてあみだした、蓮のイケメンボイスを!


「ハイッ!」

「……ん、誰だ今の声はー笠原じゃない女の声がしたぞ。もう一度呼ぶぞ、笠原蓮ー」


 ダメです、私が全力で低い声を出しても地声が女すぎて男になりきれません。イケメンボイスをもっと練習しておけば良かったですね……ではこれでどうです!


 私はスマホを操作し。


「HAI」

「誰だ機械音声出したのはー確かに男の声だが騙されないぞー……笠原は欠席か」


 Siri男性バージョンではダメでしたか、まあ私のイケメンボイスの方がイケてましたしね。


「先生!」

「相笠どうした?」


 もうここは正直に言うしかありません。


「笠原さんは今寝ています」

「え、本当だ珍しいな、普段元気ハツラツな奴だからかえって見過ごしていたよ。それにまだ二十分経過してないのに……まあ出席してるはしてるからおまけだぞ」


 ふぅ、どうにかなりましたね。今日のイタズラはタダでは済まされませんよ。

 ふっふっふ~……まだ出席を取ってる途中ですがおっぱじめますか。


 バックから取り出したそれは。

 ぺぺぺぺっぺぺーん。

 百均で売ってるスライムです!


 謎に百均やおもちゃ屋で端にひっそりと売られているこのスライム。一体何時何処で何の為に使う物なのか検討がつかない哀れなドロドロです。一度使えばホコリや小さなゴミが張り付き汚くなりますし、使いずらいイメージがありました。……あ、最近はASMRとかで使われたりするんでしたっけ?


 そんなスライムは蓮のイタズラには打って付けです。良かったですねスライムさん、新たな就職先ですよ。


 まずはスライムを箱から取り出しましょう。如何にも子供向けなパッケージの箱をペリペリ剥がす講義中の大学生。もう日常となった妙な風景は誰も気にも止めません。

 机にペト~とスライムを出していきます。触り心地はイメージ通りぬとぬともちょもちょ、冬場なのでひんやりしています。これを蓮にぶっかけてスライムまみれの蓮を拝むのです。


 ……せっかくですし蓮以外の方の反応も見たいですね。


 スライムを少量手に取り、金縛り中の蓮の隣に座る増野さんのセーターを引っ張ります。


「うわっ急に引っ張らないでくださいよお」

「うーんあとちょっとです」

「何がです……うわあああッ! 背中に何かねちょねちょしてるのがッ! いやですぅ気持ち悪いですぅ!」

「増野ーねちょねちょしても騒ぐなー」

「先生までそんなぁ」


 セーターを引っ張って出来た空間にスライムを侵入させました。さあスライムさん、増野さんダンジョンの探検へ出発です。


 増野さんは涙目になりながら身体をくねらせモゾモゾしています。思いの外面白い反応を見れたことですし、メインディッシュを頂こうとしますか。


 さあ蓮ダンジョンの探検へ出発ですよスライムさん!


 残ったスライム全てを蓮の背中へ投入。ぐへへへ……蓮のスライム姿はどんなものでしょうか。


 ……なんかデジャブですね、あれです、塩の時と同じ感覚です!

 つまり思いの外面白くありません!!!


 服の中で探検中のスライムは外から見えませんし、金縛り中の蓮が心の中で悶えていても身体が動かないので地味です。


 ま、これも想定内ですよ。


 スライムさんがいなくても私にはもう一つ秘密兵器があるのです。バックから取り出した可愛らしいパッケージの菓子袋。


 ねるねるねるねです!


 しかもねるねる済み。家で妹とねるねる楽しんだ後大学に持ってきたのです。ねるねるねるねを渡した妹は、子供扱いしないでと初めはプンスカしていましたが、ねるねるしだしてからは夢中になってねるねるしていましたね。


 このねるねるをある意味寝る寝るしている蓮の腹筋にねるねるしてねるねるするねる!

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