表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/14

第3話 仕返しタイム到来です 無論講義はサボります 前編

「俺の腹筋と付き合うのってどう?」

「……え、いいい嫌だけど」

「何故嬉しそうな顔しながら否定? 即否定して貰わないと凹むんだけど……」


 午前の講義でやらかした私と冗談で言ったセリフに自滅する蓮は、今日最後の講義を受けています。


 この講義は来週控えたテストに関わってくる重要なものです。お昼ご飯を食べた後普段眠い顔をしているはずの皆は真剣な顔で聞いています。いやー面白い光景ですね、ふふふ。


 そんな薄ら笑いを浮かべた私もうかうかしてられません。普段は白紙ノートをぶっきらぼうに置いて終えていますが、今日という今日はしっかり講義を受けなくては……



 と考えるとでも?

 私はほんのそこらの学生とは違うのですよ。私は通常運転、つまりこの講義も堂々とサボります。


「愛ちゃん、せめてノートくらい出しておいたら?」

「ほい」

「まあ出して終わりだろうけど……ボールペン貸そうか?」

「ボールペンかじりますよ」

「愛ちゃんはピラニアか何かなの?」


 隣でノートにびっしり書き留めている蓮は今日既に金縛りを終えています。実は蓮、金縛りは一日一回限定で、都合よくも大事な講義では起きていられることが多いのです。


 残念ながらこの講義では金縛りのご褒美タイムがやって来ないのです。しつこいですが非常に残念でなりません。残念残念。


 そんな残念タイムですが、これをご褒美タイムに変える方法をお昼食堂パンとお弁当を交互に食べながらピキーンと思いついたのです。

 その方法とは。


「ぅ……急に眠気が……蓮よろしく頼んますです……」

「え、ええ愛ちゃん?」


 私が金縛りの演技をするのです!


 私は顔を横向きにして倒れ込み、念の為一息置いてから目をかっぴらきます。これで普段蓮がしている、前触れも無く眠り目を見開く金縛りの動作が出来たはずです。


 模倣金縛り中の私に戸惑う蓮は顔をジーッと見てきます。合法的に蓮と見つめ合えるのは良……睨みつけられるのは良い機会です。


 少し私の様子を見ていた蓮は私の身体を揺すったり指でほっぺをつんつん、そしてハッとした表情になり察したご様子。蓮は口を開き。


「もしかして、貧血……?」


 金縛りですよ!!!


 蓮がいつもやってる金縛りですよ?

 眠りの小五郎並にバタッと眠ってるんですよ?

 確かに私も蓮が金縛り状態になった姿を初めて見た時は、ふざけているのかと疑いましたけども。蓮は自分が金縛りになっている状態を客観視した事が無いのかもしれません。


 蓮が周囲を見渡した後、先生に挙手しようと腰を上げようとしています。ここはパッパラードッキリ大成功で締めくくるしか無いですね。


 事前に用意しておいた、ドッキリ大成功の文字が書かれたノートを持とうとした時。


「笠原さん笠原さん、相笠さんは今金縛ってるんですよぉ」


 ナイスフォローです増野さん!

 これで蓮が私を起こそうと必死になる可愛、可哀想な姿を拝めることが出来ます。あとで食堂パン……あ、お昼過ぎていましたね、明日にでもあげましょう。


「歯を食いしばってる?」


 もうそう言うのいいですから!


「金縛りですよぉ」

「ああ金縛りね、え? 愛ちゃん金縛りに合ってるの?」


 そうです、私は今絶賛金縛り中なのですよ。こんなキャンペーン今後訪れるか分かりませんよ?


「こんなレアな姿を拝めるなんて……写真撮らなきゃ」

「シャッター音響きますよ?」

「じゃあビデオで撮ろー」


 ニコニコしながらスマホでビデオを撮り始める蓮。ビデオなんていいから早く私にイタズラ仕掛けてくださいよ!


「起こさないんですか?」

「あ、ついつい……愛ちゃんに悪いし、いつも助けて貰ってる俺が助けなくてどうするって話よな」


 うんうんそうですよ蓮、蓮は私にいつも迷惑を掛けているんですから責任取ってください。さあさあ私にイタズラを!


 蓮はお弁当箱を取り出し。


「早弁を披露して起こさなくちゃ」


 いつも私がしてるやつです!

 ごめんなさい蓮、もう早弁見せびらかしませんから。早弁はただの嫌がらせなんですよ……あ、でも私を見つめながら早弁する蓮もまた……


「笠原さん、お昼にお弁当食べちゃいましたよ? 早弁になりませんし空っぽですぅ」

「あはは、俺としたことが」


 ムム、なんか二人が楽しそうにしている光景を見ていると腹が立ってきました。一体私は何を見せられているのでしょうか。


「あとはそうですねぇ、白雪姫みたいにキスで起こすのはどうでしょう」

「「ええ!?」」


 おっと思わずええと言ってしまいました。増野さんには完全に気づかれたようで私を睨んでますが、蓮は驚きのあまり聞こえていなかったようですね。


「ぷぷぷー冗談ですよぉ」

「そそそそうか、まあ無防備な愛ちゃんにそんなする俺じゃないし……」


 え、しないんですか……あ、これは別にキスを期待していた訳では無く、蓮がドギマギしながらキスする様子を見たかっただけですよ。


 額の汗を拭いてお弁当箱をしまう蓮は、さっきまで赤くなっていた顔を不意に曇らせる。少し頭に手を置いた後、フラフラとよろめきながら。


「なんか眠……」


 ふにゃあとそのまま顔を横にして眠ってしまいました。蓮の寝顔、いつも目をガン開きしている蓮ばかり見てましたら新鮮で良いですね。あ、そうそうそんな感じにいつも目をガン開きにしてるんですよ。


 ……蓮が本日二度目の金縛りに合ってる!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ