天津学園選挙(笑)
この物語は、とある一般的な学校のどうでもいい日常を思い描いた物語である。
突然だが、いきなり生徒会選挙から話しは始まる。
新年が明け、新しい年がきて数日が過ぎ短い冬休みは終わりを告げ、第三学期が始まる。
第三学期が始まると同時に生徒会長は引退し、新しい生徒会長候補達が名乗りを上げる。
第一立候補者、鬼髪おにがみ 乙女おとめ 17歳高校二年生
成績優秀、文武両道にして前生徒会会計。男女両方から好かれ教師からも高評価なため次期会長候補筆頭である。身長は高めで髪は黒髪のストレートで肘まで届くほど長く整った顔立ちにパッチリと開いた瞳が印象的な女の子である。胸は成長途中の美乳系だが、腰からお尻のラインはセクシーである。
第二立候補者、春日井かすがい 心こころ 16歳高校二年生
成績は中の上、運動は少しできる程度だが前生徒会の会計補佐にしてマスコット。
男子に隠れファン多数、女子からはお持ち帰りしたい子ランキング堂々のNo、1である。髪は肩にかかるか、かからないかぐらいのセミロングを左右で括ってツインテールのようにしている。背が低いのは悩みの種だが高校入学時よりほとんど伸びていないため望み薄。しかし、胸の成長は入学時より半年に一度の計測で毎回3cm以上成長中(アンダーはほとんど変化なし)将来は有望だ!レッツロリ巨乳
第三立候補者、熊野森くまのもり 章護しょうご 17歳高校二年生
成績は学年で三本の指に入る上に運動は男子総合1位という好青年。と、思われがちだが実際は県最高の進学校を目指せたのに、可愛い女子が多いと評判の天律学園に女の子目的で入ってきたナンパ野郎にして、女の子に持てたくてバスケ部に入り体を鍛えて見せ筋を必死に作る男。だが、バスケ部の地獄のスパルタのせいで未だに彼女はいない。
第四立候補者 百山ももやま 賢残けんざん 18歳高校二年生(留年)
運動はできるが勉強は全くといっていいほどできない男(入学時より学年成績ワースト5以内をキープ中)。しかし、留年の理由は馬鹿だからではなく部活中に起こった事故によるもので、入院のため半年ほど学校に来られなかったため。現在は完治しており元気に部活に精を出す毎日。(部活は陸上、水泳、剣道、華道を掛け持ち中)
「フフフ、ようやく私以外の自己紹介が終わったか!!」そんなことをいいながら男は立ち上がり眼鏡を右手の中指と人差し指でクイッと持ち上げる。そうこの男こそ本編の主人公にして最後の立候補者その名も・・・
工口こうぐち 一筋いっこん 16歳高校一年生
エロ一筋という名前の通りの男。名は体を表の代表的存在。そしてそれ以外に特徴はない。しいてあげるなら上の四名と違い眼鏡をかけている。以上。
「ですよね~~!!!!」
エロは叫ぶ。自らの説明文を聞いて衝撃が走ったからだ。そう、彼には他の学生のような特徴がなかったのだ。・・・主人公なのに・・・。そしてそれは彼が日ごろから気にしていることだった。
そんなこんなで五人の立候補者の簡単な説明文が体育館で読み上げられると続いては生徒会選挙の説明が教師から入る。
「ええ、今日これから先ほど名前を呼ばれた生徒たちからそれぞれがどのような学校を目指して学校を作り上げていきたいかを発表してもらいます。ただ、今日はまだ選挙を行いません。我が校の伝統から公演を開いた後。立候補者とその協力者による広報活動を一週間ほどしてもらい選挙を行います。では、立候補者順に公演をどうぞ。」
立候補者の一番目、鬼髪 乙女より四番目、百山 賢山までが壇上に立ち体育館に集まった全校生徒につつがなく当たり障りのない言葉が紡がれていく。それは、模範的な演説として学校側からも生徒側からもありきたりなことばだなぁ~と思わせるものだった。
もちろん、人によって言い方や話し方は違うが内容としては大差がなかった。
しかし、エロ一筋は違った。彼は壇上に立つと両手を机につき語りだした。
「皆さん。学園生活は楽しいですか? 刺激的ですか? 中には楽しい人、刺激的な人もいるでしょう。しかし、私は違う!」
最初は語りかけるように最後は声を大にして言い放つ。そしてそれから先の言葉は机についた両手を握り力強く語る。
「今現在の学園生活には楽しさはあっても、刺激も、変化も存在しない。なぜないのか、それは今までだれも刺激のある大きな変化をもたらすことが出来なかったからだ。しかし!私は違う!!」最後の言葉は握った右こぶしを振り上げながら叫ぶ。
「それを説明するため今から私の学園改革プランを紹介しよう! 同士諸君!!準備してくれたまえ。」
そう言うと体育館の右の端に控えていた彼の支持者にアイコンタクトを送る。
それを見た支持者たちは一斉に動き出す。
壇上に上がり壇後方のカーテンを開けスクリーンを出す人、プロジェクターを用意する人、体育館上部のカーテンを閉める人、壇上で座っている他の立候補者たちの机を動かし左右に分けるように促す人など多数の人間が統率された一つのチームとなっていた。
そして、セットが終わると薄暗い体育館でプロジェクターが動き出す。
プロジェクターからは光が放射され壇上のスクリーンには大きな画面が出てくる。
そこには『エロ一筋が起こす!学園の三大改革!!』というテーマがかかれていた。
「では、これより工口一筋プロデュース!! 学園改革講演会を始めます!」
マイクを握り締めオーバーアクションで身振り手振りを加えながらエロ一筋は語る。雄々しく盛大に・・・ そんな必要性はまったくないにもかかわらず・・・ しかし彼は止まらないし止められない。 なぜなら、馬鹿だから。
「では、第一の改革はこちら!!」
一筋が右手の人差し指でスクリーンを指差す。すると、ジャジャーンという音とともにスクリーン内の画像が変化して紺色のパンツが映し出され大きな文字で改革名が書かれてあった。
『第一の改革! 女生徒の体操着にブルマを採用!!』
失礼、紺色のパンツではなくブルマだったようだ。
「昨今、日本人は自国の文化を蔑ろにしていると言われている。そんな今こそ!!良き日本の文化たるブルマを復活させようではないか!諸君!!」
そんな馬鹿な・・・ というような台詞を壇上で堂々と言うその姿はまさに馬鹿だった。
しかし、そんな彼の言葉を聴き、さっき彼の手足のごとく動いた一団がヒューヒューと口笛を鳴らしながら「ブルマ!ブルマ!!」とブルマコールを行っていた。
それを見た女子は圧倒的なまでに引いた。
それを見た男子たちはいたたまれない顔をしながら一団とエロ一筋に悲しいまなざしを向けた。
「落ち着きたまえ!同士諸君!!そして、他の候補者や先生方!!私の講演はまだ終わってはいない!!続いて第二弾!!」
その言葉に呼応するかのようにスクリーンの画像が変わる。
続いて出てきたのは黒の水着だ。
一瞬ただの水着か・・・ とも思ったが違う。
よく見るとその下腹部部分は一直線につながっておりそこから下に股間部を隠すためブルマの様なものがついている。そうこれは下半身がスカートタイプになっている旧スク水!
・・・とも思ったが違った!
これは実は旧スク水ではない!
なんとスクリーンには後姿も映し出されていたのだ!そして、こちらもまた下半身がスカートタイプになっている。そうこれは!!
『第二の改革! 旧旧スク水復活!!』
そう!旧旧スク水だ!!
※作者は「旧スク水」でググッたら出てきたのでなんとなくこちらを採用しておりますが実際はどんなものなのか存じません。あらかじめ、ご了承ください。
「見た前!このシンプルでいて強調せいのあるフォルム!そう!!これこそが我が日本がもっとも最初に作ったスクール水着!スク水の原型!!旧旧スク水だ~!!」
高らかに力強く盛大に雄叫びを上げるかのように握り拳を上げてエロ一筋は語る。
その姿はまるで勝ち誇った格闘家のようだった。
「旧♪旧♪スク水♪ 旧♪旧♪スク水~♪」
そしてその演説を応援するかのようにエロ一筋の部下たちが奇声を上げながらダンスを踊った。それはまるで大好きなアイドルのコンサートに来たファンのように息を合わせて踊っていた。
そのあまりの熱狂に途中で止めに入ろうとした教師陣、その他立候補者達はなすすべも無かった。
だが、彼らは止まらない。
先程まで踊っていた彼らは教師陣をまるで警備員のように押し止めてエロ一筋を守る。
ドドン!
次に大型スクリーンに映し出されたのは一昔前にはやったルーズソックスだった。
「皆さん。ルーズソックスなんて時代遅れの物とお思いでしょうが、これは日本がその技術の全てを注いで作り上げた究極のデティールなのです。その昔、これが日本で大流行した時はこのルーズソックス見たさに外国人がこぞって日本にやってきました。しかし!現在はルーズソックスを穿く若者が減少!衰退の一途を辿っています。このままでは日本はやがてダメになってしまう!そうなる前に、我々はどうにかして日本を救わなければならない!故にこの三つの日本が生み出せし三種の神器を復活させるのだ!!」
「オオ~!!」
高々と雄叫びをあげて叫ぶエロ一筋に呼応するように教師陣を押さえつける男達は一声に叫び声をあげる。
その雄叫びのあまりの熱気と真剣みを帯びた彼らの表情に教師陣も生徒たちも固唾を飲んで見守ることしかできなかった。