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20 才能
「まぁ、書いてるものはいいと思いますよ。やってみる価値はあると思います」
「なんというか、男心を惑わすような文才があるよな」
里穂の書いた原稿を片手に、ふたりは意見を交換しあっている。
里穂を雇いたい桃子が、鈴木に才能を確認するという格好だが、感触は悪くない。
「女性が書いたとは思えないほど、男オタに受けそうなものを書いていますよ」
「そうか……売れ線だとは思ったが、男に受けるのか……」
「そういう意味で言えば、エロゲは彼女の天職ですよ」
「ほとんどが男性プレイヤーだからな」
女性プレイヤーも存在するだろうが、やはり男性に使ってもらう用途の物だ。
圧倒的に男性の占める割合が大きいだろう。
「こういう、童貞をこじらせたみたいな話が、今のボリュームゾーンを直撃しますから」
「童貞をこじらせる……さしずめ彼女の場合は……」
「いや、でも、なぜか処女をこじらせるとBLになるんですけどね」
「そういうものか」




