お泊まり♪
まだ息子が小さかった頃よ。
軽井沢のペンションに、ダーリンとお泊まりに行ったの。
うふふ♪
ペンションよ!ペンション!
しかも、ネコちゃんのいるペンション!
あたし、ネコ大好き♡
ネコ、あたし大嫌い…。
ダーリンとウッキウキでチェックインしたわ。ネコちゃんたちは、一目散に逃げてったわ…。
……。
……。
まだ、戦いは始まったばかりよ!
ネコちゃんを探すわ!
十分後。
見つけたわ。
ほっそりした白い足、コーヒー色の帽子。帽子の上にぽつぽつと白い綿っぽい……イボ。
毒キノコ、見つけたわーっ!
雨上がりだったのよ。とってもジメジメしてたの。毒キノコ、とっても見事なヤツが三本。都会ではまずお目にかかれないわね!
猫探しの旅で、毒キノコ十種類くらい見つけたわ!
その日の午後、ザアッと通り雨が降ったの。
観光を諦めて、ペンションに戻ったら、
ネコちゃんパラダ~イス♪
雨ですもんね!お外に行けないものね!
猫じゃらし装備、いざっ!
「……たえちゃん、」
なによ。
「他のお客さんもいるから、さ」
「~~!!」
わ、わかってるわよっ!
あたしがネコちゃん大好きでも、ネコちゃんはあたしなんか大嫌いなんだもの。ここは…空気読むわよわかったわよ!もうっ!
大人しく、遠くから見るに留めたわ。
意気消沈して、ダーリンと部屋に戻ったあたし。ダーリンは飲み物を買うために外に行ったわ。
もう、夜遅い時間。
あっという間のお休みだったわ。
あたしもジュース買おうかしら。
自販機でジュースを買って、ロビーに入るとダーリンがいたわ。彼の足元には、ネコちゃん!!尻尾をピンと立ててダーリンの足に身体をスリスリ。この子、さっきはいなかったわね。果敢にも雨の中をお出かけしたのかしら。
灰色の尻尾がふわっふわ!超絶カワイイわぁー!!
「えへへ。タオルにされちゃった」
濡れたズボンを指さして、ふにゃっと笑うダーリン。
閃いたわっ!
ダーリンはあたしと違ってネコちゃんに好かれるのよ!これは使えるわっ!
「(ネコちゃんを)抱っこなさい!」
ネコちゃんに好かれてるなら、抱っこなんかお手のものよね?ダーリンにネコちゃんを捕獲させて、あたしが撫で撫でするのよっ!ウフフフフ…
ゆ…夢のネコちゃんとのふれあいタイムよっ!
「っし!」
「へ?」
な…なんか、足が宙に浮いてるんだけど…
視界の端に、猛ダッシュで逃げていくネコちゃんが見えたわ。
「た…ッ、たえちゃんッ!クッ……か、軽い、……ねッ!」
「……無理しなくていいのよ?」
ダーリン、腕がプルプルしてるんだけど。
あたし、産後でまだ体重戻ってないの。標準+10キロちょいなのよ?
「い…いや!カ…ッ、軽いッ…から…!」
明らかに無理してるわ。
腰をやられるわよ?グキッてなるわよ?
つーか、なんであたしをお姫様抱っこするのよ。抱っこしてほしかったのはネコちゃんなのに…。
「ほ…ほらッ…た…えちゃん!き…機嫌、直…し、てっ!」
チュッ
………え?
ええっ?!
神様、素敵なお休みをありがとう。
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翌朝、ダーリンは腕と腰が筋肉痛になったわ。




