眼鏡がないから
今、ダーリンはパパになって息子に読み聞かせをしているの。
この時は思ってもみなかったのよ。
眼鏡がないだけで、あんな悲劇が起こるなんて。
「…日曜日の朝です。ボンッ!と卵からちっぽけな青虫が生まれました」
…卵、爆発したわね。
濁音符と半濁音符を間違えたのね。
早朝、葉っぱの上の惨劇…アーメン。
「??あれ?ボンッ!と卵からちっぽけな青虫が爆誕しまし……た?」
読み直しやがったわ!!
爆誕した青虫……きっとモンスターね。
また、別の日。
おばあちゃんが、息子に特撮ヒーローのプリントパンツを買ってくれたの。赤、青、黄色のお尻のところに特撮ヒーローがプリントしてあるの。
大はしゃぎする息子。特撮ヒーロー、怖いって見ないくせに。
そんな息子が、パパに何気なく聞いたのよ。
「ねぇねぇお父さん!これ、何て名前?」
ダーリンは、日々明後日な方向に進化しているわ。
そして、この時ダーリンは……
眼鏡をかけていなかった。
パンツのタグを食い入るように見ていたダーリン。
五分経過。
しびれをきらした息子が「何て書いてあるのーッ」ってキレたの。そしたらダーリン、にっこり笑ってこう言ったの。
「ブリーフ戦隊」
……え?
ブ…
……ええっ?!
《俺はトランクスと戦う。そして勝ってみせる…!》
このパンツ(※未使用)、穢らわしいわっ!
《駆逐してやる…この世から一枚残らず…!》
なな、なんか呪詛っぽいのも混じってるわぁ!
《……。》
お、お…おまえらに一つ、確認したいことがあるのよっ!
穿いてるの?それとも被ってるの?
DEAD or ALIVE…
あ、逆。被ってたら叩き出すわっ!
《……。》
なんか言いなさいよぉ!!
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後日。ゴミ箱からタグを拾って見たら……『仮○ライダー 幼児パンツ』って書いてあったわ…




