初デート
あたしのダーリンはちょっと変わっているの。
ねぇ、聞いて。
初デート。
彼の装備は……
・つばのひろ~~い、麦わら帽子
※年季入ってるヤツ。どっちかって言うと、畑仕事してるおばあちゃんが使ってそう。
・ヨレッとした襟付シャツに、ジーンズ、足は登山靴っぽいゴツいの
(ジーンズの尻ポケットには、中華なネコが刺繍されたビビッドグリーンの小銭入れ)
・二重にしたレジ袋(鞄の代わり)
※外側のオレンジ色のレジ袋はいったいどこで手に入れたのかしら。
以上。
ねぇ…彼女との初デートなのよ?
普通…もっとこう、気合い入れた格好しないかしら。
そして………
ここ、土手。
ち、違うわ!何勘違いしているの?
土筆を採りに来たんじゃないわ!
今は夏よ!土筆なんかとうの昔にスギナになっちゃったわよっ!
というか。
ちょっと前までネズミの国にいたんだからーっ!!
◆◆◆
じょわんじょわんぶrrrr……
今、彼とゴルフ場にいるの。
ヴィーーンヴィンヴィンヴィン……
ゴルフデートじゃないわよ?
見学…??たぶん、そう。それ。
シュルルル……「あー、暑い暑い…」
草刈りご苦労さま。
貴女の麦わら帽子と彼の麦わら帽子が酷似しているの、何とも言えない気持ちになるわ。
「……。」
夏の熱気でムンムンするけど、嗚呼…
おばちゃんの視線が冷たい。
私たち、どう見ても部外者(ひょっとしたら不審者)だもんね!
え?違うわ。彼はゴルフ場関係者じゃないの。
小舟で川を渡ったら、ゴルフ場だったのよ。川辺の。
その先?……土手があるわっ!
……。
……。
ごめんなさい。嘘ついたわ。
ゴルフ場じゃない。ゲートボール場だった。
十分経過。
「疲れたね」
ダーリンが言った。
…そうね。
初デートだもの。カレにリードしてもらうって憧れでしょう?
始まりは「僕おすすめのお店に連れていってあげる」だったの。で、ダーリンは道に迷ったの。
真夏の太陽がギラギラと照りつける。
……水を下さい。
結局、先に進めなくて舟で川を渡って戻ったわ。何しにきたのかは……きっと名探偵にもわからないミステリーよ。
……。
……。
とりあえず、水…
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参考:彼女の装備
・ピンクと紫の淡い花柄のブラウス(※新品)
・濃紺、シフォンのミモレ丈スカート(※新品)
・ヌーディーカラーのサンダル(※足長効果ありと信じている)
備考:髪型とメイクもかなり気合を入れた
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