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3話 聖剣を授かるらしいです

 今日、聖剣を授かるらしい。俺がこの世界に意識が戻ったときから数日が経った。いまのところ、他の聖剣使いからの仲も良好ではある。

 まあ、あまり目立ってないからというのもある。俺は器用貧乏なのだ。色々学んだが特に特出したものがなかった。かといって全然ダメということではなく、いづれの先生からも努力すれば大成するといわれた。


 段々と俺はこの世界に適応してきていた。

 この世界に来てしたことは、まずは勉学、歴史や常識を学ぶこと。もちろん大事なことである聖剣についても学んだ。しかし、本当にそれが真実だとは俺は思っていない。嘘の情報を教えられ、取返しのつかないことになるかもしれない。


 そして、魔法であった。これが氷菓さんが苦手な科目であった。意外なことに何でもできそうな氷菓さんは絵心がなく魔法陣を描くことができなかった。この世界では呪文か魔法陣を使って、超常現象を起こすことが可能である。まずは魔法陣を紙の上に書くのだがそれをうまく書けなかった。結果、魔法陣を使うことができなかった。一方呪文を使った魔法陣は何の問題も無く使うことができた。先生、曰く聖剣使いとなれば剣を振るときに魔法を使うことができないらしい。集中力とある一定のリズムと音が必要な呪文は戦いながらでは厳しいらしい。

 魔法陣の場合はあらかじめ専用の紙に書いておく、もしくは出来る人は少ないらしいが頭の中で思い浮かべて描くことができる人もいるらしいため、近接戦闘の場合は魔法陣を使った魔法を使うことが一般的である。


 肝心な剣については全く学ぶことはなかった。剣など学ぶ必要ないことが聖剣を持つと分かるらしい。そして聖剣を持つことである程度戦うことができるようになるらしい。身体能力の向上や自分の身体能力を把握する術を身に着けることができるらしい。


 これは予想ではあるのだが、ゲームでいうステータスが得られること、聖剣を持つことでステータスに補正がかかること。これにより自分の身体に聖剣が干渉することが分かった。洗脳の線も疑ったがこれだけ常識を教えてくれることから、その線は薄いのかもしれない。もしくは、聖剣を持つと関係ないからかもしれない。


「それでは聖剣使い様方こちらへどうぞ。女神様の元へ案内させていただきます」


 聖剣を授けてくれる女神の元へ案内してくれるという女性はシスターのような人だった。30代にはまだ見えないかなり若い女性だ。この世界の女性は皆一様に美しい人が多い。

 少し緊張した面持ちで全員がシスターについていく。しかしこれから女神…神という存在に会うのか、あまり実感はわかない。日本人ならほとんどの人が神様を信仰してなければ信じてない人が多いため余計にそう感じてしまう。むしろ悪神というか、黒幕なのでは?と疑ってしまう。


「この先に我らが信仰する女神様がいらっしゃいます。注意する点はひとつ女神の発言なしに行動しないでください。門の前に立ち呼ばれた者から中に入ってもらいます。それでは…神の祝福を」


 そういって脇によけるシスター。後ろにあるのは、あの玉座よりも煌びやかな扉。そしてともつもなく大きい。その全長は3メートルはあるだろうか。一体どんな存在が女神なのか。少し好奇心が湧いてきた。


 そう思っていると、その大きな扉がゆっくり開き始める。かなりの光量の光が扉から漏れ始める。完全に開き切っても中の様子は見られない。真っ白な空間が広がっている。


『天川誠也。お入りなさい』


 透き通った声が部屋に聞こえる。

 戸惑うようにいる誠也。するとシスターが返事するように態度を示す。


「はい」


 そう言って真白な空間に意を決したように入っていった。俺たちの順番ではないのだがとても緊張をする。帰ってきたら全く別の人格になっているのではないか。何も起きず帰ってきてくれと願う。

 数分後に帰ってきた誠也を見て、俺たちは酷く驚いた。当の本人は何を驚いたのかわかってないような顔をする。俺たちが慌てて詰め寄ってきて苦笑いで頬を書きながら大丈夫だよという。その手には金色の剣が握られていた。


 俺たちが驚いたのは彼の髪の色が金色に変わっていたからだ。この数分の間に身体が分かりやすく変化してしまったことに俺たちは驚いたのだ。しかし、少し話して今まで通りの誠也であることであると理解できた。他にも変化しているところがあるかもしれないから気になるところだが、次の人が行くことになった。


「嘘だ。僕の髪、金髪に変わっているのかい?

 女神様はそんなこといってなかったんだけどな」

「一体なにされたんだよ?」

「特に何かされたってわけじゃないよ。本当に一方的に渡された感じだよ。気づいたら僕の手には剣があって、その扱い方を脳が理解していた。あとは頑張ってくださいって感じでその場を後にしたよ」

「なんだそれは…」


 思った以上に神様のようなことをしている。確かにそんなことをされれば質問をする暇も無く引き返すことも分からなくもない。


 次に呼ばれたのは美玖だ。彼女が出てくるとその髪色は緑色に変わっていた。両手には大事そうに抱えた淡い緑色の剣があった。氷菓が代表して聞いたが特に身体は異常が無いらしい。彼女は人見知りらしくまだ俺たち男には心を開いてくれていない。いつか、ちゃんと話してみたいと思うが…


「…大丈夫…で、でも私の聖剣は…」

「美玖ちゃん。自分の体に異常がないんだったらよかった!」


 そう言いながらイケメンスマイルをする誠也。素早く氷菓に隠れる美玖。

 少し落胆する誠也。これはいつものことなので放っておく。


 その次は氷菓さん。髪色は水色に変わっていた。彼女は自分の髪が長いため自分でその変化に気づくことができたらしい。出てきた彼女は少し恥ずかしそうにしていた。こういうことには慣れていないらしい。


「髪似合ってるよ!きれいな色だね」

「やめてよ!私こういうのしたくないってクラスメイトにもいってなのに…

 こんな派手な色だなんて…。絶対私には似合ってない」

「あはは。僕も似合っていると思うよ!確かに前の黒髪もよかったけどね。それに似合ってないのだとしたら僕もだよ。こんな派手な髪型は僕には似合わないって個人的には思っているよ」


 よし次は俺だな。言いながら焔が入っていく。しっかり呼ばれてから入ったぞ。第一印象は怖かったがかなり気さくな奴で男ではかれが仲介役で面白い奴だってことが分かった。

 面白いことに彼は何も変わっていなかった。皆が疑問に思っていると彼の剣は赤い色の剣が握られている。そのため彼は今のところ唯一何も変化していなかった。そのことに落胆している焔は面白かった。


「なんでよりよって俺は赤色なんだ。久々に髪色を変えられると思ったのによ!」

「まあまあいつも通りな奴がいて安心したよ。それに似合ってるからな。特に文句はないんでしょ?」

「た、確かに。聖剣の能力と言い何も文句はない!」


 そう言って豪快に笑う焔。つられてみんなが笑う。

 こうしてみると大丈夫だと思った。もし俺が外れくじを引いてもこいつらなら受け入れてくれると。

 そんなこと思っていると女神から指名が来る。最後は俺だ。


『竜胆白』

「はい!」


 俺は少しワクワクした思いと、少しの不安とともに真っ白な空間に踏み入れた。




 

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