表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
普通に生活したいだけなんだ!  作者: 蘇我稲見
2/15

僕の普通の学校生活(笑)の始まり

 4月13日、私立泉学園高等部の入学式が行われた。流石泉学園だ。入学式を行うのは体育館ではなく専用の会場とは…。僕は4組、ちなみに氷崎さんは3組だ。

 高等部学長先生の話が終わった後、僕たちはそれぞれの教室に戻った。オリエンテーションが行われるからだ。


「えーと、私は日田千鶴、君たちの担任になる。1年ごとにクラス替えがあるが、恐らくずっとこの学年を担当するだろう。よろしく頼む。」


 一斉に拍手が起こる。日田先生はカッコいい系の女性だ。一目でわかる。


「さて、じゃあまずはそれぞれに自己紹介をしてもらおう。そうだな。最前列から横にいってもらおうか。」


 そう言って、一番左側に座る最前列の女子が席を立った。ちなみに僕の前の席の子だ。


「えーと、私は水川奏みなかわそうです。国立大鳥中学から来ました。えっと、よろしくお願いします。」


 少し緊張しながらもぺこりと頭を下げる姿はなんだか可愛いように感じた。

 水川さんが話し終えると、隣の席の男子が立つ。


「俺は勝城亮かつきりょう。都立飯田下中学から来ました。サッカー部出身です。よろしくお願いします。」


 おお、イケメンだ。清潔感が半端じゃない!

 その隣の女子が席を立つ。その後も数人か続き、二列目に入った。つまり僕の番だ。


「えっと、井上奏です。私立日下部学園中等部から来ました。これから、よろしくお願いします。」


 大丈夫だよね。ちゃんとしっかり出来たよね。

 その後も自己紹介が続き、50分も経った頃には終わった。


 ふぅ、今日はこれまでみたいだし、誰かと話してみようかな。

 そう思っていたが、前の席の水川さんがこちらをガン見している。


「えっと、みなかわさん…だよね。どしたの?」


 ほんとにガン見してくるから声をかけてしまった。


「井上君だよね。下の名前は奏…。かなでってさ、漢字でどう書くの? 楽器を奏でるの奏かな?」


 僕は頷く。

 すると、水川さんは急に眼の色を変えた。


「だよね! 奇遇だよ! 私、水川奏っていうんだけどさ、そうも奏って書くんだよ! パット見たら奏奏だよ!」


 水川さんの鞄の中の名前がちらりと見えた。確かに「奏」と書くようだ。


「へぇ、珍しいね。じゃあ、奏どうし、よろしくね。水川さん!」


 この時、僕は何かの目線を感じたが、気にしないことにしよう! 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ