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ちょっと待って。サブタイトル書いてる暇ない。遅刻する!!!

マスクの転売ヤー。貴様はダメだ。

単純に花粉症なんだ。

単純にマスクが欲しいんだ。

花粉と仲良くできない私から、マスクを、奪いやがって…。

マスク転売ヤー〇ね!!!!

初雪さんと出かける約束をした次の日曜日の昼前。

僕は数少ない友人の一人、秋桜と地元のショッピングモールに来ていた。

「じゃあどうしようか?華織の洋服から見る?それとも俺の用事から済ませる?」

僕と一緒に店内案内を見ながら、秋桜が提案してくる。

「そうだな…、じゃあまずは飯食わないか?この時間ならまだそんなに混雑してないだろうし、腹が減っては戦はできぬ、ってな。」

「戦なんだ…。」

あはは…と笑いながら、じゃあそうしようかと言って秋桜はフードコートの方へ歩き出す。

戦なんだよ…。

あんな美少女の隣に立つんだぞ。

「華織は何食べる?俺的にはキングダム牛丼が俺を呼んでる気がするんだけど。」

「お前いつもそれじゃんか。呼ばれすぎじゃない?たまにはお前からアプローチしてみたら?ほら、オムライスとか、サンドイッチとかさ。」

「オムライスねぇ…。量が足りないかなぁ…。」

味じゃないのか。

食えばいいじゃん、二個でも三個でも。

「昼飯は奢るぞ?この前のお詫びも込めて、というかこの前のドタキャンのお詫びも込めさせて下さい。」

どうにか昼飯で手を打っていただけないでしょうか…。

「え!マジ?遠慮しないよ!?お腹すいてるし!マジかー…恩は売るもんだなー。儲けたなー。」

手を打っていただけるそうだ。

こちらこそ儲けた。

なんたって今の僕はお金ならある!

初雪さんの生活費として頂いたお金だが、まぁ必要経費ってことで。

「で、何食うんだ?オムライス?ハンバーガーもあるな…。」

「キングダム牛丼!とりあえず三杯!!!」

コイツ多分牛丼好きなだけだな…。

と思ってたら、牛丼食べた後に、オムライスとハンバーガーも食べてた。



「ご馳走様でした。いやー、久しぶりに腹八分…。幸せいっぱい夢いっぱい。」

「おお、よかったよ…。あれで腹八分か…。無限かお前…。」

基本的にファストフードだったから値段的には大したことなかったけど、まあまあの量あったぞ。

多分だけど僕の三日分ぐらいのカロリーはあったのでは…。

「じゃあお腹も膨れたし、買い物行こうか。とりあえずプレゼントの目星はつけているし、俺の用事から済ませていいかな?」

ハンバーガーショップで一緒に買ったポテトを手に伸ばしながら秋桜が提案してくる。

「目星つけてたのか。ちなみに何系?」

僕もポテトを手に取りつつ聞いてみる。

ポテト美味いなー。

これ家でも作れないかな。

「一番の有力候補はエコバッグかな。ほら、最近どこのお店もレジ袋が有料化してきてるし、どうせなら使ってもらえるものがいいかなと思って。次点でカーディガンとかの洋服かな。」

確かに僕もそろそろエコバッグ持ち始めないとなー。ていうか、

え?この買い物僕いる?ホントに必要だった?

非の打ち所がない、ちゃんとした理由で考えてんじゃん。

「洋服は僕の買い物で一緒に見れるし、となると雑貨屋さんかな。店の目星はつけてるの?」

「あーん。むぐむぐ…。ううん。店まではまだ。」

「じゃあとりあえず近くの店から見ていくか。お昼時でフードコートも混み合ってきたし、逆に店先から他のお客さんもいなくなるだろうしゆったり見ていこうぜ。」

僕は口に含んでいたポテトを麦茶で飲み込んで立ち上がる。

「ん。んくっ。…そうだね。とりあえずトレイ片付けてくる。そっちよろしく。」

秋桜も僕と同じようにコーラをストローでズズズーッっと飲み干して立ち上がり、トレイを両手に一つずつ持って片付けに歩いて行った。

なんであんだけ食べて普通に動けるのアイツ…。

あっ!てかこのままトレイ返しに行ったら人混みに紛れてはぐれちゃうんじゃないかなぁ…。

まあまた同じテーブルに戻ってくれば落ちあえるか。

とりあえず僕もトレイ返してこよ。

僕は落とさない様にトレイを両手に一つずつ持って、トレイ返却口に戻し、店員さんに一言「ご馳走さまでした。」と告げてまたさっきの席に戻る。

遠目にさっきいた席を確認するとまだ秋桜は戻っておらず、代わりに他のお客さんと思しき女性の二人組が席に座って楽し気に会話していた。

「あちゃ、どうしたもんかな…。」

流石に女性の座っている席の近くをウロウロするのは不謹慎だろうし、そもそもそんな度胸ないし…。

うーんと、唸りながら席に近づいていると代わりに座っていた二人組は見知った顔の二人だった。

「え、あれ?水仙と初雪さん?こんなところで何してるの?」

見知った顔というか、ウチの妹と居候人というか。

「あれ?兄さん?今日出かけるって言ってたっけ?」

「あ、あら華織…。こんなところで偶然ね。」

「言ったじゃん、秋桜と出かけるよって。二人は何してるの?二人とも今日は仕事なかったの?」

朝から二人ともいなかったから仕事かと思ってた。

「うん。今日は私も雫さんもオフだよ。で、地元を紹介するのと一緒に来週兄さんとでーt

「っずああああああああああああああああああ!!!???ゆゆゆゆゆゆわないって約束したじゃない水仙!ひどいわ!」

っずあああああああ?

初雪さん意外と凄い声出るんだな。

なんか水仙とも仲良くなってるし。

「なるほど、まあ察するに遊んでたのね。なるほどなるほど。」

ちょっと妹の十八番、パクってみました。

「釈然としないけど、兄さんにしては悪くない解釈の仕方だね。」

「ふぅ…。」

「ごめん華織お待たせ、さっきまでの席にいてくれて助かったよ。人混みに紛れること考えてなかったよ。…あれ?水仙ちゃん?と、えっと…?」

あ、おかえり秋桜。

合流出来てよかった。

「こんにちは秋桜君。兄さんのお世話ご苦労様です。」

おい、友達と遊んでることをお世話とか言うな。

「あはは、こちらこそお世話になってます。えっとそちらの美しい方はどなたなのかな?」

でた!爽やか紳士な秋桜!通称SSS!

素敵スマイルをちょっと安売りするスタイル!

「初めましてになるのか、えっと、彼女は『初雪 雫』さん。ほら、この前ちょっと話した今週からウチに居候している女優さんの。」

「ああ、華織の彼女(仮)の子か!ええ!?聞いてはいたけどこんなに美人な人なのかい?ちょっと久しぶりにビックリしたよ俺…。」

凄いなビックリだけなのか…。

僕なんてマジで見惚れてしばらく思考停止してたよ。

「えっと、初めまして初雪さん。俺は『秋色 秋桜』といいます。華織と水仙ちゃんの友達で、生徒会の会計職を任せて頂いてます。よろしく。」

と、爽やか、誠実、紳士、のSSS挨拶と共に秋桜が右手を差し出して微笑む。

「ええ、初めまして秋桜。こちらこそよろしくね。華織と水仙の家でお世話になってるわ。」

と初雪さんも右手を差し出して握手。

絵になる二人だなぁ。

「水仙ちゃん達は今からご飯?おススメはキングダム牛丼だよ!」

女子に薦めるチョイスじゃねぇ…。

「ええと、私達は仮にもモデルと役者だから流石にそのカロリーは…。」

「そうかい?うーん美味しさの前にはカロリーなんて消えちゃうんだけどなぁ…。」

なんだその超理論…。

なんどイッチマンだ。

ちょっと何言ってるのかわかんない。

「秋桜君…。ちょっと何言ってるのかわかんないや…。」

「ええー?カロリーってあれなんだよ?熱に弱いから揚げちゃうと死んじゃうし、焼くと飛んでく、ドーナツとかゼロの形してるからカロリーゼロ。カロリーって超不思議。」

不思議なのはお前の頭の中だ。

なんだそのカロリー超理論。サンドなにマンだ。

普通に何言ってんのかわかんない。

ああ!また水仙が『大食いなのに太らない』人への嫉妬で昏くなってる!

ゴゴゴって効果音が聞こえる気がする…。

「あの、あと…。」

と、不思議理論を発表していた秋桜が少し言いよどみながら

「そろそろ手を放して頂けないでしょうかぁ…?」

初雪さんは握手してからずっと秋桜の手をジーっと見て、握りしめていた。

超理論の発表中ずっと。





マスク転売ヤー〇ねぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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