水溜りボンドさん!チャンネル登録者数400万人おめでとうございます!!!
水溜りボンドさん、チャンネル登録者数400万人おめでとうございます!
3年ほど前から見させて頂いてます。
これからも面白い「トーク」心待ちにしています。
サブチャンネルに投稿されるトーク集には大変お世話になっております。
今後とも応援します!!!
「おい兄さん。」
「…はい。なんでしょう…。」
「どこでフラグ立ててたのさ。」
「僕もわかりません…。どうか察してくれ。」
「察せないから聞いてるんだよ。」
困ったぞ。
兄さんとねえさんを付き合わせるために初雪さんの同居を許可したのに、ねえさんからは『私好きになりません』宣言。
かたや初雪さんからは『恋をしている』宣言。
初日から到達点と真逆に進んでる…。
「あ、あの水仙さん?」
「ちょっと今考え事してるから黙って。」
「はい。」
どうにか修正しないと…。
「えっと、あのー。」
「静かに。」
でも兄さんは気付いてないだろうし…。
「水仙。しかめっ面ね。」
「頬をつつかないで…あれ?初雪さん?それにねえさんも。」
いつの間にか兄さんがやっていた皿洗いを、ねえさんと初雪さんがやっていた。
サボりかあの青春ブタお兄ちゃん野郎。
「水城君はお母様から電話がきたとかで電話してくるそうです。それで私が代わると言ったら、初雪さんもやってくれるとのことでしたので。」
「皿洗いなんてやったことないけど多分得意よ。任せて。」
「初雪さんが料理をふるまったテレビ番組でも同じセリフを聞きましたが…。」
兄さんもいないし丁度いい。
聞いてみるか。
「初雪さん。」
「何かしら?」
「兄さんのどこが好きなんですか?」
「…そうね。どこが好きかなんてわからないわ。」
「なのに恋をしているんですか?」
「華織を初めて見たのは学校の近くの商店街よ。叔父に会いに来た時に見かけたの。」
………。
「商店街におじいさんがいたわ。一枚の紙を持っていたの。多分道に迷っていたんでしょうね。私を含めて声をかける人なんていなかったわ。」
なるほど…。
そういうことか…。
そこで颯爽と兄さんの登場ってわけだ。
「でも一人の女の子が声をかけたのよ。」
…はい?
「妖精みたいにキラキラした子だったわ。おじいさんに声をかけて、荷物を預かって、案内してた。」
え?
「それで私、気になってその子のことを調べたのよ。徹底的に。制服を見て叔父さんの学校だってことはわかったから叔父にも頼んで。」
…。
「名前は『秋色秋桜』って人だった。」
秋桜君じゃないか!
秋桜君じゃないか!!
「秋桜君じゃないか!!!」
「水仙も知ってるの?そっか知ってて当然よね。生徒会のメンバーだから。」
え!?
兄さんは!?
私ちゃんと兄さんの話を聞き出そうとしたよね!?
「えっと…。それで何で兄さんを好きになったんですか?」
「水仙。私は華織に恋をしているだけで好きとは一言も言ってないわ。」
「好きと恋は同じじゃないですか。」
好きになったから恋をしてんだろ。
「私にはわからないもの。…えっとどこまで話したかしら?」
「なんか、秋桜君を調べたとかなんとか。」
「そうだったわね。そうそう、そして調べていくうちにわかったのが秋桜と仲のいい人がいるってことよ。それが華織。」
ようやく兄さん登場。
「最初は気にも留めなかったわ。叔父さんは評価していたけどそれほどの功績を残しているわけでもないし、どこにでもいる高校生だなって思っていたの。」
まぁ、兄さんの最初の印象なんてそんなもんだろうね。
「でも秋桜を付け回していくうちに気付いたの。」
おいちょっと待て。
この人付け回したとか言ってるぞ。
「華織の周りの人はみんな笑顔なの。」
まずはストーカーの弁明をして欲しいのだが。
「華織に相談をしに来た人も笑顔だし、隣の席の女の子も、席が離れている男の子も、担任の先生も、私の叔父さえ。華織と話す人、華織のことを話す人みんなが笑顔なの。」
初雪さんは少し照れたように語ってくれる。
「正直私は、そんな華織のことが、気味が悪かったわ。」
……。
「言葉で表すのは難しいけれど、気を悪くしてしまったらごめんなさい。でも、人間味が無いというか。とても遠いところにいるような気がして…。」
「そこからどうして兄さんに恋をしたんですか?」
初めから聞きたいのはそこだ。
「同じくらい憧れたの。こんなに周りを笑顔にできるってなんて凄いんだろうって。私の芝居に足りないのはこれかとも思ったわ。」
素敵って思ったの。
初雪さんは軽やかな声を少ししぼませながら言った。
「そうしたらもう夢中だったわ。叔父に頼んで接点ができるように頼んだわ。許可を出してくれた水仙にも感謝してる。」
「なるほど…。」
まあ詰まる所。
私のせいかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…!
私があそこで断っておけば今ほど状況は悪くならなかったのか…。
くぅ…。
でも…
「よく見てるんですね、兄さんのこと。」
新進気鋭の女優の観察眼は伊達じゃないてことか。
「恋をしてしまったからね。」
初雪さんはペロっと舌を出して困り顔で、それでいて少し晴れやかな顔で言ってくる。
か、かわいいな…。
「ごめんごめん。母さんから電話でさ。」
とか話してたら話の中心人物が戻ってきた。
このラブコメ主人公め…。
だったら…
「兄さんさ。初雪さんの恋人にでもなれば?」
「「は、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁ?」」
兄さんと、私達の話を聞きながらも、お皿を洗ってくれていたねえさんの声が重なってキッチンに響いた。
初雪さんも目を丸くしている。
「えっえっ?な、なんでですか水仙ちゃん!」
「何でも何も、そもそも理事長に頼まれたのは『恋愛指導』だろ?だったら恋人になって実践したほうがいい経験になるんじゃないかと思ってさ。」
「で、でもそんないきなり…。」
「え、ていうか僕の意思は…?」
とりあえず無視。
「ありがたい申し出だけど水仙。それはできないわ。私、事務所的に恋愛はNGなの。」
「なるほど、じゃあ恋人役ならどうでしょうか?もしも初雪さんに彼氏がいたらやってほしいことをやってもらうってことで。もちろん兄さんが許可する範囲ですけど。」
「え、ええ!?」
「それは…ありがたいわね。」
「僕の意思が尊重されるだと…!?」
兄さんの見当違いな反応は置いておいて。
「じゃあ当分はそれでいきましょう!初雪さんのなんちゃって彼氏に兄さんを。ただし。」
そう。
ただし。
「兄さんも自由に恋愛をしていいものとする。」
さぁ、どう出る…。
「わかったわ。華織、よろしくね。」
「え、ああ、はい。よ、よろしくお願いします?」
「う、うう、うぅぅぅぅぅぅぅ…。」
これでまだ戦いようがある。
むしろ状況は好転した。
私の独り相撲だけど…。
まずはねえさんに自分の気持ちを自覚させる必要があったんだ。
私は今日確信した。
ねえさんは兄さんのことが好きだ。
家族的な意味はもちろんのこと、異性としても。
だってさっきねえさんは嘘をついた。
多分ねえさん自身も気付いてないだろうが、ねえさんは嘘をつく時の癖があるんだよ。
ねえさん。
私、うそつきは嫌いだよ?
覚悟してね。
YouTubeとか結構観るんですよ。
はじめしゃちょー好きなんです。