すずらん様は告らせたい『やらなければいけない事がある時に限って部屋の掃除がめちゃくちゃ捗る現象にそろそろ名前を付けて欲しい。』
刃のせめぎあう音が竹林にこだまする。
「貴様、余程の使い手と見受ける。我らが里に何の用だ。」
「私は只の世捨て人さ。なに、この世界の二大勢力の拠点があると聞いてな。物見遊山でふらりと。」
「では山のものではないのだな。」
「ははは、違うよ。」
交わっていた刃が離れる。
「山の者でないのなら話は別だ。ついてこい。我々の里に案内しよう。」
「随分とすんなり通すのだな。」
「ふん。貴様の腕を信用したのだ。貴様程の腕であれば顔も広まっているだろうが、俺が知らないのであれば本当に山の者ではないんだろうよ。」
「私の腕も捨てたものではないなぁ。」
「着いたぞ。ここが我らが拠点。
『たけのこの里』だ。」
俺はまだ知らなかった。
この招き入れたモノが何だったのか。
『きのこの山』の秘密。
そして……。
2月29日、公開するといいな!
『KINOKO OF THE RING
~TAKENOKO IS KING~』
おっすオラ鈴蘭!
なーんちゃって。ドラゴンボールって面白いわね、もっと早く出会いたかったわ。
これからは古い漫画も読もうかしら。
あれが『友情・努力・勝利』の三段活用ね、とても心が躍ったもの。
私もかめはめ波とか撃てるかしら。
っと、冗談はそれくらいにして、私は逆月鈴蘭。
逆月学園の理事長の孫で、華織の後輩かつ水仙さんの親友。
水仙さんと『華織と柊を結婚させ隊』を組んでいるわ。
隊長の水仙さん、隊員の私。二名からなる最高のチームよ。
これといった功績はないんだけど、私達はあの二人をくっつけるため暗躍していた。
華織と柊先輩が休日二人きりになれるように水仙さんを私の家に呼んだり、休日水仙さんと買い物に行って二人きりにしたり、クレープ食べたり、今日みたいに水仙さんと二人で水族館行ったり…。
毎日がすごく楽しいわ。
水仙さんは
「鈴蘭ちゃんは兄さんのことが好きなのに、なんで私の野望に加担したの?」
なんて言うけど女の子が野望なんて言っていいのかしら?
「そうね、私ね華織の笑顔が好きなの。華織って笑顔が多いじゃない?お気楽っていうのもあるでしょうけど…。おじいちゃんと話しているとき、先生と話しているとき、私と話しているとき、水仙さんと話しているとき、いろんな笑顔を見たわ。でもねなんというか、柊先輩と話しているときの笑顔は私達と話しているときの笑顔とちょっと違って見えたの。それこそ家族と…水仙さんと話してる時の笑顔と似ていた気がしたの。だからその時思ったわ。ああ、この二人はなんてお似合いなんだろうなって。」
かなわないなって、私は思ったわ。
「そしたら水仙さんもおんなじことを思ってたじゃない?!私びっくりしたわ!好きになった人の妹がおんなじことを思っていて、しかも二人を付き合わせようとしていたんだから。」
結構空回りもしていたように見えたけどね。
だってひどいのよ?
『のどが渇いたから、二人で遊園地に行って限定のタピオカミルクティー買ってきて。』
とか、
『そういえば今週の買い物当番は兄さんだったよね。食器用洗剤が無くなっちゃったからちょっと大きめのショッピングモールまで行って買ってきてよ、ねえさんと二人で。』
とか。
水城家に遊びに行ったときに見たんだけど、暴君の様だったわ。
まあ、それで買いに行ってる二人も二人なんだけど…。
だから私も協力することにしたの。
なんてったって私は無数のオタク文化を嗜んでいる、まだまだ成長期のトキメキクリエイターなんだから!
女の子がされて嬉しいことを日夜勉強しているわ!
自然な二人きりの作り方さえ完璧になってきているわよ!
「ん…。えっと私が聞いたのはそういうことじゃなくてね鈴蘭ちゃん…。うーん。こう、聞きづらいんだけどさ。」
そう言って水仙さんが神妙な顔になって悩んでるわ。
な、何かしら…。私怒られるのかしら…。
「好きな人が別の女の子とイチャイチャしてるのを見てむかつかないの?」
え、ああそういうこと?
怒られるんじゃなかったのねよかったわ。
そうね、やっぱりモヤッとはするし、たまに辛くなるけれど
「好きな人が幸せそうなのよ?そんなの私も幸せな気分になるじゃない。」
とは言っても華織はたぶん自覚してないだろうし、柊先輩の方もどう思っているのかわからないからそう見えるだけなんだけど。
「……………くぅ!」
私の返答に水仙さんが胸を抑えて、膝をついたわ!だ、大丈夫!?
「と」
「と?」
と、と?トイレに行きたいとか?
「尊い…。」
「とうとい?」
とうとい?尊いってアレかしら、最近ツイッターでよく見るアレ?
「いい子だねぇ鈴蘭ちゃん…!私は…私は…こんないい子になんてことを…!腹を切るしか…!」
や、やめて!女子高生の切腹なんて見たくないわ!
「おおお…!ごめんねぇ…!?」
「そ、そんな!私は私がやりたいからやってるのよ!水仙さんが謝ることなんて一つもないわ。」
「天使かよぉぉぉぉ!おーいおいおい!」
「え、ええ!?な、泣かないで水仙さん!何で泣くの!?」
生徒会長の涙をこんな形で目にするなんて…。
泣いてる理由がわからな過ぎて戸惑ってしまうわ。
「そ、それに私今とっても幸せよ?水仙さんが友達になってくれて毎日がとても楽しいわ!」
「おーーーーいおいおい!!!」
な、なんでさらに泣くの!?
ああ!その状態で抱き着かないで!人目もあるし!鼻水が洋服に!仮にもモデルがしていい顔じゃない!
「それに来週からは私も同じ学校に入学するんだから、よろしくね!生徒会長さん?」
「任せなさい!私が生徒会長をしているうちは退屈なんてさせないよ!生徒会室にも遊びに来てね!」
がばっと私から離れて水仙さんは胸を張る。
うんうん。そっちのほうが水仙さんはかっこいいわ。
「ええ。友達を連れて、なんだったら彼氏なんか作っちゃて一緒にお邪魔するわ。」
「私の鈴蘭ちゃんに彼氏なんか許しません!!!」
ええ!?
「なるほど懸念していた…。こんな美少女が入学してくるんだ、悪い虫が近づかないようにしっかり目を光らせておかないと…。とりあえず前生徒会長に相談ね…。」
「私なりの決意表明みたいなものなだけなのだけれど…。」
やっぱり『華織と柊を結婚させ隊』は私がしっかりしないと。
なんて思っていたのに。
この男は。
何を別の女の子に。
デレデレしてくれちゃっているのよ!
水仙さんもなんで許可したの!
もーーーーーー!!!!
ちぇりおーーーーーーーーーーー!!!!
心の中で叫びながら叩いておいたわ。
ちょこみんとあ~いす




