Episode:92
――まぁ、しょうがないかもね。
うちはそういう人間がごっそり出る家系だから偏見なんてないけど、世の中にはあたしたちみたいなのを毛嫌いする輩もいるし。
「ま、早い話がこの子もあたしの同類なのよ」
「――あらま」
レニーサの反応に、イマドが拍子抜けした顔になって。
「……ヘンなヤツだとは思ってたけど、なるほどね」
「けど、なんかかえって納得できない?」
シーモアちゃんとナティちゃんも、あっさり順応。
「そういう人間ってのは、そんなにゴロゴロしてるものなのか?」
ここまで言われて、やっとボウヤが笑った。
「あ〜もう、なんかヤになっちまうな」
「だから言ったでしょ、案外平気だって。
ヘンにこそこそしてるほうが、よっぽど嫌われるんだから」
「それとこれとは違う気もするけど……」
なんかレニーサから突っ込みが入る。
「違わないの。
それよりレニーサ、場所貸してよ」
「ちょっと、店は止めてよ! そっから降りて、下の倉庫にしてちょうだい」
「はいは〜い♪」
ダグくんやガルシィくんあたりに連中担がせて、言われた地下へ降りる。
興味があるのか、ルーフェイアたちもちょこちょこついてきた。
「さ、起きてもらわなくちゃね。
ほら、朝よ〜♪」
――ってだらしないわねぇ。
せっかくあたしが起こしてるっていうのに、誰も目を覚まさないんだもの。
しょうがないからディアスと手分けして、活を入れて起こしてく。
「おはよ♪」
「んあ……あっ!」
ちょっと何よ。
次々と目を覚ましたのはいいけど、みんなして驚いた顔しちゃって。
――あ、そうか。
あたしみたいなイイ女がいたから、驚いたのかしらね?
「目が覚めた?」
面倒だから、武装解除もなにもナシ。ついでに縄も解いてあげる。
「ずいぶん舐めたマネしてくれるじゃねぇか」
多分リーダー格とアタリつけてたのが、真っ先に口を開いた。
「そぉ? 話を聞くんだから、転がしたままじゃ失礼だしやりにくいし。
そうそう、逃げたかったらそうしていいわよ」
ちなみにここ、地下だから当然出口はひとつ。
つまりあたしたちをどうにかしないと、絶対出られなかったり。
「そうか、じゃぁそうさせてもらう」
――あら。
案外この連中統制取れてるみたいで、一斉に武器を構えて襲いかかってきた。
でもねぇ……。
片手でディアスに合図して、子供たちを下がらせてもらう。
一方でルーフェイアにはめくばせ。
「――エターナル・ブレスっ!」
この子が防御魔法を展開させるのを背中で捕らえながら、あたしも呪を唱えた。
「――ヴェゼ・ジーヴルっ!」
あたしの中位氷魔法に足元を閉じ込められて、男たちが動けなくなる。
「もっかいやる?」
半分凍りついた連中に尋ねてみたら、今度は子供みたいに首振った。