表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/131

Episode:65

「そのっ、ガルシィは今、ちょっと人と会ってて……」

「かまわん」


――え?

 聞き覚えのある声に、驚いて顔を上げる。

 イマドも気が付いたんだろう。半分確信したような声で訊いてきた。


「おい、今の」

「うん」

 あの声の主を、あたしが間違えるはずもない。

 少し待ってると思ったとおり、「その人」が入ってきた。


「父さん、ダグさんのご家族、もう大丈夫なの?」

 訊くと父さんは、自信たっぷりにうなずいた。

――こういうとこ、どうして母さんと似てるんだろう。

 困った意味で、似た者夫婦だと思う。


「ちょっと待て、『父さん』だと……?!

 そうすると君は、ディアスさんの娘なのか?」

「え? じゃぁガルシィさんも、父さんご存知なんですか?」

 どうも父さん、このスラムじゃよほどの有名人らしい。さっきのダグさんと、似たようなやり取りになる。


「ガルシィ、まさか『ディアス』って、この人あのディアスさんなのか?」

「うそ、信じらんない……」

 しかもどういうわけか、シーモアとナティエスまでが驚いた顔になった。

 確かにこのアジト?へ簡単に入れてもらってるんだから、この中に知り合いはいるんだろうけど……。


「あの、すみません、父さんとどういうお知り合いなんですか?」

 きっと父さんに訊いてもごまかされてしまうだろうから、思い切ってガルシィさんにあたしは訊ねた。

 一瞬の間。


「――俺たちのチームの、昔のリーダーだ」

「え?」


 今聞いた言葉を、もう一度頭の中で繰り返す。

 つまり父さんは昔、このチームのリーダーをやってて……なのにもうひとつのチームの、ダグさんの大先輩で……?

 よく分からない。


「ガルシィ、話はもう聞いたな」

 悩むあたしを無視して、父さんが話を切り出した。


「はい。もっとも、信じられませんけど」

「それはどうでもいい。

 ともかく聞いたなら、これからレニーサのところへ来られるか? この話、彼女も裏があると言っている」

 その言葉を聞いた途端、ガルシィさんの表情が明らかな驚きへと変わった。

「あの人が……?」


 レニーサという名前には、あたしも聞き覚えがある。たしかさっき、ダグさんが落ち合う場所に決めたお店――というか、その名前だ。

 けどあたしが思っていたような、単純な名前と場所ではないらしかった。


「――クリアゾン――?」

 よほど驚いたのか、ここの人たちが使う言葉がスラングへと変わる。

「クリアゾン――レニーサ――」

 父さんもそれに、同じスラングで答えた。こうなると共通語しか知らないあたしには、断片的な単語しか聞き取れなくなる。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ