第一章
父母は既に亡く、私と妹の紗羅羅二人は施設で育っていた。
先日私は高校を卒業した。だから施設を出なければならない、のだが…
私は紗羅々と共に施設を出る事にした。
って事で二人分の荷物を纏めている。今。なう。
っあ゛〜……なしてこんなにガラクタが溜まってんの? 訳分からん。何したんだ、わし…
あ〜あれだ。勿体ねぇ〜って色々取っといたんだ。おい、過去の自分、特に先週の自分、なしてんな必要性がこれっぽっちもねぇモンを取っといた? 特にこの全長五センチ位の鉛筆集。なして施設中から捨てる用の鉛筆搔き集めた? 理由が何? 金が無くて書く物に困った時用? いらねぇよ! そんなモンより食うモンに困って餓死するわ! ってか他のモンとかも相まってチョー重いんですけど⁉︎ 家に着く前に過労死する気がするんですけど⁉︎ ってか中学生の時の実力テストの問題用紙集とか百パー要らん! 絶対使わん!
「ねぇちゃん、また要らない物持ってくの?」
「おう妹よ、私も今それを考えていた所なのだよ。」
「あんまり重いと、家に着くまでに過労死するよ?」
「分かっているとも、分かっているとも。」
さて、と…
「紗羅々君。」
「何でしょう。」
「捨てるべきか判断を仰いでも?」
「一刀両断しても良いのなら。」
「では頼もう。」
…
……
………
「七割捨てるってどう思う? 妹よ。」
「七割も要らない物があるってどう思う? ねぇちゃん。」
「あっはは〜♪」
うん、我ながらエグい。どうやったらこんなに溜められるんだ? 先週の自分に訊いてみたい。絶対酔っ払ってただろ、酒飲んでねーのに。
紗羅々のおかげで捨てれたけど…、でも紗羅々の一刀両断っぷりにも不安を感じるような…も少し物を大事にしてほしい。私が言うのも何だけどさ。ってか私は言っちゃあいかんな、うん。
ともあれ、片付けは終わった!
「行こうか、紗羅々。」
「うん、ねぇちゃん。」
疑問に思ったかもしれない。どうして紗羅々までもが一緒に施設を出るのかと。
紗羅々は目が見えない。故に施設で除け者にされていた。別にいじめられていたという訳ではないが、仲良くしていたという訳でもない。
だから私は、紗羅々を連れてここを出る。
「ねぇちゃん、」
「何?」
「ありがとね、いつも」
「とーぜん!」
「ふふふ、これからは私もねぇちゃんの為に頑張るよ。」
「では頼みましょう、紗羅々様♪」
「はい♪」
そして私達は施設の門を、出……
「「⁉︎」」
世界が暗転して足場が消えた。そして私達は投げ出される。
襲い来る浮遊感。
「さ、紗羅々‼︎」
私は必死に手を伸ばした。世界が明るくなってゆく。
「ねぇちゃん、どこぉ⁉︎」
しかし伸ばした手は宙を切り、私達は離れ離れになってゆく。
私は必死に叫んだ。
「紗羅々ぁ‼︎ 絶対迎えに行くからね‼︎‼︎」
そして見下ろした世界は、見たことも無い、緑豊かな大陸。
まさか…異世界⁉︎
そんなの、本の中だけの、話だと、思って、た…
そして私の意識は暗闇に飲まれた。
こんにちは!
ちょっぴりギャグを混ぜるのが僕のこだわりなんですよ♪
ってことで次話もよろしくお願いいたします♪