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サイアスの千日物語  作者: Iz
付録集
1313/1317

勲功について

定義


勲功とは城砦騎士団における諸活動において

特別な功績を上げたものに授与される評価であり、

平原の経済とは切り離された城砦内で流通する

疑似通貨としての価値をも有している。



特徴


・勲功は城砦内における通常業務では発生しない。

 兵士が任務をこなすのは報酬以前の義務であり、

 勲功を得るには+αが必要となる。


・逆説的に、+αの要素であれば、何であっても

 勲功が発生する可能性がある。休養中の薪割りや

 資材運搬、お困り上司のお守り等々でも発生し、

 少量であれば得る機会は少なくない。


・勲功1点は平原における常備軍兵士の1日辺りの給金に相当する。

 なお平均的な平原兵士の1年の給金は勲功200点相当である。


・個人で所有できる勲功は100万点を上限とする。

 現状城砦内で最も勲功を有するのは第四戦隊副長たる

 ベオルクであり、保有値は96万点となっている。



代表的な入手先


特務:通常任務外で発生する任務は勲功支給対象となる。

   特務が主任務の第四戦隊の場合、常に勲功が発生する。

   但し特務は基本的に危険であり、達成困難なものが多い。


撃破:防衛戦を旨として人より強大な魔や眷属と戦う中央城砦では、

   戦闘任務にあって必ずしも敵の撃破を要求されることはない。

   逆に敵の撃破に至った場合、敵の戦力指数に200をかけた値の

   勲功を、称賛と共に得ることとなる。大ヒルや縦長、死神虫

   といった特殊な眷属の場合、さらに高い倍率となる。

   例として戦力指数42を誇った上位眷属「はたこ」の場合、

   21万点の勲功が発生した。撃破報酬は隊に対して支払われ、

   指揮官の裁量の下大抵は等分配されている。


雑用:資材の運搬を手伝ったり、薪を割ったりと言った、

   休養期間中に請け負う雑用に対しても

   10点~100点程度の勲功を得ることができる。



代表的な使途


飲食:城砦における食事は分量を問わず1日2度までとなっている。

   それ以上を望む場合は勲功を用いる。概ね1食あたり

   10点~100点程度の勲功を消費する。


飲酒:平原であれ荒野であれ生水は危険なため、

   飲水は煮沸するか酒で割る。もしくは茶。

   ここでいう飲酒とはそれとは別の、単品で飲む

   銘酒の類である。概ね樽で100点程度の勲功を消費する。


休暇:城砦内で特別休暇を得る場合、1日あたり

   100点の勲功を支払う。裁量権は各戦隊長にあり、

   宴等々の特殊な事情がない限り、出された申請はほぼ通る。


帰境ききょう:アウクシリウムにおける長期休養。

   移動日数を含め10日間の特別休暇を得る。

   アウクリリウム滞在中の費用は全額城砦騎士団が負担する。

   裁量権は城砦騎士ならば騎士会、城砦兵士なら第三戦隊執務室。

   必要勲功は1000点であり、利用者の役職・階級によって

   滞在中の行動に一定の制限が掛かる。大抵の兵士はこれを生き甲斐とする。


装備:城砦における諸任務に必要な装備は基本的に全て支給される。

   だがそれ以上のものを求める場合、勲功を用いて

   当代屈指の職人が集う工房に発注し、専用品を得ることができる。

   その品質は平原の王侯貴族がこぞって求める逸品の類を遥かに超え、

   戦力指数が+1される程である。必要勲功1000点より天井知らず。


治療:基本的に負傷者への治療は万全になされるが、

   四肢欠損等の重症を負った際、早期処置により再生の見込みが

   ある場合には、追加で欠損部位の再生治療を受けることができる。

   専門の祈祷士や治療師を長期に渡り占有することになるため、

   騎士以外には基本的に認められておらず、必要となる勲功も高い。

   重傷を得た者には名誉除隊と平原での第二の人生が許されていること、

   技術秘匿のため再生を受けた者へは戦線への復帰が求められること

   などから、多くの場合再生治療より引退が選ばれる。


家具:サイアスが冷蔵箱を資材部に発注したことが

   切っ掛けとなって広まり出した新たな用途。

   資材部にて職人衆に特注の専用家具を作らせる。

   相部屋住まいな新兵や兵士にはほぼ用が無く、

   一部の兵士長や騎士級の者に利用されている。

   利用者が勲功的に裕福であるため支払いがよく、

   その分職人が本業以上に熱中し腕を競い精を出すと言われる。

   城砦史上、居室のリフォームにまで手を出した兵団員は

   後にも先にもサイアスのみ。


所領:他に比類なき功績を上げた者や、既に勲功を貯めきっていて

   褒賞のしようがない者に対し、勲功の代わりに所領が

   支払われることがある。裁量権は上層部にあり、その上で

   西方諸国連合の認可を必要とする。

   騎士や騎士長には少なからずこういった形で所領を得るものがおり、

   サイアスの父である故ライナスの得たラインドルフをはじめ、

   ブーク辺境伯領やマグナラウタス子爵領がその代表例となっている。

   なお、所領に人やモノ、インフラ等は付属していない。

   所領は城砦領であるが徴税権は当人に移管され、

   物資提供義務はこれを免除される。



オマケ・著名騎士の勲功使途


騎士団長チェルニー・フェルモリア王弟殿下

平原各国から超一流の料理人を次々に招聘しょうへいし中央塔で雇う、

資材部の棟梁スターペスに頼み込んで最高級のアクセを作らせ

嫁たる王妃の機嫌を取る、などなど。


第一戦隊長オッピドゥス・マグナラウタス子爵

身の周りの全てが特注品であるため定期的に資材部や工房に

バラ撒いている他、妻へと送り使途を一任。

子爵領は既に街と呼ぶべき規模になっている。


第二戦隊長にして剣聖ローディス

着道楽食道楽等趣味に用い、残りは定期的に

配下の遺族への補償に用いている。騎士団からのものとは

別になされるこの見舞いは、とかく早死にする二戦隊兵士らと

その遺族にとって掛け替えのないものであり、

配下は恩義に報いるべく不惜身命の覚悟で任務に臨む。


第三戦隊長クラニール・ブーク辺境伯

所領の経営、及びかつて財政破綻寸前だった城砦騎士団の

立て直しに用いた私財の補填ほてんに充てている。

ブークは破綻寸前の城砦騎士団の運営状態を1年で立て直し

次ぐ1年で正常化して、続く3年で黒字化し最近の2年で

投資した私財の大半を回収し終えている。


第四戦隊副長ベオルク

使途がスイーツと酒及び宴会のみであるため溜まる一方であり、

いよいよカンスト寸前となっている。上層部の消息筋によれば、

近々所領を下賜かしされる見通しとのこと。


兵団長サイアス・ラインドルフ

騎士級の稼ぎがあるものの経済感覚がまるでなく、

稼いだ端から頓着せず右から左へと浪費していたが、

嫁が管財し出してからは順調に貯蓄が進んでいる模様。

現在はお小遣い制で常時1万保有。残りはロイエが

管理運営している。全部でいくらあるかはロイエが怖くて聞けない。

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