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サイアスの千日物語  作者: Iz
付録集
1309/1317

城砦騎士団小隊戦術要綱抜粋 班戦闘 その1

以下は訓練課程の士官候補生に対し城砦騎士団における

最小戦闘単位である班での戦闘様式について教示するものである。

士官候補生各位は各戦隊に配属後上官の指示に従い本要綱に沿って

適宜演習練兵にあたること。



1:布陣

布陣は3名による三角形を基幹となし、人数に応じて

これを組み合わせ新たな図形を成すものとする。

よって布陣の基礎は2種に集約される。

それぞれ先鋭陣と後衛陣である。


図1:基幹陣形模式図

  先鋭陣       後鋭陣    

   敵         敵       

   前       前   前        

 後   後       後      




・先鋭陣

敵の正面直近に専守を担う前衛1名を配し、

斜め後方に攻撃・補助役の後衛2名を置く陣形。

後衛2名は組み合わせ次第で攻守配分の調整も担い得る。

役割分担が明瞭であり攻撃を担う数が多いため

専ら邀撃任務に好適する。


後衛2名は前衛の前に出ないことを前提として

武器や役割に応じ前後左右に臨機応変な位置取りを成す。

単独で敵と相対する前衛の質が機能に大きく影響し、

後衛2名との攻守に渡る連携も重要となる。



・後鋭陣

敵の正面直近に専守を担う前衛2名を配し、

中央後方に攻撃・補助役の後衛1名を置く陣形。

前衛が2名のため防御力が高く、持久戦に向く。


前衛2枚で後半に渡り防衛戦を確保できる一方、

後衛1名は多様な役割を単独で担うため負担が大きく、

専ら指揮や補助に専念し別班を先鋭陣の後衛と見做して

自班は守備を徹底することが多い。戦闘に参加する人数が

増えた場合、最前列はこの陣形を採るのが常である。



2:役割ロール

魔や眷属に単体戦力で劣る人の兵士が

一個の機能に特化専心して集合体となることで

戦力の不利を補うべく考案された戦闘様式。


・前衛

敵の正面直近に位置し、あらゆる手段を用いて敵の攻撃を防ぎ

味方への損害を食い止めることを担う防御特化の戦闘様式。

用いる装備や防御方法によっていくらかの種類に細分化される。


@盾使い

盾を用いた防御を専らとする戦闘様式。

用いる盾は大型かつ重厚であり、武器は短い幅広の剣

または手槍を用い背には予備の盾を背負う。盾のみならず

自重や甲冑の装甲をも活かし、自身の後方に安全圏を確保し

防衛戦を形成することを第一義とする。守備意識が高く、

喩え素面素小手でも敵に掴みかかってその動きを抑制し役目を果たす。

第一戦隊兵士は全員がまずこのロールを習得する。

盾使いには大盾と甲冑を装備し使いこなすために高い膂力や

体力、体格が求められ、それが第一戦隊の選抜条件にもなっている。


ウォール

盾使いの上位ロールであり、屈強な肉体と堅固な甲冑、

城壁並みの強度を誇る特殊な盾を用いてあらゆる外敵を弾く守備の要。

往々にして両手に盾を装備しており、そうしたものは双壁と呼ばれる。

極端に高い守備意識に加え守備のための先制攻撃を行う攻撃意欲をも具え、

盾による打撃で攻撃の出掛かりを潰し、場合によっては仕留めてのける。

戦場に自身の領地を形成し、そこに在るだけで周囲に安心を与える大黒柱。


近衛ガード

通例なら後衛となる槍使いのうち、高い守備意識と技量によって

敵の攻撃の出掛かりを潰したり受け流しつつ斬り付けたりと、

反撃に特化することでその役割を担うもの。別名槍盾。

盾使いが右手の手槍の扱いをも極めた結果到達する例も多い。

第一義として槍の達人であり、鉄槍を風車のごとくかざし舞わせて

迫りくる敵を打ち落とし薙ぎ払い、ときに斬り込む攻防一体の上位ロール。


舞闘士トレアドール

別名回避盾。あらゆる攻撃を華麗な足捌きと巧みな身ごなしで

回避してのける非凡な前衛。大抵は軽装であり一撃でも喰らえば

戦闘不能と成り得るために、この役割を担うには達人級の回避技能と

何事にも動じない高い精神力が要求される。

舞闘士一枚で前衛を張ることは珍しく、大抵は数枚のうちの一人となる。

総じて見栄えが良いために、味方の士気を鼓舞しやすいという特徴がある。

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