城砦騎士団人物名鑑・城砦歴107年度末版
まずはたたき台として。
折を見て加筆していきます。
※凡例
・名称(通称の場合は下記に補記)
出身、所属、階級、性別、略歴を順次列挙
※原則として107年度末時点の状態を記載
・アイノ
カエリア王国出身、兵団第四戦隊所属厩務員。
非戦闘員、階級は城砦兵士に相当。サイアスの
愛馬にして名馬シグルドリーヴァに専属させる
べくヴァディスが連れて来た少女。
伝承の戦乙女の名ばかりか魔力をも有す超常の
神馬シヴァに魅せられ、私淑し崇敬。さながら
巫女の如くシヴァに侍り甲斐甲斐しく世話する。
飛び切りの人間嫌いなシヴァもこれにはいたく
ご満悦で、サイアス一家へと同様の親愛を示す。
・アクタイオン
トリクティア共和国出身、元騎士団騎士会所属
序列十三位城砦騎士、男性。兵団第二戦隊で
斬り込み隊を率いた騎士団史上最長老の騎士。
元はトリクティア西方の州都イニティウムの
著名な剣闘士であり剣術道場主。常勝無敗の
王者であったが、引退した城砦騎士との試合に
敗れた後、さらなる強さを求め荒野の城砦へ。
軽装での強襲邀撃を旨とする第二戦隊では
珍しく、常にド派手な銀白色の甲冑を纏う。
甲冑剣術の名手として知られ、ド派手な姿
とは真逆に仕手は堅実精妙を極める。
おそろしく声がデカイ上喚き癖があり、
娘のセメレーと共に人と異形を選ぶ事無く
ヒドい耳鳴りに追い込む。
城砦歴107年の宴における対魔戦闘で
重症を負い引退。騎士団領アウクシリウム
にて西方諸国連合軍の剣術指南役に就任。
・アクラ
西方諸国出身、兵団第四戦隊所属兵士、
階級は城砦兵士長、美人隊隊員、女性。
元第一戦隊所属兵士。兵団長サイアスの警護
のため戦隊長の命で第四戦隊へと派遣され、
そのままサイアス小隊員となった肉娘の一人。
三度の飯より肉が好き。でもスイーツも好き。
元第一戦隊員らしからぬお調子者であり
女シェドとの不名誉極まる渾名を持つ。
もっとも腕の方は確かで馬術もこなす。
・アトリア
西方諸国出身、中央塔付属参謀部所属
序列三位城砦軍師、参謀長補佐官、女性。
東方諸国より移住した忍びの一族の末裔。
代々の頭領は男性ならアトリアンツォを。
女性ならアトリアンジュを名乗る。
当代アトリアは歴代でも白眉とされ一族に
繁栄をもたらすと嘱望されるも望まぬ主に
仕えるのを嫌い志願兵として中央城砦へ。
その後第二戦隊隠密衆を経て軍師の目を得、
高い機動力と謹厳実直振りを買われ参謀長
セラエノのお守りもとい補佐官となった。
監察の長を兼ねており、軍師には珍しい
寡黙さや神出鬼没振りも相まって騎士団
内に満ち溢れるお困り様たちからとても
恐れられている。
非戦闘員たる軍師でありながら騎士級の
戦力指数を誇り、アイーダ作戦では伝説の
影の末裔の名に恥じぬ比類なき活躍を成した。
趣味は執筆。報告書を伝奇仕立てにしたり
自作ポエムを書き添えたり。主同様やや腐
にして汚部屋の主。
・アッシュ
トリクティア共和国出身、兵団第二戦隊所属
城砦兵士長、男性。トリクティア東部の州都
にある名門僧院で医術を学ぶ。
軍師「沼跳び」ロミュオーとは同門かつ同輩。
同じく火の症例を有す。矛使いにして衛生兵。
志願兵として入砦後第二戦隊へ配属され、戦闘
もこなす衛生兵に。平原で培った技術や知識に
加え魔力の上昇により回復祈祷をも習得。
後、参謀部に招聘され研鑽の末に四肢欠損すら
治癒せしめる秘術、再生加速処理を学ぶ。
ただし。女人禁制の厳格な僧院で育った反動か
インターンとして戻った原隊の前線にて、負傷
した女性兵士らへと治療そっちのけで言い寄る
醜態を繰り返した。
結果参謀部から永世出禁とされた上、戦隊内外
のあらゆる女性兵士を敵に回し、二戦隊内でも
男性兵士専門の衛生兵とされた。
上述の理由から女性兵士らに蛇蝎の如く忌まれ、
重症を負っても診られるくらいなら死を選ぶ
者も出るほど。もっとも衛生兵としての腕は
確かで、多くの男性兵士を救っている。
・イブン
西方諸国出身、中央塔付属参謀部所属祈祷師、
施療施設長、治療部隊長、西方三博士の筆頭。
男性。現参謀部筆頭軍師たるルジヌの夫。
平原の人の子4億の上澄み数十名たる叡智の殿堂、
大賢者集団たる中央塔付属参謀部には、智謀を
究めた城砦軍師と大魔道士たる祈祷士が在籍して
いるが、中には軍師かつ祈祷士という、史上に
冠絶する傑物も存在する。
賢者の中の賢者な彼らは男性なら祈祷「師」と。
女性なら「巫女」として別格に尊称される。
もっとも当人らは多分に気分で軍師とも祈祷士
とも、その都度好きに名乗っている。
イブンは、先々代の参謀部筆頭軍師であり現在は
スクリニェットの院長であるジュレスの平原時代
の愛弟子で、彼の元で医術と薬学、哲学を学んだ。
後にジュレスの推挙で招聘され入砦、訓練課程を
経ずして参謀部に。魔術と邂逅し祈祷士となり、
叡智を磨き軍師に。つまりは祈祷師と相成った。
元来医術においては師を凌ぎ、魔術との邂逅で
治療分野での革命的発展をもたらす事を期待され、
そして見事にこれを成し遂げた。
早期処置すれば欠損した四肢すら再生させ得る
騎士団最高機密の一つ、「再生加速処理」は
彼が発明し確立した。
また最大の功績はこれまで個人単位の「秘儀」
であった回復祈祷を習合、体系化。前提となる
才さえあれば誰でも習得可能な「技術」として
体系化した事にある。
師に似て温厚篤実であり、軍師らしく説教好き。
妻が筆頭軍師なのも師同様。将来は師と同様に
スクリニェットの院長に就任する事も内定済み。
そして師同様、恐妻家なのも致し方なし。
・インクス
カエリア王国出身、兵団第三戦隊所属
生産部門武器工房長、騎士団幹部、男性。
カエリア東部ユミル平原出身で第一戦隊長
オッピドゥスらと同郷な巨人族の末裔。
火の文明の鍛冶技術を継承する当代随一の
鍛冶師であり、伝承金属オレイカルコスの
数少ない保有者の一人でもある。
武器工房の一角に特大の専用炉を有し
鍛冶衆の監督と城砦騎士専用武器の
製作を担当している。
古今東西のあらゆる鍛造技術を治めており
恵まれた体躯の生み出す桁外れの膂力を
活かして対異形戦闘で抜群の働きをする
名品の数々を生み出している。
魔剣ベルゼビュートとフルーレティの
土台となった剣の生みの親。子供好き。
専用炉で菓子を焼いて与えるのが趣味。
・インプレッサ
西方諸国出身、兵団第四戦隊所属騎兵中隊
小隊長。階級は城砦兵士長、男性。祭事に
際して曲乗りを披露する西域でも著名な
騎手の子で、自らは連合軍の騎兵となった。
その後愛馬と共に志願兵として中央城砦へ。
訓練課程後、新設間もない第四戦隊へと
直接抜擢され、城砦騎士に叙勲された
ばかりのデレクの供回りとなった。
以降5年以上に渡りデレクらと共に無数の
死地を超えた歴戦の勇士。供回り内では
最古参で馬術の他戦斧や弓の扱いも師範級。
お調子者だが面倒見がよく新参にも優しい。
四戦隊兵士中屈指の実力者にして自称
イケメンズの筆頭格。女性の同僚曰く
「キレたナマズのような顔」らしい。
・ヴァージル
西方諸国出身、兵団第二戦隊所属副長補佐官。
階級は城砦兵士長、男性。補充兵として入砦後
訓練課程を経て第一戦隊副長大隊兵士に。
城砦歴107年度の宴の第一夜、魔軍に対する
最前線となる南西の野戦陣にて歩哨を務めた。
魔軍の強襲を受け恐怖判定に失敗。恐慌状態に
陥るも同僚の叱咤激励により奮起。死闘を制し
生還を果たした「最後のファランクス」の一人。
後、アイーダ作戦にてオアシス野戦陣西鉄塔の
哨戒部隊長を務め、忍び寄る奸魔軍をいち早く
察知して作戦の大勝に貢献。その才を認められ
続く再編成で第二戦隊副長候補として抜擢さる。
闇夜の宴の最前線より生還して以降は冷静沈着
かつ思慮深い、部下や同僚思いの理想的な隊長
となった。再編成後は城砦騎士ヴァンクインの
補佐として北西支城エルデリートに赴任し
副官としての経験を積んでいる。
・ヴァンクイン
トリクティア共和国出身、騎士団騎士会所属
序列十四位城砦騎士、男性。兵団第二戦隊で
小~中隊長を歴任する。現在は北方領域
北西支城エルデリートにて主攻軍を預かる。
かつてはトリクティア西方の州イニティウム
のコロセウムにおける花形剣闘士であり、
当時の執政官の護衛でもあった。引退した
城砦騎士との一戦を経てさらなる武の高みを
求め、荒野の中央城砦へ赴いた。
剣闘士時代より連撃の名手として名高く、
入砦後は対人戦との違いに戸惑うも徐々に
本領を発揮。兵士長時代その華やかな才を
戦技教官だった武神ライナスに見込まれ、
連撃の奥義と大薙刀を授与される。
それらを以って常に最前線に立ち歴戦し、
遂には城砦騎士となった。絵に描いた様な
現場一辺倒の武人で武芸以外に興味がなく
どんな困難な任でも黙々と遂行、生還する。
連撃技能値は9と剣聖に次ぐ。武神ライナス
の子サイアスへの連撃奥義継承を望んでいる。
・ウラニア
トリクティア共和国出身、騎士団騎士会所属
序列6位城砦騎士、二戦隊強襲部隊長、女性。
帝政期の皇家の遠縁、共和制下の公爵家令嬢。
「漆黒の旋風」「迅雷公女」の二つ名で著名。
トリクティア西方の州、皇家発祥の地たる
古都イニティウムを統治する公爵家の令嬢で
艶やかな黒髪と乳白の肌をした美麗な容姿、
そして凄まじく武張った気性で名高かった。
家格や美貌から幼少より盛んに求婚されるも
「弱者には嫁がぬ」と豪語して求婚者に試合を
挑み、その都度乱離骨灰に叩きのめした。
求婚者はこぞって女性恐怖症となりその結果
新興貴族家の数を減らすのに貢献するも、
そのうち縁談がぱったり途絶えてしまった。
そうした折剣闘試合で元城砦騎士の比類なき
武技を。続く武神の凱旋で抜山蓋世なその
武威を目の当たりにし、自らも荒野の城砦に
赴く事を決意。周囲は反対しなかった。
無数の強者がひしめく荒野の城砦に至って後
「弱者には嫁がぬ。かつイケメンに限る」と
モットーには適宜加筆が成された。
当代随一の戦斧の名手であり、優美なる弧の
刃を持つ総鉄身の三日月斧「月下美人」を
携え無数の死地を駆け抜けて城砦騎士に至り
第二戦隊強襲部隊を率い闇夜の戦陣を切り裂く。
騎士団きっての美熟女として知られるも、当人
曰く永遠の23歳。なお疑義を挟めば命はない。
・オッピドゥス・V・マグナラウタス
カエリア王国出身、西方諸国連合子爵。
騎士団領マグナラウタスガルド領主。
騎士団騎士会所属、序列二位、城砦騎士長。
兵団第一戦隊長かつ同戦隊内近衛大隊長、
並びに中央城砦外郭北東区画天守閣城主。
「城砦その人」「動く通行止め」他異名多数。
既婚、男性、妻子は所領に居住。
平原の北方を東西に渡り広範に支配する
三大国家が一、カエリア王国の北東域、
ユミル雪原に生を受ける。
同地は先史に言う「火の文明圏」の主要な
構成員だった巨人族の末裔が多く住まい、
今でも時折先祖返りな人々が誕生する。
彼はそんな中でもズバ抜けて雄大な、
当代随一の巨漢である。
身の丈は平原に暮らす成人の二倍に勝り
地に立って二階の窓を開け閉めできるほど。
身的能力は圧巻の一言で、荒野においても
並の異形を優に凌駕する。
屈強な巨躯、燃え盛る炎の如き赤の髪に
赤銅色の肌と、神話伝承に謳われる炎の巨人
そのものな有様から幼少より著名であり、
同国の成人年齢18歳と同時にカエリア王家
の預かりとなった。
その後英才教育を受け20で王都防衛師団長に
就任、以降10年、王家と王国の象徴として
倦まず弛まず軍務に励んだ。
10年後、当代カエリア王の即位と共に、彼の
人生に転機が訪れた。先代王はオッピドゥスを
けして王都から出さなかったが、当代王は
彼にカエリアや平原は狭すぎると考えた。
そこで西方諸国連合軍を介して城砦騎士団に
オッピドゥスを推挙。城砦騎士団はこれに
史上最大級の歓喜を示し、対価及び感謝の証
として、騎士団領内で最も安全で安定している
アウクシリウム北東の一帯をカエリア王国へと
割譲。カエリア王は同地をマグナラウタスと
命名し、そのままオッピドゥスへと与えた。
入砦と同時に騎士団領主に、さらには城砦騎士
ともなったオッピドゥスは第一戦隊副長を経て
栄えある城砦騎士団の防衛主軍司令官、騎士団
の看板ともいうべき第一戦隊長に就任。以降
人魔の大戦の最前線で無数の武勲を重ねている。
常識の通じぬ屈強過ぎるその巨躯に先進技術の
粋を込めた超弩級重甲冑を軽々と纏い、鉄城門
に匹敵する専用重盾を左右各々の手に構え魔軍
の悉くを粉砕する、盾二刀流の達人として著名。
また王家で当代一流の教育を受けた事で、けして
力任せだけでない、知勇兼備の名将となっている。
性格は豪放磊落でガハガハとよく笑い、滅多矢鱈
に声がでかく雄叫びで兵が失神する事も。
騎士団でも有数の恐、否愛妻家としても著名。
所領を治める奥方を心底畏れ敬っているらしい。
・ガーウェイン
共和制トリクティア出身、元共和国機動大隊長。
兵団第一戦隊所属、防衛大隊内独立機動中隊長。
階級は城砦兵士長。ただし騎士級の兵権を有す。
城砦歴107年前半の駐留騎士団長として派遣
された同国でも古参歴戦の千人隊長。赴任中に
起きた梟雄グウィディオンに係る顛末の責任を
取り自ら百人隊長へ降格、補充兵の損耗を補填
すべく志願兵となって入砦した。
その際直属の配下30名がこぞって彼に続いた
ため、騎士団は彼らを編成そのままに兵団内
第一戦隊副長大隊に編入。従来任務に近似する
城砦近郊の哨戒と輸送部隊の警護を担当させた。
107年度中旬、支城ビフレストと城砦二の丸
を連絡する中継拠点、歌陵楼が建築された後は
同拠点へ駐屯し一層の活躍を果たしている。
入砦時点で補充兵の年齢上限となる45歳を
超過しており、狂気に満ちた荒野の戦場に
心身が適応できるものか危ぶまれたものの、
狂気を上回る頑固さでこれを克服。
長年培った高い統率力と老獪さを練磨して
小隊規模な城砦兵士の指揮権に優越する
中隊規模、城砦騎士相当の兵権を預かる。
極めて頑固で恐ろしく偏屈な武辺者として
祖国ではその御し難さでも著名であった。
だが騎士団幹部にはもっと果てなく度し難く
頑固でスイーツなお困り様がゴロンゴロン
しているため、まったく問題視されず。
むしろ愛嬌のある爺さんだ程度に思われ
慕われており、当人も満更ではないらしい。




