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1-14

 俺はあの後、何もわからないまま水穂さんに連れられ、先程見下ろした城下町へ入った。

塀で囲まれた城下町。そしてその門には兵がいたが。

「・・・・・・・・・・・・」

俺には理解出来ない言語で水穂さんに挨拶をし、そのまま通してくれた。

あの言葉、日本語ではないし、英語ですらない。どこの言葉かすらわからなかった。

俺は一体どこにいるのだろうか。


 城下町の中に入ると、まず最初に目に入ったのは

「馬車・・・・・・?」

見紛うことがない、正真正銘の馬車だった。馬車には荷物が積まれ、今にも出発しそうな雰囲気だ。

人々の服装も俺の常識にある服装ではない。そして、周りに電化製品や工業製品が一切見当たらない。車なんてないし、携帯を弄っている人もいない。電線も無い、電気もない。あるのはおそらく火で点るであろうランプのみ。

 どう考えても現代ではない。日本でもない。一体ここはどこなのか。

水穂さんに言われたことを思い出す。

『あたしの名は七里水穂(ななり-みほ)。あんたの通う学校の校長さ。水穂さんとでも呼べばいい。そしてこっちの世界では六神官の一人をやらせてもらってる』

こっちの世界。それはつまり、ここは日本とは違う世界であることを指しているのだろう。んで、水穂さんはこの世界の神官と

 馬鹿げている。非科学的だ。学校の旧校舎四階が実は異世界への通路になっていてそこから異世界に飛ばされた?

幽霊と出会ったのがつい最近だというのに、今度は異世界かよ。

 しかし、俺は内心喜んでいた。一般人はこんな経験が無いまま死んでいくはずだ。けど俺は違う。まだ二十歳にも満たないのに、既に幽霊に出会い、そして異世界にまで足を踏み入れた。それってすごいことだと思う。

「・・・・・・」「・・・・・・」

どこかへ向かっている間、水穂さんに話かける人がとても多かった。言葉が全くわからないから、断言は出来ないが、おそらく何か感謝の言葉などを伝えてい他のだと思う。人の表情からなんとなくそう思った。一体どういう職なのかしらないが、美穂さんが神官だからだろうか。

 城下町の中央付近にある城に入る。ここでも顔パスだった。

ふと立ち止まる。

「そろそろ着くよ」

「つくって、もしかして・・・・・・」

水穂さんが神官と呼ばれていること、そして城に入ったことから推測するに、おろらく王かそれに近い人に会うのだろう。でなきゃ城に入る意味なんて無い。

「あんたの想像で合ってる。これから会うのはこの国の王さ。無礼無い様にするんだよ。態度が悪ければ捕らえられて殺されるかもね」

冗談口調なので、殺されるのは冗談としても国王と会うのか。

一体どうして?

それが一番の疑問だ。正直、俺は何も知らない。ここがどこかとか、神官が何なのか、とにかく情報が無さ過ぎる。

「俺、言葉全くわからないんすけど・・・・・・」

一体何を言ってるのかわからないの国王に対し、どう対応すればいいのかわからない。もし話しかけられても当然答えることは出来ない。

「あんた、やっぱり何の力も無いのかい。こりゃミスったかねぇ」とか俺を馬鹿にするようなことを言われた。

「こんなことは出来て当然だと思っていたんだが、まぁいい。今回はこいつを食べな」

そういってどこからともなく、小袋を取り出し俺に渡す。

それを開けると、そこに入っていたのは金平糖のような菓子だった。というかこれは金平糖だ、間違いない。

「これは?」

「それを食べれば一時的ではあるが、言葉がわかるようになるよ。さっさと食べな。一粒でいいからね。残りはあんたにやる。今後役に立つだろうから大事に持っておくといい」

言われた通り一粒食べる。甘くて美味しかった。間違いなく金平糖だ。

「信じてないね?大丈夫、すぐに実感できるさ。即効性だから、もう理解できるはずだ。ま、それは簡単な奴だから効果は長くて一時間程度だがね」

食べると他言語が理解できるようになる食品、か。どこかの猫型ロボットが持ってそうだな。

そしてそれから一分ほど歩いたところで大きい扉の前で止まる。この先が王座だろうな。

「あたしだよ。開けてくれないかい」

「水穂様!ただいま!」

扉番の兵士が慌しく動く。

 すごい、言葉が理解できた。

まだ信じられないが、本当にあの金平糖がそういう力を持っているのだろう。すごいな美穂さん。

それから一分ほどたち、ようやく扉が開く。王座の扉を開けるのにこれだけ時間かかると出入りが面倒じゃないか?いくら安全のためといえ、やりすぎな気がする。

「ほら、立ち止まってないで行くよ」

水穂さんに急かされ、急いで続く。

その部屋に入り、目に入ったものは・・・・・・

「や、山神・・・・・・?」

「そうさ、この子がこの国の国王。山神綾乃様さ」

そこにいたのは正真正銘山神綾乃その人だった。

山神は氷のような何か透明な物体の中に入り、まるで眠っているかのようだ。

「これは?」

意味が分からない。山神は学校に出る幽霊だったはずだ。なのになぜ、異世界で国王やってる上に眠っているんだ?

ここに来て気づいたときと同じくらいの驚きだ。

「彼女はとある問題を治めるために、自らを犠牲にしてお眠りになられたのさ。なぜあたしがあんたを特別扱いしたのかこれでわかっただろう?」

さすがに俺でもわかったよ。そりゃ眠ってる異世界の国王の名前知ってる高校生がいたらそうなる。

しかし幽霊だと思っていたが山神が国王とはな。

ん?待てよ。じゃあ、あの幽霊の山神って一体何なんだ?

ここで山神本人が眠っているのであれば、一体あの山神は何だ?

生前の記憶が無いらしい、幽霊の山神。そしてここにいる国王の山神。この二人は一体どういう繋がりなのか。

今の俺には全く予想できなかった。


「おお、水穂様。お待ちしておりました。ん?そちらの方は?」

山神に驚いていたから気づかなかったのだろうが、気が付いたら目の前に人がいた。執事って感じの容姿だ。というか執事だ。

「助手ってとこさ」

「美穂様が人をお連れになられるとは珍しい。本日はどの程度こちらにおられるのですか?」

「ちょっと立て込んでてねぇ。すまないが終わり次第すぐ帰らせてもらうよ」

俺のほうに視線を送りながらそう答える。間違いなくすぐ帰る理由は俺らだろうな。

ちょっと待ってな。と言い残し、水穂さんと執事は部屋を出て行った。

「わざわざ俺を残したってことは山神を見てていいってことだよな」

俺は山神に近づいた。遠くから見るよりも、ハッキリとわかる。山神は透明な何かに覆われている。 その何かに触れてみるが

「普通の温度だな」

一見氷のように見えたほどなのだが、触れてみても常温だった。そりゃそうか。氷ならこんな普通の部屋に置いておけるはずがないよな。

 どのくらいの硬さなのか気になり、デコピンする感じで軽く叩いてみたら

ピキッ

ひびが入った。

あたふたしている内に水穂さんが戻って来そうだ。どうするよ、これ。

もしこれが生命維持装置的な何かだったら俺は大変なことをしてしまったのではないか?

 もしかして打ち首・・・・・・?

興味本位で叩いた俺が悪いのだが、決して悪気があってやったわけではない。

「なにしてるんだい?」

!?

唐突に背後から声をかけられ驚いた。

「あっ、あのっ。わざとじゃないです・・・・・・」

黙っていればバレなかったかもしれないのに、明らかに何かやってしまったかのような反応をしてしまった。

「一体どうしたんだい」

 ここは変に誤魔化してバレたら最悪だ。もう正直に話そう。自首すれば減刑してくれるさ!・・・・・・きっと

俺は黙ってひびが入った箇所を指差す。

水穂さんもそれに釣られてひびの箇所を見つめる。そして、当然だが驚いた。だが、その驚き方が俺の予想以上だった。水穂さんの後ろにいた執事も明らかに驚いている。

俺やっぱやばいことをしちまったか。

「すいません!故意じゃ無かったんです!どうか許してぇ」

我ながら情けない。人が中に入っているのだから、下手に触るもんじゃなかった。後悔先に立たずとはこのことだ。

「これ、本当にお前がやったのかい?」

再確認された。本当のことだ。

「軽くデコピンみたいに叩いただけ、まさかひびが入るとは・・・・・・。すいません!」

もし俺が逆の立場なら「ゴメンで済んだら警察はいらない」とか言いそうだ。

執事がプルプル震えながら近づいてくる。相当ご立腹のようだ。痛いのを覚悟する必要がありそうである。

 そして俺は・・・・・・手を握られた

「きゅ、救世主さま!」

・・・・・・は?

「軽くデコピンでとはね。ははは」

水穂さんは呆れるような、途方にくれているような表情で苦笑している。

???

俺にしてみればサッパリだ。どこに俺が救世主な要素があるのだろうか。俺がやったのはただの器物破損だ。

理解不能という俺の表情を見てか、美穂さんはちょっと離れてな、といい俺を山神から離した。

「見てな。あたしがやる予定だったのはこれさ」

ハァーッと気を吐きながら、なぜか持っていた剣を鞘から取り出し、剣に力を込める。

剣の周りを水色のオーラのようなものが包んでいる。

「水塵剣!」

かなりの時間溜めをした後、持っていた剣を振りかざした。俺は反射的に目を瞑る。

パリン

何かが割れるような音。当然、山神を覆っているものが割れた音かと思ったのだが、目を開けると

割れたのは剣のほうだった。

「見てみな。傷一つ付いちゃいないだろ?」

と剣を振りかざした場所を示す。

「本当だ」

本当に傷一つなかった。剣が振りかざされた痕跡なんて全く無い。

「あんたはそれだけのことをやったのさ。ただのデコピンでね」

剣で傷一つつかなかったのに、意とも容易くひびを入れた俺の手は鋼鉄だったのか!

「いやいや、俺にそんな力無いっすよ。偶然偶然」

俺がデコピンした場所が偶然ひびが入りかけていた場所で、俺のデコピンがきっかけでそれが深くなっただけかもしれない。俺がデコピンする前そんなもの無かった気がするが、きっとそうだ。

「ありえないね。なぜなら・・・・・・って立ったままじゃなんだね。こっちに来な。長い話しになるから、座って話そうじゃないかい」

悪いが部屋を貸してもらうよ。絶対誰も入れちゃいけないからね。と執事に注意し、俺と水穂さんは一度廊下に出て、別の部屋に入る。

見た感じ談話室だ。イスと机以外のものは無い。

「山神綾乃。この国の王。さっき見たように、彼女はとある事件の影響であの結晶の中に封印されているのさ。んで、あたしはそれを砕くために毎週ここに来てるのさ。まぁ、これまでただの一度も傷すら付けた事無いんだがね」

さっきの全力剣技ですら傷が付いていなかったのは、俺も見ている。

「この国は、いや、この世界は昔滅亡の危機に瀕した。それを救ったのが彼女さ。と言っても結果は相討ち。そして見ての通り結晶に閉じ込められたのさ。今から大体15年程前のことになるかな」

 それから水穂さんの話は続く。

国王一家はその世界的な危機で皆死に、山神が最後の一人だった。そしてその山神も結晶に閉じ込められている。

この国は王を事実上失った。王位後継争いで国が大混乱。そんな混乱を終わらせたのが六神官。本来そんな役割を果たすための存在ではないのらしいのだが、世界を救ったということで特別に仲を取り持ったらしい。「国王の封印は必ず解かれる」と言ったとか。そして水穂さんを初めとする六神官主導で、国の再建を行い現在に至る。

「わかったかい?」

「まぁ、なんとなく・・・・・・。でもそれ以前に、ここが一体どこにある国なのかすら知らないんですが」

地球で、そんな世界の滅亡危機なんてきいたことない。つまり、ここは地球ではない。

「ああ、説明してなかったかい。簡単なことさ。ここは異世界。この世界自体の名は・・・・・・そうだねディメンション・ワールドってとこかね。平行世界さ。直訳するとおかしな意味になるが・・・・・・、ま、わかりやすい名前だしこれでいいだろう」

平行世界、か。そうではないかと思ってはいたが、面と向かってそういわれるとな。

高校の校長と一緒に平行世界で眠れる国王とご対面?なかなか洒落てるじゃねーか。面白い。

「そういや、あたしはあんたがどこの誰だか知らないんだが、教えてくれないかい?」

俺が水穂さんの名前を聞くのが遅かったのと同じで、俺も自己紹介なんてしてなかったな。それどころではなかったから、仕方ないといえば仕方ないのだが。

「俺の名前は江神悠輝。知ってのとおり高校生で、今一年です」

「それで江神、あんた一体何者なんだい?」

またそれか。何度聞かれたって答えは同じ。

「俺は一般人っすよ。何の力も持たないね」

水穂さんみたいになんかすごい存在なんかじゃないし、伊藤みたいに超能力が使えるわけでもない。

誇れるとしたら多少メンタルが強い程度だな。

「嘘をついても無駄だよ。山神の名を知り、そして誰一人として傷付けることが出来なかった結晶にひびを入れる人間が一般人なわけあるかい。どこの組織だい。そして能力は」

俺がどこかの組織に入っている超能力者という思い込みを持っているらしい。いや、俺が何かすごいことをしたのはわかったから・・・・・・

 もし、俺が超能力者だったとしたら、「俺こんな能力持ってます!」とすぐさま自慢しているだろう。だが、実際はそんな力これっぽっちも持っていない。

いくら聞かれたって答えられるわけがない。力が無いのだから、そんな組織に入っているはずもない。

 だが、それを照明する手段が無いのも確かだった。俺は何一つ嘘を言っていないののに嘘認定されるのだから、これ以上どうすることもできない。

「超能力なんて持ってないですし、そんな変な組織なんて入ってないですってば」

いくらそう言っても信じてもらえず、今度は

「じゃあ黒魔術師とか、霊獣とかそっちの類じゃないのかい」

とか、

「本当はしたくないけど、吐く気がないなら仕方ないね・・・・・・」

とか言いながらヤバい目で俺を見てきた。

 ここは戦略的撤退を・・・・・・

ガシッ

逃げ出すより早く手を掴まれる。もし仮に逃げれたとしてもこの世界から地球への帰り方を知らないのだからどうしようもないのだが。

「少し眠っていてもらうよ」

と、もう片方の手が俺に向けられる。

 このやり方、つまり伊藤の時と同じか?

伊藤に変なことされたとき、軽く触られただけなのに激痛が走って悲惨な目に逢ったが、なんとなくその場面に似ている。覚悟したほうがいいだろう。

トン

と、水穂さんに触れられた途端、予想していた通り激痛が走る。伊藤の時と違い、耐えれないほどの痛みではない。耐え切れず倒れるほどではないし、当然気絶するほどではない。

まぁ痛いのは事実だが。例えるなら、親父にぶたれたことないのに、家族以外に二回ぶたれた程度の痛みだ。

「なんで超能力者さんはこうも実力行使に出るんだ。もう少し真面目に話を聞いてくれてもいいのに」

努めて平気そうな表情のまま、何も効いていないかのようにする。

最初は結構痛かったのだが、段々と痛みが引いていった。一分もすると全く問題ない程度の痛みになっていた。

「それで?俺の意識を失わせて一体何をする気だったんですか?」

余裕綽々と質問する。こういう態度が取れたのは全て伊藤の一件である程度慣れたからだろうか。水穂さんが手加減したとかなのだろうが、予想より遥かに耐えやすかった。

 伊藤にされたときはすごかったからな。あの時の痛みは、例えるなら自転車運転中にすっ転んで全身強打したときの最大の痛みがずっと続くレベルだ。あの時は気絶しないようにがんばるので精一杯だったからな。

「まさか耐えるとはね・・・、あんた何者だい?あれを耐えておいてただの高校生じゃ済まないよ」

先程までとはうって変わり、殺気を感じた。変に格好付けたからかもしれない。耐えようなんてせず気絶しておいたほうが幸せだったか

 伊藤と同じでこりゃ物理攻撃にでるな・・・・・・

しかもあの時と違って、俺を気絶させるためではなく明らかに俺を倒そうとしているとしか思えない殺気だ。伊藤の時は殺気なんて感じなかったしな。

武器となるようなものはお互い持っていない。つまり、

逃げるが勝ち!

タイミングを見て逃げ出す。物理攻撃は当たったら瞬殺されるが、当たらなければどうということはない。

武器を持っていなかったので、距離を保つことが出来ればあんぜ―

「衝水波」

ドゴーン

唐突に響く嫌な音に振り返る。

 水が、迫ってきていた。

「ちょっ」

寸でのところでふらつきながらも避ける。

水の玉の当たった部分が軽く抉れている。おいおい、ここは城の中だって。城を壊してどうするよ

「衝水波!」

ドゴーン

その後も無慈悲な水攻撃は続く。その全てを避けれたのは奇跡に近い。

なんとか城内では逃げ切った俺は人がまだ多い広場に出、来るときに通った道を戻り、最初の高台へ向かう。帰れるかどうかはわからないが、可能性があるとすればあそこしかない。ダメならそこでゲームオーバー。しかし選択肢は無し。

水穂さんのほうは神官だからだろうか、何か市民に声をかけられたりしており、かなり距離が離れた。

「ハァハァ」

最初の高台に着くと、そこには

「ブラックホール?」

黒く渦巻く何かがあった。まるでブラックホールのようだ。

遠くから足音。おそらくあと一分もすれば追いつかれるだろう。考えている暇はない。

「うおおおお」

俺は一心不乱にブラックホールの中に飛び込んだ。と同時に浮遊感。これはここに来るとき絶え絶えの意識の中で感じた感覚に近い。

どうやら入って正解だったようだ。

到着するまでの間、俺は次の手を考える。

「おそらくあっちもすぐブラックホールに入っているだろう。つまり、少しでもモタつけば追いつかれる」

荷物は全て図書室に置いてきてしまっている。一旦図書室に戻るしかない。が、図書室は旧校舎二階。消失の間は旧校舎四階。足音でどこにいるかバレる可能性もある。

「いや・・・・・・」

そうだ。逃げる必要なんかないんじゃないか。わかったもらえば良い。

あっちには山神がいる。図書室にさえたどり着ければ、たとえ姿が見えないとしてもノートPCを通じてだが会話も出来るはずだ。

それから数秒後

「出口だ・・・」

出口のようなものが見えた、その刹那、唐突にそれは現れた。

俺は突如現れたそれに体当たりされ、その衝撃により俺は出口とは別方向に飛ばされた。

もがいて逃げようとしても、強力な力で体を押さえられ、逃げることは出来なかった。並大抵の力ではない。

 やがて、別の出口が見えてきて、それに捕まれたままそこから出てしまった。

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