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それは生きにくくする恐怖との戦い

作者: 武井 こらむ

「水は鏡」まずそれを知り、そして確かめる。


例えば洗面器の中に水を溜める、そしてそこに映る自分のであろう顔・・いつも見慣れてるその顔は、本当に自分の顔だろうか?

水の中から出てくる何か異様な雰囲気と空気がその顔を不気味にする。笑顔にしてみても、作り笑いが、なんとなく恐怖を映す。


それはもしかして、自分の本当の顔なのかもしれない。

自分の顔を肉眼で見る事は絶対に不可能だから、本当の自分を自分の肉眼で知る事もまた、不可能である。


そして、本当に恐怖なのは、いつも解決の出来ない自分自身の顔が、水の中で静かに笑うとき、その「水」が恐怖を誘う。


例えば洗面器の中に水を溜める、水だから見える本当の顔。


「水は鏡」まずそれを知り、そして確かめる。

冷たければ、冷たい程、真実味を帯びる、そしてそれは、自分自身がいったい何者なのか?洗面器の中には、見た事の無い恐怖の顔が見つめる。


逃げても逃げても追いかけて来る。

逃げられ無い恐怖、逃げても消えない恐怖。

水の中に手を入れて、自分の顔を見えなくしてみても、

現実に引き戻される恐怖。


例えば洗面器の中に水を溜める、水だから見える本当の顔。


水の姿を知ってはいけない、確かめてはいけない。水は、「冷たいもの」と言う概念と固定観念で、また私達の理想を潰し、寂しく哀しい大人にしてしまう。


そう、恐怖はいつでも近くにあり、恐怖は、眠れない自分と向き合う事を教えてくれる。


例えば洗面器の中に水を溜める、水だから見える本当の顔、恐怖で打ちひしがれた自分の顔を見ているもう1人の自分を写し出し、恐怖を煽る。


例えば洗面器の中に水を溜める、水だから見える本当の顔、その顔が笑っていない自分を嘲笑い、そして引きずり込もうとする。


ふと洗面器の中の水に現実を見たら、振り向いては、いけない、振り向いたとき、恐怖が背中に、執拗に覆い被さるから。

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