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冴えない僕の転生ライフ ~スキル〈認識阻害〉で成り上がる!~  作者: 天坂つばさ


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第22話 畑荒らしを倒せ!

 フェリシーから連絡を受けて、僕とアルフレッドさんはすぐに家を飛び出した。畑まで全力ダッシュだ。


「ウィリー様、俺だけでじゅうぶんですよ。眠くないんですか?」

「めちゃくちゃ眠いですけど、農家の人と移住してきた人たちのためにも頑張りたいんです」

「ご立派です。エルヴィス様が聞いたら喜びますよ。よっと、ちょっと失礼しますね」

「わわっ」


 アルフレッドさんに担がれて運ばれていく。こっちの方が断然速いから助かるね。


 よし、畑に到着だ。僕は下ろしてもらった。

 街灯も何もないからかなり暗い。でも、都合良く満月が畑を照らしてくれていた。おかげではっきりと見えたよ。ニンジン畑にたくさんのうさぎモンスターがいるのがね。そして――。


「うおおおおおおおおおおおっ! てめーらのせいだなっ!」

「このおおおおおおおおっ! 覚悟しやがれえええええええええっ!」


 三人の移住者の男性たちがうさぎに殴りかかっていた。

 しかし、相手はモンスターだ。戦いの素人が素手で挑んでしまったら、いくら小型モンスターが相手とはいえ、そう簡単には勝てなさそうだった。


 移住者の一人の男性の攻撃があっさりとを避けられてしまった。うさぎが反撃で移住者の男性の身体にツノを刺してしまう。


「ぐあああああああああああああっ!」

「大丈夫かっ!」


「めっちゃ痛い。困ったな。強いぞ、このうさぎ」

「夜になると凶暴化するんだな。って、出血がひどいぞ」


 大変だ。こんなところで人死にが出たらみんなが悲しんでしまう。僕がしっかりしないとダメだ。


「アルフレッドさん、彼の手当てをお願いします!」

「いいですけど、ウィリー様はどうするんですか?」

「うさぎを殲滅します!」


 僕はスキルをオンにした。これでもう僕の姿は誰からも見えないぞ。


「あれ、いない。あっ、スキルか。ウィリー様、くれぐれも無茶はしないでくださいよ」


 アルフレッドさんが負傷した人のところへと駆けていく。三人の移住者の男性たちは驚いていたけど、駆けてきたのがアルフレッドさんだと気がついて安心したようだ。


「騎士さん、犯人はうさぎでした!」

「分かってます。とりあえず手当てをしましょう。我慢していい傷じゃないですよ」

「す、すみません」


 僕は姿を消した状態で、今まさにニンジンを引っこ抜こうとしているウサギの後ろに迫った。そして、魔法を遠慮なくぶつけてあげる。


「【マジカルブリザード】!」


 急に背中がひんやりしたことに驚いたんだろう。うさぎが震え上がるようにする。そしてうさぎは、次の瞬間には全身が氷漬けになって動かなくなっていた。

 よし、一羽退治したぞ。他のうさぎに僕は認識されていない。どんどんいくぞ。


「【マジカルブリザード】! 【マジカルブリザード】! 【マジカルブリザード】!」


 ぜんぶで9羽か。よーし、討伐しきったぞ。ふー、いい汗をかいた。

 移住者の男性の一人が意味が分からなそうにしていた。あの男性は農家の人と口論をしていた人だね。


「不思議だ……。うさぎがなぜか氷漬けになっている……? 私は夢でも見ているのだろうか」


 僕はある程度近づいてからスキルをオフにした。みんなの前に姿を現わす。みんな一様に驚いていた。


「こ、子供……?」

「申し遅れました。僕は領主エルヴィス・ストラトスの息子、名前はウィリアムです。みなさん、ようこそストラトス領へ。ぜひ仲良くしてくださいね」


 僕としては普通に挨拶をしたつもりだったんだけど、彼らは満月に照らされながら唐突に現われた僕のことを神の使いか何かだと思ったらしい。

 三人とももの凄く僕に感謝してくれたし、信じられないくらいに敬ってくれた。


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