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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

よく手を握ってくる幼馴染の話(NTR)

俺、睦月ユウと──

如月アイは、小さな頃からの幼馴染だった。


 


小さい手を、恥ずかしげもなく握ってきて、

どこへ行くにもくっついてきて。


「ねぇねぇ、ユウくん、手ぇ繋ご?」


なんて、子供みたいなことを、何年経っても言ってくる。


 


いつまでも子供っぽいな、と思う。


でも──

そんなアイを、俺は心のどこかで「守ってやらなきゃ」と思っていた。


 


アイの笑顔は、俺にとって、何より大事なものだった。


 


──そんな、何でもない日常が、

永遠に続くと思っていた。


 


けれど──



▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


ある日、アイが急に体調を崩した。


「大丈夫だよ、ユウくん。先に帰ってて」


心配する俺をよそに、アイは笑ってそう言った。


 


──でも、どうしても不安だった俺は、

こっそり後をつけた。


 


そこで、見た。


 


見たくなかった光景を。


 


知らない男たちに囲まれて、

アイが、楽しそうに笑っている姿を。


 


俺の頭は、真っ白になった。


 


▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


影から聞こえてきた、男たちの笑い声。


「マジで信じてんのかよ、あのバカ(笑)」

「便利すぎるだろ、手繋ぎはダメだけど他はOKって(笑)」


 


──わからなかった。


──信じたくなかった。


 


アイは、何も知らない。

きっと、騙されているだけだ。


 


だけど──

俺は、すぐに動けなかった。


怖かった。


 


"あの無邪気な笑顔に、どうやって真実を突きつければいいのか"

考えただけで、吐き気がした。


 


そんな俺をよそに、

アイは、また知らない男たちと消えていった。


 


▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


──限界だった。


俺はとうとう、夜の公園に踏み込んだ。


 


暗がりの中、アイは、

男たちに囲まれて、笑っていた。


 


その光景が、脳裏に焼き付く。


 


気づけば、叫んでいた。


「アイ!!」


 


男たちは、うんざりした顔でアイを手放して、逃げるように去っていった。


 


取り残されたアイは、きょとんとした顔で俺を見上げる。


「ユウくん……どうしたの?」


 


──何も、わかっていない。


 


「アイ……あいつらに、何をされてたんだ?」


 


俺の声は、震えていた。


 


アイは、少し恥ずかしそうに笑って──

ぽつり、ぽつりと語りだす。


 


▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


「えっとね、ユウくん」


 


「恋人と、もっと仲良くなるためのおまじない、だって」


「だから、アイ、がんばったんだよ」


 


顔を真っ赤にしながら、

それでも誇らしげに、嬉しそうに──


 


「ちょっと恥ずかしいことも、いっぱい手伝ったの」


「でも、それも全部、ユウくんと手を繋いで、赤ちゃんを授かるためなんだよ」


 


アイは、ぽんぽんと自分のお腹を撫でた。


 


「きっと、できたと思うんだ」


「もうすぐ、ユウくんと家族になれるの」


 


無邪気な笑顔だった。


 


その言葉を聞いた瞬間、

俺の世界は、音も色も、すべてが消えた。


 


──あぁ、終わった。


 


目の前が暗くなり、

俺はその場に崩れ落ちた。


 


「ユウくん!? ユウくん!!」


アイの悲鳴が、遠く、霞んでいった。


 


▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


──それから。


 


俺は、人と触れ合うことができなくなった。


黒い手袋を外すことは、二度となかった。








































以下直接的な胸糞が欲しい人への蛇足
















男たちの語り:


──ったく、あんなのがいるなんてな。


最初はただの冷やかしだった。

駅前で暇そうにしてたガキをからかってみたら──こっちの言うこと、素直に信じちまってさ。



「恋人とうまくいくおまじないだよ」

「これも、仲良くなるための特別な方法」



適当なことを並べたら、あっさりやらせてくれた。

しかも、まったく疑いもせず、嬉しそうに。


笑えるよな。

こっちはお遊び感覚だっつーのに、本人は『これで好きな人と赤ちゃんできる』とか信じちゃってんだもん。


しかもさ、

一応『手繋いだら赤ちゃんできる』とかいう変な迷信だけは信じてるから、

手を握ろうとするとガチ拒否するんだよ。そのくせチンポ握るのはOKなのはマジで笑ったわ。


手はダメだけど、別のことは平気。

そんな都合のいい玩具、他にいるか?


おかげで、しばらくは楽しく遊ばせてもらった。


金も大してかからなかったしな。

「お小遣いあげるね」って言っとけば、ニコニコついてくるんだから、チョロすぎ。


あー、

でも最後の方はちょっと面倒だったな。

あいつ、腹でかくなってきてたし。


多分──いや、ほぼ確実に、誰かの子種が当たったんだろうな。


ま、俺たちには関係ねーけど。


そもそも、全部あのガキの彼氏君の責任だろ。

ちゃんと見張っとかないから、俺たちが拾っちゃっただけだし?(笑)



「悪いね、彼氏君。お前の女、ちょっと借りたわ(笑)」

「ま、ありがとさん。いい暇つぶしだったよ」



──誰かが、そう言って、笑った。


俺たちは、何も背負わない。


馬鹿な女と、それを守れなかったガキに、全部押しつけたまま。


今日も、別の女を探しに行く。

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