地下都市1
── なんなんだ、ここは……?
ふと見上げると、先ほど遠目に見えた浮じまが今や頭の上に広がり、その縁から降り注ぐ柔らかな光が、緑に覆われた地を照らしていた。
周辺には住居のようなものが乱雑に立ち並んでいた。だがすでにそれは全て廃墟のようだった。
焼け落ちた跡のような住居や壁にさまざまな木津がついた家がたくさん並んでいる。
まるで異世界に足を踏み入れたような錯覚だ。
地面を見渡すと、小さな羽を持つ生き物たちがくるくると舞い、遠くでは自分と同じ年頃の子どもたちが楽しげに駆け回ってい流のが見えた。
……すごい、こんな場所があるんだな
思わず息を呑んでしまう
夢のような光景だからだ。
元々人々が生活していた痕跡があるだけでも少し安心する。
でも、安心と同時に不気味にも感じる。
本当に人の気配がないからだ。
蛻の殻状態ってやつだろうか。
すると、その幻想のような時間を切り裂くように、不意に背後から冷たい声音がした。
「何をしに来た?」
びっくりしたぁ。
本当にびっくりした。
いきなりすぎて意識がどっかに飛んでってしまいそうだった。
なんなんだよいきなり。まったく…
振り返るとそこに一人の女が立っていた。
鋭い目つきで僕らを睨みつけるその姿は、ただの村人とは思えない。
だが、そんな鋭い目つきがどうでも良くなるくらいその人はきれいで美しいな白銀の髪をしていた。
それはそれは綺麗で、全ての光を反射ししまうんじゃないかってほどきらめいていた。
その上、顔もとても整っていて、スタイルもこれまた凄いもんときた。
あぁ。なんか感じたことのない気分になる。
なんだこの気分は。
ナニかは分からんけどナニかが起きそうな気持ちになる。
これはまるで…ユートピアのようでシンフォニアのようだ。
そして、それ以上に目を引くのがその鍛え抜かれた身体と、腰に帯びた武器だ。
鍛錬を積み、戦いに身を置いてきた者特有の空気を纏っている。
一体夜にどこで何の訓練をしてるんだか。ぜひ教えてもらいたいものだぁ。
おっと…余興が過ぎてしまった….
だが、肌ではそこに緊張が張り詰めていることを実感した。
僕は恐る恐る口を開いた。
「助けてもらった病院の院長さんに、ここに行けと言われたんです。それで……」
彼女は鋭い眼光を緩めることなく、しばし僕を観察するように見つめた。そして、低く呟く。
「ふむ……君らか。話は聞いている。確か、記憶を失っているとかなんとか…」
「はい……」
「それならば、とりあえず案内する。ついて来て」
その瞬間その場に張り詰めていた緊張が解かれた。
— μετά—
なろう作品らしい表現でふわっと投稿してきますんでよろしく〜
なろう特有の一人称視点的作品に飽き飽きしてるそこの君はこっち見て優越感にでも浸っててくれ。
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