病院6
何時間経ったか分からない…
気づいたら夜が過ぎ、あたりに光が差し込み時始めた。
それにしても本当に寒すぎる。
四六時中その事しか考えてなかったけど、それでも叫びたい。
さみぃぃぃィィィィィィ。
まあでもそれは寒くて当たり前だった。
何処までも続く坂道のような斜面を進み続けると自分達がいるところが山だということがわかった。
そりゃ寒いわけだ。
息切れた呼吸を整え、地平線の方向を眺めてみる。
すると、視界の先には言葉では説明できないような光景が広がっていた。
……あれ、なのか。すごい場所だな──
確かに遠くの方には建物が連なり、村や街のようにも見える。だが、それだけではない。
手前には大地には巨大な穴が開き、その上空には、地盤ごと宙に浮かぶ島々がいくつも漂っていた。
その奥にはなにやらとてつもなく大きい二足歩行の影が動いてるのが見える。
空には大小様々な光り輝く球体がいくつも見え、前方には球体になりかけている物が大きく一つ見える。
まるで作られている途中のような人工物が雲の向こう側に手のひらよりも若干の大きいくらいで漂っているのが見える。
まるで、天地の理そのものを拒むかのような光景。
まず最初に疑問を抱いたのはあの浮島はどうやって宙に浮いてるのかってこと。
そもそも中に浮くってなんだ?
普通に考えて中に浮くというのはあり得ないはずだ。
だからこそより一層分からない。
物理原則を全て無視したような姿がそこにはあるからだ。
でも、とにかく院長に紹介された場所があの浮島周辺であることがわかったので、向かうことにした。
山を下り切ると、そこは一面の砂漠だった。
地面からの熱気が伝わってくる。
寒いのあとは暑いかよ。
本当に勘弁してくれ。
急激な温度の変化で体調が悪くなりそうだ。
急激に汗が大量に出てくるし、視界がクラクラし始めるし。
まじで、キッツいは〜。
少女を見ると、僕がかけた上着をまだ着ていた。
彼女もまた大量の汗をかいていた。
だから今度はその上着を脱がせて、それを僕は手に持った。
「それにしても、暑いな……」
思わずそう呟いてしまった。
だが、彼女は何も言わずにただひたすら歩いている。
こんな小さい頃少女が文句、弱音ひとつ吐かずにこの灼熱の中を歩けるというのはとてもすごい事だ。
どんなに寒くても、どんなに暑くてもそれに動じる事なく進むその姿に、意外なほどの体力を感じる。
俯きながら砂の大地を進み続けると次第に地面に緑が散らばり始めた。
空気が緩やかになり、まるで今までの灼熱は嘘だったかのような爽やかな風が頬を撫でる。
── なんなんだ、ここは……?
— μετά—
なろう作品らしい表現でふわっと投稿してきますんでよろしく〜
たまに世界感バグり散らかすんで本編しっかり知りたい人はこっち見てくだされ。
→恢攘の啓徒 https://ncode.syosetu.com/n7126kd/