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病院3

「……うまい……」


 すると。またドアから人が入ってきた。


「失礼するよ」


 今度はちっこい老いた爺さんが失礼して来た。

 それはそれはヨボヨボで今にも朽ち果てそうな体をしてる。


 おっと…ちょっと失礼だったかも…….でもそれもまた事実だ。


「必要な薬品を持ってきたよ。ちくっとするけど、我慢してくれ」


 は?

 何⁉︎ちくっとするのはごめんなんだよ。

 痛いのは嫌だ…痛いのは嫌だ…痛いのは嫌だ…


 若干の抵抗の末、針が腕に刺された。


 普通に痛かった。

 どこが“ちくっ”だよ。全然“ぢくっ”て感じだし、なんなら“ぐさっ”だろ。

 全く。年寄りとの価値観の相違ほど憤慨するものは無いかもしれない。


 病室だとやることといえば、時折、そこから黒煙や、まるで巨大なきのこ雲のような影が立ち昇るのを見て、その大きさや振動に一喜一憂することか、本などで一定の常識を身につけることしかなかった。

 それか、たまに様子を見に来るあの老いた医者に外の事情を聞く音くらいと言ったところだ。


 ──あの日、何が起こったのか。

 ──ともに発見された少女について。

 ──そして、自分自身について。


 僅かだが、色々教えてくれた。

 それと、あの老人医者は実は院長だったらしい。

 色々と世話をしてくれたり、優しくされて、いつしか彼に対する印象は変わった。

 だが、ここの看護婦は対照的に多くを語ろとしなかった。

 いつも冷たく、淡白な言葉しか返ってこない

 まるで何かを隠してるかのようにね。


 それはそれで寂しいってもんだ。

 部屋にたった1人、変な視線をどこからか感じながら日々が過ぎ去っていった。


「……自分はいったい、何者なんだろう」


 そんなことを日々考えるようになっていた、ここに来てから4ヶ月経ったある日の午後、診察室に呼ばれた。


 何事かと内心、とても焦ったことだ。


 部屋に入ると、そこには例の院長が椅子に座っていた。

 彼はカルテをめくりながら、チラリとこちらを見た。一見、何やら重要な話をするような雰囲気を醸し出していた。

 その老人は僕の目を見て真剣な眼差しで話し出した。


 しかし、そんな焦りは必要なかった。


「君の容体は安定している。そろそろ退院しても構わないだろう。……もっとも、行き先がないのなら、こちらで手配してあげられるがね」


 急な報告に驚く。

 退院?

 はて…それをしてどこへ行くというのか?

 行く宛などあるはずがないのに。


 続けて老人が話しかけてくる。





— μετά—

なろう作品らしい表現でふわっと投稿してきますんでよろしく〜


なろう特有の一人称視点的作品に飽き飽きしてるそこの君はこっち見て優越感にでも浸っててくれ。

      →恢攘の啓徒 https://ncode.syosetu.com/n7126kd/

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