病院.1
「ここは…どこだ…」
目を覚ますと白い天井が見えた。
自分が幼い少年であることだけはなぜかわかった。
自分が誰なのか。
なぜここにいるのか。
わからない。
ただわかるのは見たこともない部屋の寝たことも無いベットの上で、目が覚めたということ。
ここは病院のようだが、なぜここにいるのかもわからない。
一つ感じるのは寒いということだ。
かなり肌寒い。
「……寒いな」
思わず独り言でつぶやいてしまった。
そこにあったブランケットをかける。
だがそれは薄いものでそんなものでは温かくなるはずがない。
ふざけんなって思う。
するといきなり部屋の扉が開いた。
白衣を羽織った3人が部屋に入ってきた。
その中でメガネをかけた、いかにも好青年を気取ってるような人が僕に話しかけてくる。
「体調はどうかな?少しは落ち着いた?」
はて、何のことだろう?
それにこんな寒い中で子供が1人でいて落ち着けるわないだろう。
こいつは何を呑気なこと言ってるんだ?
そんなことを思っていると背後にいる2人の看護婦が僕の腕に繋がった管を交換し出した。
交換された何の液体かもわからない冷たい液体が体内に流れてきた。
寒い環境で既に凍えてるのにまた冷たい感触がしてもっと体中に鳥肌がでた。
ひとまずその男に素朴な疑問をぶつけてみる。
「ここは……病院、ですよね?」
「そうだよ。君と隣にいた少女が、雪の中で倒れているところを運良く通りがかった人が見つけてくれたんだ。ひどい怪我だったが……。何か思い出せることはあるかい?」
少女…?
そんなもの知るわけがないだろ。
今目覚めたらここにいて、自分が誰もかも分からないのに?
そもそも、なんで僕は言葉が話せるの?なんで僕はあの人の言葉がわかるの?
疑問をあげたらキリがない。
何か思い出せることはあるかい?って知るかよ…そんなん
「いえ…….何も。目が覚めたら、ここにいて……」
するとその男は颯爽とカルテにペンを走らせた。
おいおい。かっこいいかよ。
「そうか……。では、検査を使用。何が起きたのか、調べる必要があるね。少し歩けそうかな?」
バカにしてんのか?
歩くくらい足がついてりゃ誰でもできるだろうがよ。
寒すぎてイライラしてるから親切そうな丁重な言葉が余計に煽ってるように聞こえてくる。
だが、立ち上がるとすぐ、立ちくらみに遭った。
するとすぐに看護師の1人が支えてくれた。
なぜだか、ちょっと緊張する。
なんだこの気持ち….かなり謎だ。
それにしても、病院の先生の話はちゃんと聞くべきなんだなってことを今理解した。
いきりたっていた自分が恥ずかしい。
結局看護婦に支えられながら、検査室に向かった。
— μετά—
なろう作品らしい表現でふわっと投稿してきますんでよろしく〜
なろう特有の一人称視点的作品に飽き飽きしてるそこの君はこっち見て優越感にでも浸っててくれ。
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