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お昼になり、アイリスと並んで約束のお店へ向かっていた。

「うわぁ〜、1週間ぶりのエマだよー!俺、ドキドキしてきた!!お前にこの俺の気持ち分かる?嬉しい気持ちと怖い気持ちが入り混じったこの感じ!」

と、涙目になりながらアイリスは私に今の感情を訴えてきた。

「わかんない。でも、エマに久々に会えるーっていう嬉しい気持ちなら分かるよ。結婚の準備やらなんやらで、全然会えなかったんだもん。話したい事が山のようよ〜。ねぇアイリス、ご飯食べ終わったら先に会社に戻ってよね。女同士でしたい話だってたくさんあるんだし!」

「分かってるよ!分かってるけど、俺にも久々のエマを堪能させてくれよー!」

っと言いながら、アイリスは私に抱きついてきた。

「ちょっと!放しなさいよ!!私こう見えても人妻よ?変な誤解されたらどうするのよ!」

と、私は離れたアイリスの肩を軽く殴ってやった。

「あっ!ホントだ。すまん、すまん」

と言いながら笑っているもんだから、私までおかしくなってきて、2人でしばらく笑いながら歩いていた。



約束の店の前でエマが待っていた。

「エマ!ひさしぶり。待たせちゃった?」

「全然。ほんと、久しぶりになっちゃったねぇ。どう?新妻の気分は?」

と、エマがイタズラっ子の顔でこちらを見てきた。

「うーん、まぁまぁかな。詳しくはまた後で。さっ、お腹空いた!入ろう、入ろう」


席に着いて注文を待つ間、毎度のことながらアイリスは借りてきた猫のように大人しかった。

ただ、エマの顔を見ながら嬉しそうに微笑むだけだった。

食べ終わって食後のコーヒーを飲んでいると

「じゃぁ、俺は先に戻るよ。レイナはエマとごゆっくり。

じゃぁな、エマ。今日は顔が見れて良かった。久しぶりのランチ、邪魔して悪かったな。またな。」

と言って、アイリスは先に店を出て行った。

アイリスの背中を2人で見つめながら

「ねぇ、エマ。そろそろアイリスに気持ちを許してあげたら?エマの気持ちも知ってるけど、お義兄さんの結婚、来月じゃなかったっけ?」

「うん。そうなの、分かってる。分かってるんだけど、気持ちが頭に追いつかないの。結婚したら、別宅に奥様と住むんだって。そしたら、顔を見ないで済むし、気持ちが冷めてくのかなぁって少し期待してる。

アイリスの事もわかってるの。良い人なのも、いい男なのも。でも、だからこそこんな気持ちのままじゃぁ向き合っちゃいけない気がするの。」

「そっか。気持ちなんて簡単に変えられないもんね。」

「厄介だよね。継母の連れ子に恋するなんて」

そう言って、エマは少し悲しそうに笑った。

「そんな事ないと思うよ。好きになる気持ちは自由なんだし、それがたまたまお義兄だったってだけだもの。」

「そうかな、ありがとう。

ところで、レイナの方はどうだったの?ダービン様。

やっぱり嫌々っぽい感じなの?」

ダービンの気持ちを聞いて、ショックだった私は唯一、エマにだけ相談していた。

「うーん、それがよくわかんないの。優しかったり、怖かったり?朝は起きたらもういないし、夜は寝るような時間になったら戻られるの。でも、後継を産む事は公爵夫人の勤めだからって、その、、、」

「子作りはするのね」

そう、と私は肯定するように下を向いたまま頭を軽く振った。




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