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翌朝、目が覚めるとダービンはすでに仕事に向かった後だった。
昨夜の事を思い出し急に恥ずかしくなったが、ダービンにとっては義務としての行為だったのだと思うと、切なくなった。
その後、夕食の時間になってもダービンは帰らず、寝ようとベッドに入ると侍女からダービンが帰宅した事を知らされた。
ダービンと顔を合わせるのが気まずくて、そのまま寝ようとすると、寝室にダービンが入ってきた。
「今、帰った。寝るのか?」
「あっ、お帰りなさい。はい、もぅ寝ようかと。」
「今日はすまなかった。どうしても抜けられない仕事があって、新婚そうそう君を1人にしてしまった。」
「そんなっ、大丈夫です。ダービン様こそ、こんな時間までお仕事お疲れ様です。私の事は大丈夫ですので、お気にせず、、、」
「、、、少し待っててもらえるか。すぐに風呂に入ってくる。」
えっ!っと返事をする間もなく、ダービンは部屋を出て行った。
それから程なくして、ゆったりとした服に着替えたダービンが寝室に戻ってきた。
2人でベッドに入り、並んで座った。
「今日は休暇だったと聞いたが、何をしていた?」
「あっ、今日はメイド長様より屋敷を案内をしていただきました。小さい頃から来ていたとはいえ、詳しい部屋などは知らなかったので、教えていただきました。」
「そうか。無理せず、屋敷に慣れてってくれたらいい。」
そう言いながら、ダービンはとても優しく微笑んでくれた。
どこか昔の、ダービンの本音を知らなかった頃に戻ったような時間がながれ、ほんのりとしていると、ダービンが怖い顔でこちらを見てきた。
「では昨日も伝えたように、君には公爵夫人としての義務を果たしてもらわねばならない。不本意かもしれないが、受け入れてくれ」
そう言いながらまたダービンは私に口付けをした。
今度の口付けはとても優しく、ダービンが少し震えているように感じた。
顔と顔が少し離れ、見つめ合ったダービンはどこか切ない顔をしていた。
なぜだろう?と疑問が浮かぶのも束の間に、また昨夜のような激しい口付けと共に私の思考回路は吹っ飛び、今夜も子作りが繰り返された。