10 ※ダービン目線※
この結婚はレイナにとっては意図しないものであって、不満なものなのかもしれない。
この不安を消し去るだけの材料はなく、ここ最近はまともに話もしていなかったため、初夜に夫婦の寝室に入るのはとても躊躇われた。
しかし結婚してしまった以上、彼女は俺の奥さんなわけで、夫婦になった以上後継者も作る必要があるわけで。
そう自分に言い聞かせて、寝室のドアを開けた。
彼女が何か言う前に彼女の口を塞ぎ、彼女を事実上「妻」にしてしまった。
結婚する以上、初夜があること、子供を作るために彼女と重なるということは何度となく考えていた。
いろいろと想像もしていた。
行為が終わり、隣ですやすやと眠るレイナを見て、彼女が自分のものになったのだという喜びと、無理やりに自分と繋げてしまったという罪悪感で頭がおかしくなりそうだった。
翌朝どんな顔をしてレイナと顔を合わせればいいのか分からなくなり、朝方急ぎの仕事があると偽り、彼女が起きる前に城へ登城していた。
執務室で書類を整理していると、ガチャという音と共に呆れ顔をした第一王子が入ってきた。
「ねぇ、なんで昨日結婚式あげたお前がこんなところにいるの?」
「なんでって、、、仕事が、、溜まるから、、、」
「そう思って急ぎの仕事は全部、僕のところに直接回すように指令を出してたよね?
それで、お前には1週間の休暇を与えてたよね?違った?」
何も言い返せなかった。
「レイナ嬢との初夜、うまくいかなかったのか?それとも拒否されたか?」
幼馴染でもある第一王子には、レイナとの事を全て話してあった。
「初夜はうまくいった、、、、、と、思う。レイナには結婚が不満でも受け入れろって、で後継者を作る事も義務なんだからって。
で、何か言い返される前に強行突破した。でも、拒否されている感じはしなかった。と、思う。」
「あほなのか。正直に“レイナと結婚出来てうれしいです!大好きだ!”って伝えれば良かったのに。
で?それでうまくいって、拒絶されている感じもなかったのに、なんでここにいるの?」
「拒否されなかったし、名実ともに夫婦になれて、正直クソが付くくらい嬉しい。でも、彼女はそうではないのかもって、我慢させたんじゃって思ったら、同じくらい罪悪感が襲ってきて」
「ふ~ん、それで仕事に逃げてきたってわけだ。根性なし。
まぁ、お前の気持ちも分からないでもないよ。レイナの事をどれだけ好いていたかも、避けられだして不安がっていた君も僕は見てきたんだ。責めるつもりも権利もない。
ただね、初夜を迎えた翌朝に一人で目を覚ますレイナの気持ちも考えてあげなよ。」
「それは、、、悪いと思っている。」
「なら今日はできるだけ早く帰りなよ。そして彼女に謝らないと。新婚早々一人にしたこと。」
わかったと返事すると、第一王子は部屋を出て行った。
第一王子の配慮も虚しく出勤しているとわかった途端、仕事が次々と舞い込んできた。
気が付いた頃には空はもう暗く、日付が変わるまであと数時間となっていた。
慌てて城を飛び出し、家に戻ると彼女のいる寝室に向かった。
まだ寝ていなかった彼女に安堵し、今日の不在を謝罪すると彼女は許してくれた。
すぐに風呂に入り、2人でベッドに座った。
何を話せばいいのか、わからない。
久しぶりのレイナとの会話に緊張や不安、嬉しさが入り混じり、ありきたりな話しかできなかった。
そんな俺に対して、レイナは以前のように会話を返してくれた。
それなのに俺は、彼女の口からこの結婚や俺に対しての不満や何かが出てくるかもと、急に不安が押し寄せ、気づいたら彼女の口を塞いでしまっていた。
それでもレイナが受け入れてくれた。
喜びと同時に罪悪感が押し寄せ、自分の感情がわからなくなったが、体だけでも繋ぎ止めたいと、またしても俺は行為を強行してしまった。
新婚2日目
まだ外も明るくなりきらないうちに、第一王子の使いによって俺は城へ呼び出されてしまった。




