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第2話「繰り返される運命」

「お、おい!ナツ!さっきのは一体……」


混乱している俺をよそに、ナツは強引に俺の腕をとり走り出す。


「何ボケッとしてるの。早く行くわよ」


「いやそれよりナツ、お前本当に大丈夫か?体痛んだりしてないか?」


「何わけのわからないこと言ってるのよ。またどうせ変な夢でも見たんでしょ。もうおじいさんには連絡してるから、今日は仕事休んで私とデートしなさい」


「ゆ、夢って。あれが?」


 ふと、手のひらを見るが確かに血の付いた後は見られない。見られないが……


 確かに感じた。寄り掛かるナツの重みが、生者の重みから死者の重みに変わったのを。


 気持ち悪い違和感だった。夢と切り捨ててはいけないとそう告げているように感じた。


「まあ流石に夢だろうな」


 このときの俺は深く考えずそう思っていた。







二人で畑周りの道をぶらぶらと歩いていると、正面から金髪の青年がこちらに向かって走ってきた。


「ふー。いい汗かいたぜ。ようハルトッ。おはよう」


「おはよう、レオン。どうしたんだ?そんなに急いで」


「それがさ、村で合コンやることになったんだよ。どうだ、ハルト。お前も来ないか?お前、イケメンだから楽しめると思うぞ」


「いや、遠慮しとくわ」


「そうよ。ハルトはわたしと遊ぶのよ。わかったなら引っ込んでなさいよ。この金髪馬鹿ド腐れあんぽんたんが」


「そ、そこを何とか頼むよ~。村の女どもにはもうハルトも来るって言っちゃったんだよ」


 レオンは情けない声を上げながら、両膝を地面について懇願し始める。


「ダメなものはダメだ。そもそも今日はナツと遊ぶんだから」


「ナ、ナツちゃんとか……わかったよ。お前も大変だな」


 そういって俺に哀愁漂う眼を向けてくるレオン。


「な・に・が大変よ!!」


 ナツはレオンのこめかみに握りこぶしをグリグリ押し付ける。


「いたたたたたたたた」


「あははは!!じゃあレオン、もう行くわ」


「いってー。なんなんだよ全く。まあいいわ、また呼ぶからそのときはよろしくなー」


「約束できないなあ」


「行ったら殺す」


「すまん。呼ばれてもいかないわ」


「そんな殺生な。お考え直しをッ」


 纏わりつくレオンを振り払いながら来た道を引き返した。








 散歩し飽きた俺たちは結局、二人でキャベタ狩りをすることにした。


「合コンか~」


 3日前の合コンを思い出す。綺麗なお姉さんたちとお酒飲みながらワイワイ話すのは新鮮で楽しかったな。特に紫髪のハーフツインの子、可愛かったな。


「また行ってもいいかもな」






「は?」



 ナツのその濁った瞳を見て妙な既視感に襲われた俺は、ナイフを握りこむ。



 そんな俺の抵抗も虚しく、同じ悲劇が繰り返されたのだった。

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