何者か
そのままの君でいい、とか
何者かになる必要はない、とか
やさしさを受け取るけれども
僕は嘘が下手だから
苦笑いで「そうですね」なんて言って返すことしかできない
僕は僕自身が許せない
早く何者かにならなければ、僕はずっと弱いままで
強い人達に、利用され、浪費され、消費され
遂に、人生の真理とは、諦観と忍従だと悟るようになるだろう
ならば、強い人達と同じになればいい
だけど、彼らは醜いです
神は死んだのだから革命を起こせばいい、俺たちの
いいえ、憎しみの連鎖を生むだけです
ならば、全て諦めればいい
ああ、それはちっとも面白くありません
喜びはないが、緩やかな苦痛だけ済むぞ
そうして、何も満たされずに朽ちていくのでしょう
世直しも隣人を愛することも、何となく寒々しい
だけど、ある詩人はこんな事を言っていた
全体が幸福にならない限り、ほんとうの幸福は訪れない
芸術を持って、あの灰色の労働を燃やそう、と
正に、そういった美しい力が欲しい
誰かを、ほんとうの意味で幸せにできる人になりたい