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マンドリニストの群れ  作者: 湯煮損
第9章「先輩たちの全国大会」
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第55話「連続優秀賞」

 部長の高橋と副部長の三吉が堂々と歩み、ステージの正面で立ち止まる。これまでにない緊張感の中、アナウンスが賞を読み上げる…。

「…優秀賞。」

「うわあああああああ!!」

アナウンスの発表と共に奏太たちは湧き上がった。

「…良かった。」

毎年安定して優秀賞を取っているとはいえ、万が一の場合にはという不安感があったため、この発表には小野たち3年生は胸を撫で下ろしていた。会場では高橋が賞状を受け取ると、座っている仲間の方を見て目一杯の笑顔を見せた。その様子を見て、小野は微笑ましそうにニッコリと笑った。

「やりましたね、先輩。」

奏太が小野の方を見て讃えると、小野はウインクして答えた。

「うん。ありがとっ!でもまだこのあとだよ!」

そう、西田高校の目標は特別賞の受賞、そしてその最上位である優勝だ。ここで優秀賞を取ることはハッキリ言って通過点にすぎない。本当に気になるのはこのあとだ。全ての学校の結果発表が終わった後はいよいよ特別賞の発表に移る。優秀賞の喜びも束の間、ここからは再び大きな緊張感が会場を包んだ。

「…頑張ったから、大丈夫だよね…」

緊張しながら言う石原に対し、小野が答えた。

「もちろん。このときのために1年間やってきたんだから…!」




 「それでは特別賞の発表に移ります。」

アナウンスが鳴り、特別賞の発表が始まった。

「まずは3年連続で優秀賞を受賞した学校に送られる、“大阪府知事賞”を発表させていただきます。」

アナウンスでの賞の説明を聞いて、奏太は小野に質問した。

「3年連続…?そういうのもあるんですね。先輩たちはずっと優秀賞取り続けているはずですしここでも表彰があるんですか?」

「あっ、ううん!確かに今回で連続して優秀賞取るの14回目で長年取り続けてるけど、毎年じゃなくて3年ごとくれるから今年はもらえないよ。私たちが1年生の時に先輩たちが貰ってたの。」

「そうなんですね。」

奏太は少しガッカリした。

「でもね、その代わり来年も優秀賞を取れば15回目だからまた貰えるはずだよ。しかも来年は…」

小野が説明を続けていると、アナウンスが大阪府知事賞の受賞校を発表し終え、次に移った。

「続いて、15年連続して優秀賞を受賞している学校に送られる“連続優秀賞”の発表です。」

「そうそう!これが貰えるよ!だから来年は2つ貰えるの。がんばらなきゃだよ〜!」

小野はアナウンスに合わせて連続優秀賞のことを説明すると、ニッコリと笑った。

「…なるほど!来年は重要な年なんですね!頑張らないと!」

小野の説明を受けて奏太は気合を入れて前を向いた。

この後、10年連続出場で貰える連続出場賞の発表があり、続いて“振興会特別賞”の発表に移った。この賞は通称“優秀指揮者賞”と呼ばれることもあり、学生指揮の学校の中から最大3校選ばれるので山崎先生の指揮での演奏をしている西田高校は選考の対象外になるが、特に上手な指揮をした学生指揮者が在籍している学校が受賞していた。

そしてついに、今回の演奏結果を踏まえ全校から選出される上位校、特別賞の発表に移った。

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